顧客はすばやい対応を望んでいる クレーム対応とは(その17)

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  クレーム対応
 
 前回のその16に続いて解説します。
 

2. 可能な限り早期に訪問すること

 可能な限り早期に訪問することは、「事態を真摯に受け止めています」という最大の意志表示です。まずは、企業の誠意を単刀直入に示す手段として、できるだけ早いクレーム顧客訪問を実践しましょう。電話では凄い勢いで怒っていた顧客が、面会すると穏やかに話をしてくれるケースも、決して少なくないのです。
 
 クレーム電話をかけてきた相手を早期に訪問する意思を示すことも、大変重要な行動指針になります。相手を訪問することで、トラブルの原因となった現場を確認することもできるし、場合によっては現場を確認する専門スタッフを同行させれば、トラブルをより正確に理解することもできます。
 
 早期の訪問は、それだけで企業の誠意を示すことができるのです。「私どもの企業はお客さまに発生した事態を真摯に受け止めています」という最大の意思表示として、早期訪問が有効であることを忘れないようにしましょう。
 

3. クレーム顧客に対する判断能力の強化とは

 クレーム顧客を訪問するときは、必ず複数でチームを組んで行動することが望ましいのです。
 
 その理由の第一としては、それだけ事に対する誠意を示すことになり、第二に見知らぬ人を訪問するときのセキュリティの問題があります。クレーム顧客の心中が穏やかであるとは限らないし、かなりの興奮状態である可能性も否定できないからです。
 
 複数の訪問であればクレーム顧客に対する観察や評価も、より客観的に行うことがでます。一人対一人では見逃してしまいそうな些細なことも、もう一人の観察者を加えることでより幅広く、より深く、別の角度からも観察することができるのです。
 
 一人が顧客と話す役割を担当したら、もう一人はできるだけ話に加わらず、観察に専念します。そうした役割分担を明確にすることでクレーム顧客の考えや人柄を正確に把握することが重要です。ただし、クレーム顧客と訪問スタッフが異性の場合は相応の配慮が必要でしょう。
 
 入試や就職の面接でも、試験官個々人の受けた印象によって正反対の評価が出ることも珍しくないので。そうした経験を踏まえれば、クレーム顧客に対しても、一人より二人の目でしっかり観察することの重要性が納得できるはずです。
 
 基本的には訪問時に出されたお茶や菓子、たばこなどには、手をつけないこと。とくにすすめられたときには、逆に手をつけないことが失礼に当たる場合もあるのでそのときはお茶をいただく程度に留めましょう。また、不用意にクレーム顧客の身体に触れることも「厳禁」と心得ましょう。膝や机を叩いたり、持っている名刺やメモなどをバンーと乱暴に置いたりすると、それだけで威嚇する動作や脅迫する行為と判断されて、罪に問われるこ...
 
  クレーム対応
 
 前回のその16に続いて解説します。
 

2. 可能な限り早期に訪問すること

 可能な限り早期に訪問することは、「事態を真摯に受け止めています」という最大の意志表示です。まずは、企業の誠意を単刀直入に示す手段として、できるだけ早いクレーム顧客訪問を実践しましょう。電話では凄い勢いで怒っていた顧客が、面会すると穏やかに話をしてくれるケースも、決して少なくないのです。
 
 クレーム電話をかけてきた相手を早期に訪問する意思を示すことも、大変重要な行動指針になります。相手を訪問することで、トラブルの原因となった現場を確認することもできるし、場合によっては現場を確認する専門スタッフを同行させれば、トラブルをより正確に理解することもできます。
 
 早期の訪問は、それだけで企業の誠意を示すことができるのです。「私どもの企業はお客さまに発生した事態を真摯に受け止めています」という最大の意思表示として、早期訪問が有効であることを忘れないようにしましょう。
 

3. クレーム顧客に対する判断能力の強化とは

 クレーム顧客を訪問するときは、必ず複数でチームを組んで行動することが望ましいのです。
 
 その理由の第一としては、それだけ事に対する誠意を示すことになり、第二に見知らぬ人を訪問するときのセキュリティの問題があります。クレーム顧客の心中が穏やかであるとは限らないし、かなりの興奮状態である可能性も否定できないからです。
 
 複数の訪問であればクレーム顧客に対する観察や評価も、より客観的に行うことがでます。一人対一人では見逃してしまいそうな些細なことも、もう一人の観察者を加えることでより幅広く、より深く、別の角度からも観察することができるのです。
 
 一人が顧客と話す役割を担当したら、もう一人はできるだけ話に加わらず、観察に専念します。そうした役割分担を明確にすることでクレーム顧客の考えや人柄を正確に把握することが重要です。ただし、クレーム顧客と訪問スタッフが異性の場合は相応の配慮が必要でしょう。
 
 入試や就職の面接でも、試験官個々人の受けた印象によって正反対の評価が出ることも珍しくないので。そうした経験を踏まえれば、クレーム顧客に対しても、一人より二人の目でしっかり観察することの重要性が納得できるはずです。
 
 基本的には訪問時に出されたお茶や菓子、たばこなどには、手をつけないこと。とくにすすめられたときには、逆に手をつけないことが失礼に当たる場合もあるのでそのときはお茶をいただく程度に留めましょう。また、不用意にクレーム顧客の身体に触れることも「厳禁」と心得ましょう。膝や机を叩いたり、持っている名刺やメモなどをバンーと乱暴に置いたりすると、それだけで威嚇する動作や脅迫する行為と判断されて、罪に問われることもあるので、気をつけなければならないのです。
 
 二人一組のチームを組む場合は、「違った個性の組み合わせ」を作ってもよいでしょう。男性スタッフと女性スタッフ、ベテランスタッフと若手スタッフ、営業部門の出身者と技術部門の出身者といった具合に、違った個性、キャリア、専門のチームを編成することで、観察の幅がより広く、深くなるのです。
 
 なお、訪問する際には、相手の興奮を誘う赤い色のネクタイやブラウスなどの着用はできるだけ避けましょう。
 
 次回に続きます。
 
【出典】武田哲男 著 クレーム対応、ここがポイント  ダイヤモンド社発行
         筆者のご承諾により、抜粋を連載
 

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この記事の著者

武田 哲男

常に顧客を中核とする課題取組みにより「業績=顧客の“継続”支持率達成!」 「顧客との良質で永いご縁の創造」に取組んできた。モノづくりとサービスの融合に注力。

常に顧客を中核とする課題取組みにより「業績=顧客の“継続”支持率達成!」 「顧客との良質で永いご縁の創造」に取組んできた。モノづくりとサービスの融合に注力。


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