事業計画がもたらす問題と対策 中小メーカ向け経営改革の考察(その14)

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◆事業計画の意味

 前回のその13に続いて解説します。事業計画は、経営方針に示している目的を達成するために、年次を追って実施する必要のある課題を明らかにして、目標と目標値を示したものです。当年度中に確実に達成しなければならない課題が示されているものですから、目的を明らかにした上で、目標と目標値をきちんと示す必要があります。仮に、目標値を決めるために必要になる基礎的なデータが不足している場合には、必要なデータを収集する行動計画と期限を決めなければなりません。目的・目標・目標値の書き方の例としては次のようです。
 
目 的: 損失の再発防止による利益率向上
 
目 標: 不良率低減 リードタイム短縮 コストダウン 
 
目標値: 不良率X% リードタイム半減 コストダウン30%
 
 基礎データがないことを理由にして、目標設定を曖昧な状態で済ますようなことは避けなければなりません。事業計画を練り上げないと、事業活動の成果を得ることができません。自企業の努力よりも経済的な環境が良かったことが経営業績を向上させることはあり得るので、業績向上が図られた場合には、その原因は何によるのか、原因の把握は非常に重要です。
 
 原因が判らないのに利益が出ている企業も多く見られます。代表者に質問しても「なぜだか判らない」と返答がある場合を私は何回も経験しています。しかし、原因が判らない状態は危険で、それは経営内容の分析が不足しているということですからです。そうすると、たとえば利益率の低下等により業績悪化する傾向が生じつつあっても、それに気付くのが遅くなり、タイミングを逃します。分析力を養うには、既に記述した限界利益率の推移、ムダの発生状況を把握できるデータの整備を行い、問題点を読み取る自己啓発が求められます。
 
 多くの中小企業経営者は勉強熱心で研修会などで多くの知識を吸収しているが、「問題点を掘り下げて追求していくこと」については、関心が強くありません。企業内に発生している問題点による損失状態をデータで表し、掘り下げていく努力は、まだまだ欠けているのです。事業計画に一般的に含まれる内容は、次のようなことが考えられます。
 
a.売上高目標、限界利益率(製品別、顧客別に示す場合もある) 
b.製品、技術開発目標(所属業界での自企業の地位、顧客からの要請事項などを基に)
c.リ-ドタイム短縮
d.不良率の低減(工程内と納入後に分ける)
e.コストダウン
f.能力開発
g.省エネ・環境問題
 
 経営方針を確実に達成するために欠かすことのできない課題に焦点を当て、集中的に取り組めるような計画を立てる必要があります。単に目標を羅列するのは、できない言い訳の種を作ることです。売上高の目標を達成すること、損失時間の発生を防止すること、その他の問題についても、何らかの解決を図ることで目標達成するようにします。問題解決に当たっては、どの程度の問題なのか数値で示すことで...

◆事業計画の意味

 前回のその13に続いて解説します。事業計画は、経営方針に示している目的を達成するために、年次を追って実施する必要のある課題を明らかにして、目標と目標値を示したものです。当年度中に確実に達成しなければならない課題が示されているものですから、目的を明らかにした上で、目標と目標値をきちんと示す必要があります。仮に、目標値を決めるために必要になる基礎的なデータが不足している場合には、必要なデータを収集する行動計画と期限を決めなければなりません。目的・目標・目標値の書き方の例としては次のようです。
 
目 的: 損失の再発防止による利益率向上
 
目 標: 不良率低減 リードタイム短縮 コストダウン 
 
目標値: 不良率X% リードタイム半減 コストダウン30%
 
 基礎データがないことを理由にして、目標設定を曖昧な状態で済ますようなことは避けなければなりません。事業計画を練り上げないと、事業活動の成果を得ることができません。自企業の努力よりも経済的な環境が良かったことが経営業績を向上させることはあり得るので、業績向上が図られた場合には、その原因は何によるのか、原因の把握は非常に重要です。
 
 原因が判らないのに利益が出ている企業も多く見られます。代表者に質問しても「なぜだか判らない」と返答がある場合を私は何回も経験しています。しかし、原因が判らない状態は危険で、それは経営内容の分析が不足しているということですからです。そうすると、たとえば利益率の低下等により業績悪化する傾向が生じつつあっても、それに気付くのが遅くなり、タイミングを逃します。分析力を養うには、既に記述した限界利益率の推移、ムダの発生状況を把握できるデータの整備を行い、問題点を読み取る自己啓発が求められます。
 
 多くの中小企業経営者は勉強熱心で研修会などで多くの知識を吸収しているが、「問題点を掘り下げて追求していくこと」については、関心が強くありません。企業内に発生している問題点による損失状態をデータで表し、掘り下げていく努力は、まだまだ欠けているのです。事業計画に一般的に含まれる内容は、次のようなことが考えられます。
 
a.売上高目標、限界利益率(製品別、顧客別に示す場合もある) 
b.製品、技術開発目標(所属業界での自企業の地位、顧客からの要請事項などを基に)
c.リ-ドタイム短縮
d.不良率の低減(工程内と納入後に分ける)
e.コストダウン
f.能力開発
g.省エネ・環境問題
 
 経営方針を確実に達成するために欠かすことのできない課題に焦点を当て、集中的に取り組めるような計画を立てる必要があります。単に目標を羅列するのは、できない言い訳の種を作ることです。売上高の目標を達成すること、損失時間の発生を防止すること、その他の問題についても、何らかの解決を図ることで目標達成するようにします。問題解決に当たっては、どの程度の問題なのか数値で示すことで得られる効果が予想でき、計画の適否の判断が可能になります。このような理由から基礎データは必要です。基礎データが不足していると、力を注いで問題解決を図ったのに、効果が僅かしか得られないような結果に陥りやすいようです。または、形だけの取り組みで終わるような事態が生じることもあります。
 
 したがって、基礎データが充足していないと適切な行動計画は立てられません。そのような状況で事業計画を立案し事業に取り組むと、忙しい思いをして心は焦るが、空回りして満足した成果が得られず、不安感が残るだけです。このような場合には、事業計画の中に「具体的な改善テーマを決定するに必要な基礎データの収集を行うこと」を明記することが重要です。
 

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この記事の著者

新庄 秀光

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