‐異業種交流による開発‐ 製品・技術開発力強化策の事例(その20)

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 前回の事例その19に続いて解説します。inf012異業種交流は互いに得意分野を理解し合い、その特徴を利用し合って、参加企業の経営活性化に役立てることが狙いです。相互に支援し、 利用しあうことが主眼であるので、全参加者が主役になるつもりが無ければなりません。交流に参加しておれば、何かの共同開発に参加出来るかもしれない。そのような考え方だけでは、異業種交流参加の意義はありません。
 
 製品開発だけの話題に陥る事なく、経営問題を総合的に掘り下げていく過程で、解決しなければならない問題点や開発課題が出ます。その段階で問題点に関心を持つ有志を募って、共同研究に取り組むことになります。始めから開発のテ-マだけに話題を求めると、掘り下げた研究が出来ないので、表面的な開発テ-マしか上がりません。会員相互に企業の問題点を追求することが大切です。自分の企業では、これはやむを得ないことと、馴れから業務が行われている場合がありますが、異業種の企業から見ると、何故そのようなことが必要なのか、このような疑問が生じ、おのずと現場観察の機会が多くなります。
 
 交流会会員が企業訪問を相互に行い、意見交換すると異業種の経営者から、何故そんな無駄なことをしているのか、そのような指摘が出る場合があります。そんなことから共同開発の端緒が開かれる場合もあります。異業種交流の参加者全員が、同じテ-マで開発に取り組む例が時に見られますが、無理に同じ行動を取ることはなく、義理で参加する会員も出てくるので、本気で研究に取り組む人は限られ、良い結果がもたらされることが少なくなります。
 
 異業種交流の例会では、各企業の問題点を掘り下げて行くような研究に務め、そこで捉えられた問題点について、その解決に会員の協力を求めて行きます。積極的に交流会を利用する会員が一番得をする傾向があり、消極的に何かが出てくるのを待つような考え方は、変化の激しい時代に乗り遅れます。異業種交流で積極的に会員を利用するノウハウを習得することが、特に大切なことです。
 
 例会での懇親会は大切な役割を果たしています。例会の緊張した研究討論の後の、くつろいだ話し合いの場を持つことで、アイデアが閃く場合があります。また、くつろぎの中で、親しさが増し、新しい視点が開けます。ノミニケ-ションは、緊張とくつろぎを組み合せる事でアイデアを湧き上がらせる仕掛けです。このような機能が懇親会にあることを理解したうえで、運営法を工夫することが必要です。
 
 開発テ-マが出てきたら、開発の中心になる企業を決め、この企業の不足する技術を始め経営資源を提供できるメンバ-を募り、中心になる企業の責任において、開発スケジュ-ルを決めます。共同開発に参加するメンバ-の役割も決め、参加者の了承を得た上で開発費用の負担方法、開発完了した後での販売担当企業、損益の配分方法等を決めて開発に取り組む様にします。共同開発に当り協同組合を設立して、融合化資金の補助を得て共同研究に取り組む場合、研究完了後に補助金で設置した研究開発設備は生産活動に使用する事が禁じられています。そのために、設備が活用されず放置されたままになって、補助金支給の目的外利用の理由によるものと考えられるが、考えれば無駄なことです。生産設備へ...
 前回の事例その19に続いて解説します。inf012異業種交流は互いに得意分野を理解し合い、その特徴を利用し合って、参加企業の経営活性化に役立てることが狙いです。相互に支援し、 利用しあうことが主眼であるので、全参加者が主役になるつもりが無ければなりません。交流に参加しておれば、何かの共同開発に参加出来るかもしれない。そのような考え方だけでは、異業種交流参加の意義はありません。
 
 製品開発だけの話題に陥る事なく、経営問題を総合的に掘り下げていく過程で、解決しなければならない問題点や開発課題が出ます。その段階で問題点に関心を持つ有志を募って、共同研究に取り組むことになります。始めから開発のテ-マだけに話題を求めると、掘り下げた研究が出来ないので、表面的な開発テ-マしか上がりません。会員相互に企業の問題点を追求することが大切です。自分の企業では、これはやむを得ないことと、馴れから業務が行われている場合がありますが、異業種の企業から見ると、何故そのようなことが必要なのか、このような疑問が生じ、おのずと現場観察の機会が多くなります。
 
 交流会会員が企業訪問を相互に行い、意見交換すると異業種の経営者から、何故そんな無駄なことをしているのか、そのような指摘が出る場合があります。そんなことから共同開発の端緒が開かれる場合もあります。異業種交流の参加者全員が、同じテ-マで開発に取り組む例が時に見られますが、無理に同じ行動を取ることはなく、義理で参加する会員も出てくるので、本気で研究に取り組む人は限られ、良い結果がもたらされることが少なくなります。
 
 異業種交流の例会では、各企業の問題点を掘り下げて行くような研究に務め、そこで捉えられた問題点について、その解決に会員の協力を求めて行きます。積極的に交流会を利用する会員が一番得をする傾向があり、消極的に何かが出てくるのを待つような考え方は、変化の激しい時代に乗り遅れます。異業種交流で積極的に会員を利用するノウハウを習得することが、特に大切なことです。
 
 例会での懇親会は大切な役割を果たしています。例会の緊張した研究討論の後の、くつろいだ話し合いの場を持つことで、アイデアが閃く場合があります。また、くつろぎの中で、親しさが増し、新しい視点が開けます。ノミニケ-ションは、緊張とくつろぎを組み合せる事でアイデアを湧き上がらせる仕掛けです。このような機能が懇親会にあることを理解したうえで、運営法を工夫することが必要です。
 
 開発テ-マが出てきたら、開発の中心になる企業を決め、この企業の不足する技術を始め経営資源を提供できるメンバ-を募り、中心になる企業の責任において、開発スケジュ-ルを決めます。共同開発に参加するメンバ-の役割も決め、参加者の了承を得た上で開発費用の負担方法、開発完了した後での販売担当企業、損益の配分方法等を決めて開発に取り組む様にします。共同開発に当り協同組合を設立して、融合化資金の補助を得て共同研究に取り組む場合、研究完了後に補助金で設置した研究開発設備は生産活動に使用する事が禁じられています。そのために、設備が活用されず放置されたままになって、補助金支給の目的外利用の理由によるものと考えられるが、考えれば無駄なことです。生産設備への転用届を出して使用させ、大いに利益を上げる事を奨励して、納税させれば国も税収が増えるので運用法を切り替える必要があります。
 
 交流では人脈つくりが最も大きな効果を発揮します。所属するグル-プの殻に閉じこもることなく芋づる式に人脈を作り上げて、活用している企業は少なくありません。中小企業には人材を始め経営資源が乏しいから、これらを補う手段として異業種交流は非常に大切な補強方法になるものと考えます。 ただし、本質を見誤らないような交流を行う事が肝要です。異業種交流では目立った成果が現れていない。 そのような意見が当局の幹部からしばしば聞かれます。製品開発の側面だけで見た解釈ではそのような事になってしまいます。しかし、人材育成では、大いに貢献しているグル-プがあります。
   

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この記事の著者

新庄 秀光

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