社内・グループ企業の知識・情報活用 研究テーマの多様な情報源(その2)

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ステージゲート社内情報の活用 近年、自社にない機能、技術やアイデアを社外に求めるオープンイノベーションを積極的に進める企業が増えてきています。もちろん企業経営において、その重要性を否定するものではありませんが、オープンイノベーションと同様に重要なのが、グループ企業を含む自部門以外の社内のアイデアや情報・知識の活用です。 

 企業を一体の組織として経営する理由は、個人や別々の組織単位で機能するよりも、1つの組織として運営した方が効果的・効率的であるからです。別の言い方をすれば、個人々々や別々の組織の間でシナジーを発揮させることができるからです。しかし一方で、組織が大きくなればなるほど、更なる効率向上を求めて、組織単位で分業化を行うようになります。この分業化により、社内の組織間の本来あるべきシナジーが阻害されるようになるものです。 

 要するに組織は、本来シナジーに基づき機能するという強みを活かそうとしながら、一方で効率化を求め、シナジーを消し去る方向で運営されているのです。したがって、視点を変えると、組織間また個人間のシナジー、すなわち社内に存在する多様な知識・情報は、企業における未活用の経営資源と言うことができるでしょう。 

 社内での情報・知識の活用に関して、三菱ケミカルホールディングの小林喜光社長は、「縦割りの研究開発体制に横ぐしを刺し、組み合わせの論理で面白い製品やサービスを生み出したい」 と言っています。 

まさに小林社長は、研究開発テーマ創出において、この未活用のシナジーという経営資源の価値の大きさを認識しているのです。 

 先日次のような経験をしました。あるクライエントとの研究開発テーマの内容についての議論の中で、先方の考えるその研究開発テーマが創出する顧客価値の定義が小さくまとまり過ぎていると感じたため、ある機能を付加して、その研究開発テーマが創出する事業の定義の拡大を提案しました。すると、先方から「そう言えば、その活動は、○○(グループ企業)でいつもやっているよ」という話になり、話が大変良い方向に展開したのです。 

 このような組織間のシナジー活用の可能性は、大きな...

ステージゲート社内情報の活用 近年、自社にない機能、技術やアイデアを社外に求めるオープンイノベーションを積極的に進める企業が増えてきています。もちろん企業経営において、その重要性を否定するものではありませんが、オープンイノベーションと同様に重要なのが、グループ企業を含む自部門以外の社内のアイデアや情報・知識の活用です。 

 企業を一体の組織として経営する理由は、個人や別々の組織単位で機能するよりも、1つの組織として運営した方が効果的・効率的であるからです。別の言い方をすれば、個人々々や別々の組織の間でシナジーを発揮させることができるからです。しかし一方で、組織が大きくなればなるほど、更なる効率向上を求めて、組織単位で分業化を行うようになります。この分業化により、社内の組織間の本来あるべきシナジーが阻害されるようになるものです。 

 要するに組織は、本来シナジーに基づき機能するという強みを活かそうとしながら、一方で効率化を求め、シナジーを消し去る方向で運営されているのです。したがって、視点を変えると、組織間また個人間のシナジー、すなわち社内に存在する多様な知識・情報は、企業における未活用の経営資源と言うことができるでしょう。 

 社内での情報・知識の活用に関して、三菱ケミカルホールディングの小林喜光社長は、「縦割りの研究開発体制に横ぐしを刺し、組み合わせの論理で面白い製品やサービスを生み出したい」 と言っています。 

まさに小林社長は、研究開発テーマ創出において、この未活用のシナジーという経営資源の価値の大きさを認識しているのです。 

 先日次のような経験をしました。あるクライエントとの研究開発テーマの内容についての議論の中で、先方の考えるその研究開発テーマが創出する顧客価値の定義が小さくまとまり過ぎていると感じたため、ある機能を付加して、その研究開発テーマが創出する事業の定義の拡大を提案しました。すると、先方から「そう言えば、その活動は、○○(グループ企業)でいつもやっているよ」という話になり、話が大変良い方向に展開したのです。 

 このような組織間のシナジー活用の可能性は、大きな企業であれば組織が海外にまで広がり、より大きくなる傾向がある一方で、数十人規模の組織になれば、かならず分業化によりセクショナリズムが存在するようになります。組織の大小にかかわらず、自部門以外の人達の多様な知識や情報を活用しない手はありません。次回のその3では、社内全体を対象として「情報・知識の『源』を多様化する」ための具体的な有効な手段の考察です。

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この記事の著者

浪江 一公

プロフェッショナリズムと豊富な経験をベースに、革新的な製品やサービスを創出するプロセスの構築のお手伝いをいたします。

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