情報の停滞は機会損失を増幅 中小メーカ向け経営改革の考察(その28)

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◆決定事項のある会議の運用方法

 前回のその27に続いて解説します。会議の運用技術が拙劣であると、時間を費やしているのに結論が出ない、導き出された結論の実行度が低い、等の問題が発生します。会議は意思疎通を図り、問題点を理解し合って、改善策を導き出すのに不可欠の場です。会議が機能していないのは、会議司会者の運用技術が良くないからです。
 

・決定する案件がある場合の会議運用の方法

 a.司会者または事務局は会議のテーマと開催日を決めて、数日前に該当者に出席要請の連絡をしま
   す。テーマが漠然として絞られていないと、会議で意見が広がりすぎてまとめられなくなります。
   例えば、「職場内で何を改善すればよいのか」「5Sで何を改善するのか」といったものでは、ま
   とめるのに司会者は迷い、会議時間がムダになります。はっきりと対象を絞り込んだテーマにする
   ことです。職場内の問題点を具体的に示します。
 
 b.連絡を受けた者は、所定の手続きを踏んで出欠届けを出すこと。
 
 c.会議のテーマに関する資料を事前に配布し、検討しておくように依頼すること。
 
 d.会議の開催に当たって、司会者は書記を指名し、司会者の横に着席させること。
 
 e.担当者にテ-マに関する説明をさせます。
 
 f.司会者は説明に対する質問を受けるようにします。
 
 g.司会者はテ-マについての意見を全員から求め、発言要旨を白板に列記します。意見を書き出すこ
   とで全体の流れが判り、意見の堂々巡りを防止できると同時に、意見が活発に出る状況を導き出す
   のに有用です。
 
 h.意見の出ない人に対しては、極力指名して意見を求めます。指名しても意見が出ない場合には、意
   見が出るまで1~2分間辛抱して待つ。または、後で再度意見を求めるから考えておくようにと告
   げて、次の出席者に意見を求めます。
 
 i.テ-マに直接関係がなく、関連する事項に興味を湧かせるような意見を示す人が出る場合は、少し
   意見を聞いた後で、大切なことの場合には、別途に検討する場を設けるよう調整する事にして、話
   題を元に戻す。この時に意見を否定したり、無視したりすると、発言者が抵抗して会議が混乱す
   る。発言者が上司であっても、テ-マからそれた意見でまとまりのない会議にならないように、司
   会者の権限で導く責務があります。
 
  j.発言時間が長く要領を得ない発言者がいる場合は、発言時間を1~2分以内に制限する。そして、
  「意見の要旨は、○○ですね」と発言内容を引き取って、次の人に意見を求めるようにします。
 
  k.意見が一通り出尽くした後で結論に導く。意見が割れている時には、類似意見ごとにひとくくりに
     まとめて、挙手で多数決をとります。または、1~3位の選択を全員に挙手で求めて、1位:3
        点、2位:2点 3位:1点とする加重点法で実施する順位を決めます。順位を決めるのに先
        立っ て、類別した意見ごとに長所と短所の比較検討を行い、判断の材料を揃えた上で順位を決め
    るようにします。
 
   l.意見がまとまらないときには、次回の会議で決定することにして、当日の経過をまとめ「この段階
    まで意見が出ているから、これ以降は次回までに考えておくように」と指示します。考えておく担
        当者を決めた方が良いと思われる場合には、指名します。司会者の方で関係者と別途に相談して案
       を作る方が良いと思われる場合には、司会者に一任することを図ります。
 
    m.決定事項に関する実施担当者を決めます。
 
    n.次回の会議の日程とテ-マを決めます。これ以外のテ-マについては、次回の会議の7日前までに
     司会者に申請するように協力を求めます。
 
    o.次回の...

◆決定事項のある会議の運用方法

 前回のその27に続いて解説します。会議の運用技術が拙劣であると、時間を費やしているのに結論が出ない、導き出された結論の実行度が低い、等の問題が発生します。会議は意思疎通を図り、問題点を理解し合って、改善策を導き出すのに不可欠の場です。会議が機能していないのは、会議司会者の運用技術が良くないからです。
 

・決定する案件がある場合の会議運用の方法

 a.司会者または事務局は会議のテーマと開催日を決めて、数日前に該当者に出席要請の連絡をしま
   す。テーマが漠然として絞られていないと、会議で意見が広がりすぎてまとめられなくなります。
   例えば、「職場内で何を改善すればよいのか」「5Sで何を改善するのか」といったものでは、ま
   とめるのに司会者は迷い、会議時間がムダになります。はっきりと対象を絞り込んだテーマにする
   ことです。職場内の問題点を具体的に示します。
 
 b.連絡を受けた者は、所定の手続きを踏んで出欠届けを出すこと。
 
 c.会議のテーマに関する資料を事前に配布し、検討しておくように依頼すること。
 
 d.会議の開催に当たって、司会者は書記を指名し、司会者の横に着席させること。
 
 e.担当者にテ-マに関する説明をさせます。
 
 f.司会者は説明に対する質問を受けるようにします。
 
 g.司会者はテ-マについての意見を全員から求め、発言要旨を白板に列記します。意見を書き出すこ
   とで全体の流れが判り、意見の堂々巡りを防止できると同時に、意見が活発に出る状況を導き出す
   のに有用です。
 
 h.意見の出ない人に対しては、極力指名して意見を求めます。指名しても意見が出ない場合には、意
   見が出るまで1~2分間辛抱して待つ。または、後で再度意見を求めるから考えておくようにと告
   げて、次の出席者に意見を求めます。
 
 i.テ-マに直接関係がなく、関連する事項に興味を湧かせるような意見を示す人が出る場合は、少し
   意見を聞いた後で、大切なことの場合には、別途に検討する場を設けるよう調整する事にして、話
   題を元に戻す。この時に意見を否定したり、無視したりすると、発言者が抵抗して会議が混乱す
   る。発言者が上司であっても、テ-マからそれた意見でまとまりのない会議にならないように、司
   会者の権限で導く責務があります。
 
  j.発言時間が長く要領を得ない発言者がいる場合は、発言時間を1~2分以内に制限する。そして、
  「意見の要旨は、○○ですね」と発言内容を引き取って、次の人に意見を求めるようにします。
 
  k.意見が一通り出尽くした後で結論に導く。意見が割れている時には、類似意見ごとにひとくくりに
     まとめて、挙手で多数決をとります。または、1~3位の選択を全員に挙手で求めて、1位:3
        点、2位:2点 3位:1点とする加重点法で実施する順位を決めます。順位を決めるのに先
        立っ て、類別した意見ごとに長所と短所の比較検討を行い、判断の材料を揃えた上で順位を決め
    るようにします。
 
   l.意見がまとまらないときには、次回の会議で決定することにして、当日の経過をまとめ「この段階
    まで意見が出ているから、これ以降は次回までに考えておくように」と指示します。考えておく担
        当者を決めた方が良いと思われる場合には、指名します。司会者の方で関係者と別途に相談して案
       を作る方が良いと思われる場合には、司会者に一任することを図ります。
 
    m.決定事項に関する実施担当者を決めます。
 
    n.次回の会議の日程とテ-マを決めます。これ以外のテ-マについては、次回の会議の7日前までに
     司会者に申請するように協力を求めます。
 
    o.次回の会議の当初に前回決定事項の経過報告を求めます。実施できなかったことについては、その
     理由を報告させます。実施できたことが確認できるまで、何回でも会議の冒頭に報告を求めます。
 
  p.会議の議事録を書記に作成させ、司会者が確認の上で数日中に会議出席者と関係者に、文書または
    eメ-ルで配布します。
 
 会議運営は司会者の司会技術に左右される事は前述した通りです。この中で特に大切なことは、会議の迷走防止です。テ-マに関係ない事を司会者よりも上位の肩書きの立場にある人が発言しても、司会者の権限で軌道修正します。
 
 会議資料がない場合も、会議の時間が必要以上に長引くことは避けられません。そして、会議の冒頭には前回決定事項の経過報告を求め、実行していない場合には、問題点を明らかにして、決定事項の修正を行って次回までに実施させます。このようにして、会議での決定事項が実施されずに放置されることがないようにします。
 

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この記事の著者

新庄 秀光

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