不満顧客の存在 クレーム対応とは(その4)

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  CS
 

1. 顧客が腹を立てている

(2) ジョン・グッドマンの法則

 前回のその3に続いて解説します。
 
 不満のロコミは、一対一で伝わっていくとは限らないのです。ほとんどのケースは、不満を持った人間一人に対して、不満を聞いてあげる人が複数いるので、不満のロコミは驚くべき人数に拡大していきます。会社の上司、同僚、部下、学校の友達、先輩、先生、主婦の仲間や趣味サークルの仲間など、一対複数でロコミが拡大していくシーンは、日常生活の中で無限に存在します。
 
 ここで、単純な計算をしてみましょう。
 
 「一人の顧客が40人に不満を漏らし、不満を聞いた40人の1人ひとりが、また40人ずつに不満を伝えていくとしましょう。そうしたロコミが5回繰り返されたら、いったいどれくらいの人数が不満情報=クレーム情報を共有することになるでしょうか」
 
 40人ずつ5回にわたって不満がロコミされていく場合の計算式はこのようです。
    《40人×40人×40人×40人×40人=40人の5乗》
 電卓で計算すれば、答えは即座に《 1億240万人 》と出るはずです。
 
 たった1人の顧客の不満が、マイナスのロコミ効果によって、ゆくゆくは日本全国に広まってしまうという、とんでもないシミュレーション結果となるのです。ただし、不満の伝播は対面的なロコミばかりとは限らないのです。瞬時に多数の人間が事実を知る手段としてはマスコミ報道がありますが、近年、私たちはパーソナルな情報発信手段を手にしました。それは、言うまでもなく、インターネットです。
 
 インターネットにひとたび情報を流せば、瞬時に世界へと発信されていく。国境を越え、時間を超えて、瞬く間に1人の顧客の不満は、世界中の企業、世界中の消費者へと伝わってしまうのです。
 
 いまや1企業、1製品の問題は、局所的な問題ではなく、「世界共通の関心事」にさえなってしまいました。最近、私かアメリカヘ行ったときにも、複数のアメリカ人から「あの自動車会社はどうなったか」「食品会社の不祥事はその後、どうなったのか」「日本のメーカーの将来は大丈夫なのか」と、質問を受けた経験が...
 
  CS
 

1. 顧客が腹を立てている

(2) ジョン・グッドマンの法則

 前回のその3に続いて解説します。
 
 不満のロコミは、一対一で伝わっていくとは限らないのです。ほとんどのケースは、不満を持った人間一人に対して、不満を聞いてあげる人が複数いるので、不満のロコミは驚くべき人数に拡大していきます。会社の上司、同僚、部下、学校の友達、先輩、先生、主婦の仲間や趣味サークルの仲間など、一対複数でロコミが拡大していくシーンは、日常生活の中で無限に存在します。
 
 ここで、単純な計算をしてみましょう。
 
 「一人の顧客が40人に不満を漏らし、不満を聞いた40人の1人ひとりが、また40人ずつに不満を伝えていくとしましょう。そうしたロコミが5回繰り返されたら、いったいどれくらいの人数が不満情報=クレーム情報を共有することになるでしょうか」
 
 40人ずつ5回にわたって不満がロコミされていく場合の計算式はこのようです。
    《40人×40人×40人×40人×40人=40人の5乗》
 電卓で計算すれば、答えは即座に《 1億240万人 》と出るはずです。
 
 たった1人の顧客の不満が、マイナスのロコミ効果によって、ゆくゆくは日本全国に広まってしまうという、とんでもないシミュレーション結果となるのです。ただし、不満の伝播は対面的なロコミばかりとは限らないのです。瞬時に多数の人間が事実を知る手段としてはマスコミ報道がありますが、近年、私たちはパーソナルな情報発信手段を手にしました。それは、言うまでもなく、インターネットです。
 
 インターネットにひとたび情報を流せば、瞬時に世界へと発信されていく。国境を越え、時間を超えて、瞬く間に1人の顧客の不満は、世界中の企業、世界中の消費者へと伝わってしまうのです。
 
 いまや1企業、1製品の問題は、局所的な問題ではなく、「世界共通の関心事」にさえなってしまいました。最近、私かアメリカヘ行ったときにも、複数のアメリカ人から「あの自動車会社はどうなったか」「食品会社の不祥事はその後、どうなったのか」「日本のメーカーの将来は大丈夫なのか」と、質問を受けた経験があります。
 
 現代のようなグローバル経済になると、「日本人ならば誰でも知っている企業のトラブルは、世界中の誰もが知っている」という情報化社会が現実になりました。あなたの会社のたった1人の顧客の不満が、地球の裏側にさえ瞬時に知られてしまう時代がやってきたことを、いまこそしっかり認識すべきでしょう。
 
 次回に続きます。
 
 【出典】武田哲男 著 クレーム対応、ここがポイント ダイヤモンド社発行
            筆者のご承諾により、抜粋を連載 
 

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この記事の著者

武田 哲男

常に顧客を中核とする課題取組みにより「業績=顧客の“継続”支持率達成!」 「顧客との良質で永いご縁の創造」に取組んできた。モノづくりとサービスの融合に注力。

常に顧客を中核とする課題取組みにより「業績=顧客の“継続”支持率達成!」 「顧客との良質で永いご縁の創造」に取組んできた。モノづくりとサービスの融合に注力。


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