- 顧客は「現場では聞いてくれない」「相談してもらちがあかない」「問題を解決できない」「◯◯で困っている」といった悩みや不満を抱さながら電話をかけてくるということを、しっかり認識しましょう。
- ほとんどの人が、気が急いており、興奮して電話をかけてきます。したがって2コールで電話に出るのが望ましいでしょう。
- 第一声は爽やかで明るく、活き活きした感じで温もりのある応対を心掛けましょう。
- 話し声が聞こえてきた瞬間から三秒以内に、顧客の状態を察知しましょう。
- どのような答え方をすれば顧客に伝わるか、理解してもらえるか、感じよく伝わるか、納得が得られるか、満足・感動をもたらすことができるかを、20秒以内に頭の中で組み立てましょう。
- 相手の名前を何回も聞き直したり、用件を繰り返し説明してもらうようなことはもってのほかです。ときには聞き慣れない方言に接することもあるでしょうが、そうした場合は用件を全部聞き、最後に、聞き取りにくかったところを再確認します。
- 顧客の用件を聞いてから「担当が違うので少々お待ちください」「私では即答できませんので別の担当に代わります」といった具合に担当者が代わる「たらい回し」は、御法度です。そうしたときは、「ご趣旨は理解できましたが、私では即答ができませんので、こちらから15分以内に改めて電話をかけ直しさせていただきます。よろしいでしょうか」と返答しましょう。
- 顧客が困るのは、早朝、深夜、土日・祝祭日などに緊急事態が発生したにもかかわらず、連絡が取れないときです。こうしたときには、留守番電話の装置があれば少しはカバーできます。「申し訳ありませんが本日の業務は終了しました。なお、お急ぎでない方はこのままご用件とご連絡先のお電話番号をおっしゃってください。明朝ただちにご連絡させていただきます」とか「お客さまが特にお急ぎの場合はお手数をおかけして誠に申し訳ありませんが××番か、◯◯番にお電話をおかけ直しくださいますようお願いいたします」などと対応します。ボイスメールセンターなどのサービスも役立つので、採用を検討する価値があります。
- 「確かに当社に問題がある」と判断できるクレームや「お客さまのおっしゃるとおり」と判断できる場合は、ただちにこちらからお客さまのもとに駆けつけるスピード対応が必要です。またその緊急対応のシステムを組み立てておく必要があります。
- クレームは発生してから解決に至るまでの経緯や今後の指針を記録するだけではなく、「今後同様のことが起こらないような手段・方法を講じる」「トラブルを活かして顧客満足をもたらす革新性を打ち出したり、企業の資産として活用する」「ときには取引先にもクレームから学んだ知恵を公開する」などの方策をとるべきです。
- クレームは一件落着してもそのまま放置せす、フォローを忘れない。
- 特別重要な顧客から電話が入った場合は、電話のベルの音を変えるといった工夫を取り入れて、顧客層別の対応を日頃から心得ておきましょう。
- 顧客のクレームはファンを生み出し、プラスのロコミを誕生させ、新たな顧客を紹介してもらえる貴重なチャンスにつながります。その前提となるのは「スピード」「誠意」です。ただし、スピードと誠意を感じるのは顧客であること、今後継続した顧客になるかどうかの意思決定をするのは唯一顧客であることを頭に入れておくことが大切です。
- クレームは決して「処理」してはならない・だから日頃から「クレーム処理」の表現は使用しないようにすることです。「クレームサービス」などの表現を使用する。
- お客さま電話相談室、カスタマーセンターなどの表現はクレームに前向きに対応する表現です。「消費者相談室」はお役所的であり、データセンターは顧客志向の意味合いから外れる傾向にあります。
- リーダー不在時のクレーム対応はどうするのかを、明確にしておきましょう。
- きめ細かさ、神経のこまやかさ、ある種の臆病さや、誠意、スピードはクレームに対面する担当者の大切な資質です。逆に大胆不敵、無神経、いい加減、大雑把、鈍い反応、態勲無礼などはクレームをこじらせます。
- 「クレームに慣れすぎるな」「いつも初心の気持ちで接すること」を頭に置きましょう。
- 「顧客はわがまま」「顧客は無理難題ばかり言う」というとらえ方をせず、顧客はわざわざ自分の貴重な時間を費やして企業資産になる苦言、提案、要望を寄せてくる「ありかたい存在」ととらえて、つねに顧客の立場に立って発想することです。
- クレームの集積データを整理・分析すると顧客の顔や心が見えてくるようになり、顧客満足の提供につながります。その結果「当社のクレーム事例集」「クレーム対応集」などの作成が可能になり、社内の他部門の理解促進と協力態勢づくりに役立つようになります。
- 最初も最後も。人とシステムで決まります。どんなに優秀なコンピュータであっても、問題を解決してはくれません。
- 「1件の重大な災害の陰には29件の軽災害があり、300件の問題が潜んでいる」というセオリーは、有名なハインリッヒの法則です。潜在している問題を浮き彫りにする電話相談室や顧客不満足度調査などは、日頃から顧客の心の底に潜んでいる意識をとらえる装置として備えておきましょう...
筆者のご承諾により、抜粋を連載