社内の知識・情報を多様化する手段 研究テーマの多様な情報源(その4)

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 今回は、社内全体を対象として「情報・知識の『源』を多様化する」具体的かつ有効な手段の後半をお届けします。

 

4.組織横断的な横串し活動

 別稿で3Mのテクニカルフォーラムを紹介しましたが、同様の仕組みを持つ企業が近年増えてきています。これは、企業全体の主要な要素技術について、社内横断的に、共有・強化することを目的に行われている活動です。現在では、東レ、日東電工など、技術経営に優れた企業で採用されています。1つの要素技術という横串の仕組みを利用して、他の事業部門や研究所とつながることができ、このパイプを通じて、他部門の情報や知識を活用することができます。

 このような活動は、要素技術だけである必要はありません。同じ市場、同じ機能(マーケティング、生産、調達など)、その他具体的な会社のイニシアティブを、横串として利用するという方法も可能で、このような横串を沢山差すことは有効です。但し、気をつけなければならないのは、成果が生まれないと、忙しい本業外の活動ですので、自然に消滅するということが起こります。そのメンバーも、企業としても、本気で取り組む必要があります。

 

5.非公式なネットワーク

 これは具体的な目的を持って行う活動ではありませんが、社内に様々な非公式のネットワークを作ることも有効です。私が新入社員で企業に入った時には、社内運動会などがありました。当時はなぜ会社で運動会をやるのか懐疑的でしたが、組織を超えたネットワークを社内で作るという意味で、重要な活動であると思います。そう考えると、その他、自然発生的に同じ出身学校、同じ地域の出身、その他趣味を同じにするグループ等で集まる活動も重要ということになります。一時はなんでも会社という単位で行う活動は、会社人間のすることであるという理由で、批判された時期もありましたが、このような活動は多様なアイデアを集め易くするという意味で、大変重要ではないでしょうか?必ずしもアイデア創出が目的ではありませんが、トヨタ自動車では、上のような活動を積極的に行う風土があるようです。

 

6.組織を超えて協力しあう風土の醸成

 風土作りは、「言うは易く、行うは難し」の典型例ですが、それでも、社内...

 今回は、社内全体を対象として「情報・知識の『源』を多様化する」具体的かつ有効な手段の後半をお届けします。

 

4.組織横断的な横串し活動

 別稿で3Mのテクニカルフォーラムを紹介しましたが、同様の仕組みを持つ企業が近年増えてきています。これは、企業全体の主要な要素技術について、社内横断的に、共有・強化することを目的に行われている活動です。現在では、東レ、日東電工など、技術経営に優れた企業で採用されています。1つの要素技術という横串の仕組みを利用して、他の事業部門や研究所とつながることができ、このパイプを通じて、他部門の情報や知識を活用することができます。

 このような活動は、要素技術だけである必要はありません。同じ市場、同じ機能(マーケティング、生産、調達など)、その他具体的な会社のイニシアティブを、横串として利用するという方法も可能で、このような横串を沢山差すことは有効です。但し、気をつけなければならないのは、成果が生まれないと、忙しい本業外の活動ですので、自然に消滅するということが起こります。そのメンバーも、企業としても、本気で取り組む必要があります。

 

5.非公式なネットワーク

 これは具体的な目的を持って行う活動ではありませんが、社内に様々な非公式のネットワークを作ることも有効です。私が新入社員で企業に入った時には、社内運動会などがありました。当時はなぜ会社で運動会をやるのか懐疑的でしたが、組織を超えたネットワークを社内で作るという意味で、重要な活動であると思います。そう考えると、その他、自然発生的に同じ出身学校、同じ地域の出身、その他趣味を同じにするグループ等で集まる活動も重要ということになります。一時はなんでも会社という単位で行う活動は、会社人間のすることであるという理由で、批判された時期もありましたが、このような活動は多様なアイデアを集め易くするという意味で、大変重要ではないでしょうか?必ずしもアイデア創出が目的ではありませんが、トヨタ自動車では、上のような活動を積極的に行う風土があるようです。

 

6.組織を超えて協力しあう風土の醸成

 風土作りは、「言うは易く、行うは難し」の典型例ですが、それでも、社内で組織を超えて協力しあう風土を醸成していくということは、長期的な経営において大変重要なことです。上で挙げたトヨタ自動車の例では、重要な情報が組織の壁を越えて伝わる風土がありますし、3Mも既にご紹介したように、組織横断的な協力を促進する風土がグローバルな規模で存在しています。

 

 以上のような手段を組み合わせて、企業は研究開発テーマの選定、推進にあたって情報源を多様化する努力が必要なのです。皆さんの組織でも実践してみてください。次回は、既存の重要顧客を分野軸で見るを解説します。

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この記事の著者

浪江 一公

プロフェッショナリズムと豊富な経験をベースに、革新的な製品やサービスを創出するプロセスの構築のお手伝いをいたします。

プロフェッショナリズムと豊富な経験をベースに、革新的な製品やサービスを創出するプロセスの構築のお手伝いをいたします。


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