サブシステムの開発目標 プロジェクト管理の仕組み (その42)

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 前回のその41に続いて解説します。
 
 下図は、改めて操作管理サブシステムだけを抽出したものです。
 
R&D
図78. 操作管理サブシステムの要件
 
 図78の左欄は、前回の図77を詳細化したもので、「操作管理サブシステム」の説明の「金額表示や商品選択ボタンとその操作を管理する」の具体的な内容です。もともとのシステム要件では Usability(使用性)や Reliability(信頼性)だったもののいくつかが Functionality(機能)になっていることにも注意してください。また、操作管理サブシステムとして新たに定義する必要がある要件も発生します。図78の右欄に記述しています。この部分はシステム要件の時と同様に、FURPS+ を使って漏れがないように書き出します。
 
 このようにして操作管理サブシステムの要件が整理できると、このサブシステムを担当しているサブチームは設計目標が明確になり、これによって仕様や機能や材料の検討などはじめとする具体的な開発作業をスタートできるようになります。操作管理サブシステム以外についても同様にして図78 のような要件を作成します。前述したように、このサブチームがこのレベルの要件では次に何をやったらいいのかわからないというのであれば、システム設計の担当は、回路やソフトなどの具体的な仕様にまでさらにブレークダウンする必要があります。
 
 以上で、操作管理サブシステムの開発を行うサブチームが目指す開発ゴールが明確になりました。ここで、システム設計と直接には関係しませんが、このようにして明確になった開発ゴールをこのサブチームの開発進捗管理にどのように活用するのかについても紹介しておきましょう。
 
 進捗管理の基本は、開発の各段階で開発ゴールに対する達成度を設定し、その達成度の確認を行うことです。つまり、図78LinkIconで示した FURPS+ でリストアップした要件の一つひとつについて、開発段階ごとのマイルストーンを設定するわけです。ここでは、開発工程が大きく「設計試作」「生産試作」「量産試作」の3つのステップから成るとして説明したいと思います。まずは、FURPS+ の要件それぞれをこの3つのステップごとのゴールに割り当てます。
 
R&D
図79. 要件ベースの進捗マイルストーン
 
 図79 では、設計試作は操作管理サブシステム単体で動く要件を中心としたゴール設定をし、生産試作では他のサブシステムからのアクションによって動く要件を中心としたゴール設定、そして、量産試作ではすべての要件を満たすゴール設定という考え方で、それぞれのマイルストーンを具体化しています。これは単なる一例であって、要件によるマイルストーンごとのゴール設定は、製品や開発プロジェクトの特性や都合に合わせていろいろな方法が考えられます。重要なのは、FURPS+ でリストアップされた要件を使って開発の途中段階のマイルストーンを設定し、開発の各段階での目標達成度を見える化することです。
 
 マイルストーンの設定も様々な方法があります。たとえば、各試作工程の評価工程が「単体評価」と「結合評価」に別れているのであれば、「設計試作ー単体評価」「設計試作ー結合評価」「生産試作ー単体評価」「生産試作ー結合評価」「量産試作ー単体評価」「量産試作ー結合評価」の6つのマイルストーンを設定することが可能です。また、既存製品の流用主体であれば、元の製品のサブシステムに徐々に手を入れて改造を進めることも可能で、その場合は、もっと多くの段階的なマイルストーンを設定することも可能になります。
 
 ここまで操作管理サブシステムを取り上げて説明してきました。、他のサブシステムも担当サブチームは同様の方法で要件や進捗管理のマイルストーンを設定します。そして、システム設計担当は、各サブチームが作成したサブシステムの要...
 前回のその41に続いて解説します。
 
 下図は、改めて操作管理サブシステムだけを抽出したものです。
 
R&D
図78. 操作管理サブシステムの要件
 
 図78の左欄は、前回の図77を詳細化したもので、「操作管理サブシステム」の説明の「金額表示や商品選択ボタンとその操作を管理する」の具体的な内容です。もともとのシステム要件では Usability(使用性)や Reliability(信頼性)だったもののいくつかが Functionality(機能)になっていることにも注意してください。また、操作管理サブシステムとして新たに定義する必要がある要件も発生します。図78の右欄に記述しています。この部分はシステム要件の時と同様に、FURPS+ を使って漏れがないように書き出します。
 
 このようにして操作管理サブシステムの要件が整理できると、このサブシステムを担当しているサブチームは設計目標が明確になり、これによって仕様や機能や材料の検討などはじめとする具体的な開発作業をスタートできるようになります。操作管理サブシステム以外についても同様にして図78 のような要件を作成します。前述したように、このサブチームがこのレベルの要件では次に何をやったらいいのかわからないというのであれば、システム設計の担当は、回路やソフトなどの具体的な仕様にまでさらにブレークダウンする必要があります。
 
 以上で、操作管理サブシステムの開発を行うサブチームが目指す開発ゴールが明確になりました。ここで、システム設計と直接には関係しませんが、このようにして明確になった開発ゴールをこのサブチームの開発進捗管理にどのように活用するのかについても紹介しておきましょう。
 
 進捗管理の基本は、開発の各段階で開発ゴールに対する達成度を設定し、その達成度の確認を行うことです。つまり、図78LinkIconで示した FURPS+ でリストアップした要件の一つひとつについて、開発段階ごとのマイルストーンを設定するわけです。ここでは、開発工程が大きく「設計試作」「生産試作」「量産試作」の3つのステップから成るとして説明したいと思います。まずは、FURPS+ の要件それぞれをこの3つのステップごとのゴールに割り当てます。
 
R&D
図79. 要件ベースの進捗マイルストーン
 
 図79 では、設計試作は操作管理サブシステム単体で動く要件を中心としたゴール設定をし、生産試作では他のサブシステムからのアクションによって動く要件を中心としたゴール設定、そして、量産試作ではすべての要件を満たすゴール設定という考え方で、それぞれのマイルストーンを具体化しています。これは単なる一例であって、要件によるマイルストーンごとのゴール設定は、製品や開発プロジェクトの特性や都合に合わせていろいろな方法が考えられます。重要なのは、FURPS+ でリストアップされた要件を使って開発の途中段階のマイルストーンを設定し、開発の各段階での目標達成度を見える化することです。
 
 マイルストーンの設定も様々な方法があります。たとえば、各試作工程の評価工程が「単体評価」と「結合評価」に別れているのであれば、「設計試作ー単体評価」「設計試作ー結合評価」「生産試作ー単体評価」「生産試作ー結合評価」「量産試作ー単体評価」「量産試作ー結合評価」の6つのマイルストーンを設定することが可能です。また、既存製品の流用主体であれば、元の製品のサブシステムに徐々に手を入れて改造を進めることも可能で、その場合は、もっと多くの段階的なマイルストーンを設定することも可能になります。
 
 ここまで操作管理サブシステムを取り上げて説明してきました。、他のサブシステムも担当サブチームは同様の方法で要件や進捗管理のマイルストーンを設定します。そして、システム設計担当は、各サブチームが作成したサブシステムの要件や進捗管理マイルストーンが、当初のシステム設計から外れたものになっていないかどうか、さらには、システム設計の見直しが必要になっていないかどうかを確認する必要があります。
 
 さて、システム設計についてはこれで終わりにしたいと思います。化粧品の自販機という事例で説明をしましたが、細かなことが多くてわかりづらかったかもしれません。ただ、システム設計の考え方やその進め方のポイントについては理解していただけたのではないかと思っています。システム設計はエンジニアリング作業の中でも管理が難しいと思われがちですが、システム設計のポイントを理解できていれば、重要な開発の最上位工程であるシステム設計に対するマネジメントも難しいことではなくなるはずです。
 
 

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この記事の著者

石橋 良造

組織のしくみと個人の意識を同時に改革・改善することで、パフォーマンス・エクセレンスを追求し、実現する開発組織に変えます!

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