品質管理 中国工場管理の基本事例(その15)

投稿日

中国

 

◆品質管理-中国工場の品質がよくないのはなぜか(その5)

 中国工場のスタッフについてみています。これまで作業者や管理者の班長・組長を取り上げてきましたが、今回は科長についてお話します。

1、管理者

 中国工場でいう管理者とは、現場の班長さんや科長さんのことです。

(2)科長

 作業者から班長・組長を経て科長になる人もいますが、多くは既に他社で管理職を経験した人や大学卒の新人を、将来の管理職候補として採用している企業が多いようです。

 現場の科長には、班長・組長とはまた違った重要な役割が多くあります。現場の日常管理を任せることになるわけで、日々の生産が問題なく行われること、何か問題や異常が発生した時の対処など、生産品の品質確保という重要な役目を持っています。そういった面では、継続的な改善を進める担い手としての役割もあります。生産や工程の問題点は、常に現場にいるスタッフ、現場のことをよく理解しているスタッフが一番よく分かっているはずです。これらスタッフに改善を進める意識や力がないと改善はできません。

 現場の管理の他にも作業者や班長に対する教育係としての役割も担ってもらいます。人に教えるためには、まず自分自身が理解していることが必要です。

 現場の科長にこれら役割を担ってもらうことが、工場のレベルアップにつながりますし、そうした科長の中から優秀な人がさらに上のポジションに就くことが現地化につながっていきます。

 新卒で入社した管理職候補が即戦力になるのことは難しいでしょう。しかし、戦力になるまで会社にいてもらわなくてはなりませんし、一人前の管理者になった後にこそ、定着させる必要があります。私が色々な工場を見てきた経験では、管理者の定着率がよくない工場の管理レベルが高いということはありませんでした。

 では、管理者を定着させるのに必要なことは何でしょうか?

 給料でしょうか。残念ながら違います。もちろん給料もある程度の水準は必要です。必要なことは「会社にいることが自分にとってプラスなる」と思わせることです。

 大卒の中国人たちは、自分の将来を考えています。「この会社にいると何を身に付けることができるか」、「自分はこの会社で将来どのポジションまでいけるのか」について考えています。...

中国

 

◆品質管理-中国工場の品質がよくないのはなぜか(その5)

 中国工場のスタッフについてみています。これまで作業者や管理者の班長・組長を取り上げてきましたが、今回は科長についてお話します。

1、管理者

 中国工場でいう管理者とは、現場の班長さんや科長さんのことです。

(2)科長

 作業者から班長・組長を経て科長になる人もいますが、多くは既に他社で管理職を経験した人や大学卒の新人を、将来の管理職候補として採用している企業が多いようです。

 現場の科長には、班長・組長とはまた違った重要な役割が多くあります。現場の日常管理を任せることになるわけで、日々の生産が問題なく行われること、何か問題や異常が発生した時の対処など、生産品の品質確保という重要な役目を持っています。そういった面では、継続的な改善を進める担い手としての役割もあります。生産や工程の問題点は、常に現場にいるスタッフ、現場のことをよく理解しているスタッフが一番よく分かっているはずです。これらスタッフに改善を進める意識や力がないと改善はできません。

 現場の管理の他にも作業者や班長に対する教育係としての役割も担ってもらいます。人に教えるためには、まず自分自身が理解していることが必要です。

 現場の科長にこれら役割を担ってもらうことが、工場のレベルアップにつながりますし、そうした科長の中から優秀な人がさらに上のポジションに就くことが現地化につながっていきます。

 新卒で入社した管理職候補が即戦力になるのことは難しいでしょう。しかし、戦力になるまで会社にいてもらわなくてはなりませんし、一人前の管理者になった後にこそ、定着させる必要があります。私が色々な工場を見てきた経験では、管理者の定着率がよくない工場の管理レベルが高いということはありませんでした。

 では、管理者を定着させるのに必要なことは何でしょうか?

 給料でしょうか。残念ながら違います。もちろん給料もある程度の水準は必要です。必要なことは「会社にいることが自分にとってプラスなる」と思わせることです。

 大卒の中国人たちは、自分の将来を考えています。「この会社にいると何を身に付けることができるか」、「自分はこの会社で将来どのポジションまでいけるのか」について考えています。

 ですので、どんなスキルを身に付けることができるのかを示すこと、そして彼ら彼女らにスキルを身に付けさせる仕組みを作っておくことが必要です。

 また、優秀であれば幹部として登用される可能性があることを実際に示すことが大事です。この会社にいても何も身につかない、これ以上の出世も望めないとなれば、他の会社を探し始めることになります。

 この管理者(科長、班長・組長)の定着は、工場管理や品質確保のために作業者以上に重要なポイントです。

 次回は、(3)経営層について解説します。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

根本 隆吉

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改善・再構築を第一の使命と考え皆様を支援します。

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改...


「品質マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
【快年童子の豆鉄砲】(その118)QCサークル活動スパイラルアップ戦略(5)

       前回の【快年童子の豆鉄砲】(その117)QCサークル活動スパイラルアップ戦略(4)からの続きで...

       前回の【快年童子の豆鉄砲】(その117)QCサークル活動スパイラルアップ戦略(4)からの続きで...


品質管理のためのPDCAサイクル 品質保証概論(その3)

  【品質保証概論 連載の目次】 1. 品質とは何か 2. 品質を保証するということ 3. 品質管理のためのPDCAサイクル ...

  【品質保証概論 連載の目次】 1. 品質とは何か 2. 品質を保証するということ 3. 品質管理のためのPDCAサイクル ...


原因は必ず複数ある 慢性不良への対応(その1)

 まったく同じ作り方をしているにもかかわらず、前のロットの不良率は0.5%だったのに、このロットは8%も不良だった、不良内容もまったく違う・・・。ある日突...

 まったく同じ作り方をしているにもかかわらず、前のロットの不良率は0.5%だったのに、このロットは8%も不良だった、不良内容もまったく違う・・・。ある日突...


「品質マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
中国企業・自社の検査員を仕入先に派遣 中国企業の壁(その35)

        ある中国企業では、トップが品管部にどのような役割を持たせるかで思案していました。    現状この会社の品管部は、検査部門と言える...

        ある中国企業では、トップが品管部にどのような役割を持たせるかで思案していました。    現状この会社の品管部は、検査部門と言える...


中国工場と品質:中国人の「わかりました」を鵜呑みにしない

1. 中国進出の品質リスクとは   今回は、ある日系企業の中国工場進出についての事例です。この企業は、これから進出する場所を決定するとのことで、場所...

1. 中国進出の品質リスクとは   今回は、ある日系企業の中国工場進出についての事例です。この企業は、これから進出する場所を決定するとのことで、場所...


品質管理の和洋折衷とは

1.平均値の盲信  複数データの代表値として平均値を用いる事が多々あると思います。平均貯蓄額、平均余命、平均点、平均給与、平均単価など、事例をあげる...

1.平均値の盲信  複数データの代表値として平均値を用いる事が多々あると思います。平均貯蓄額、平均余命、平均点、平均給与、平均単価など、事例をあげる...