経営方針による、一貫した運営 中小メーカ向け経営改革の考察(その32)

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 前回のその31に続いて解説します。経営方針経営システムの活性化を阻んでいる事項を見つけ出し、取り除く仕組みを作り上げることで損失が減少します。必然的に生産性の向上が図られると同時に、活性化がもたらされるでしょう。技術・製品開発や新分野開拓が期待した通りに進展しない場合でも、経営システムの活性化を阻む要因を取り除く事で進捗が早まります。
 
 整合性ある経営方針と事業計画の下、経営層がその目標達成に情熱を燃やし、業務の全ての場面で経営方針と事業計画を意識し、問題点の解決に取り組むように繰り返し主張することで、経営方針に対する関心が募り、経営方針と事業計画に関する意見が出てくるようになります。
 
 企業の将来像については、代表者の意思を変える必要はないが、それを実現するための年次計画に相当する事業計画については、幹部社員の意見を取り入れ、参画意識を刺激するようにします。人は自分の意見が取り入れられることで信頼されているとの意識が強くなり、やる気を強化させる作用が出てきます。
 
 これらの相互関係を維持・強化させることに代表者は心血を注ぐのが重要な責務です。年次事業計画の立案に際して代表者の考えている事との間に意見の差異が出た場合、差異について議論する前に、最終目的として設定されている経営方針の実現に対してどのような影響が出てくるのか、その視点から議論することです。つまり、目的を明らかにして議論することで、曖昧な状態のままで計画が立てられる事がなくなっていくでしょう。
 
 代表者が熱意を抱いて意見を述べると、必ずそれに反応する管理者層の意見が出てくるようになります。その意見を無視すると、代表者に何を言っても聞き入れられないという、諦めの気持ちが社内に満ちるようになり、そのような状態になれば、代表者と従業員の間に一体感は生まれなくなり、代表者は従業員の意欲が乏しい事を嘆くような結果になります。
 
 このような事態になった場合でも代表者は諦めることなく、経営の将来展望を語り、その実現のための年度事業計画はいかにあるべきか問いかけましょう。将来展望を実現するための方法は一つとは限らないので、幾つもの方法について提案する事を要請し、示された内容の長所短所を比較する作業の中から最適の方法を決めるようにします。
 
 将来展望の実現性に自信を持っている企業の代表者は、実に粘り強く何回でも、自分の主張が理解されるまで根気よく説き続けています。数回で諦めるのと、具体的に動き出すまで諦めないのとでは、結果が大きく違ってくるでしょう。
 
 根気よく主張し続ける過程で考えを一部修正したほうが良いと思い当たった場合には、躊躇することなく修正すれば幹部社員との信頼関係は確実に向上します。「社長は大風呂敷を広げている」と最初は真面目に受け止められないのは多くの事例が示しています。しかし、代表者が短時間の間に簡単に諦めるか、根気よく説き続けるかの差異は時間の経...
 前回のその31に続いて解説します。経営方針経営システムの活性化を阻んでいる事項を見つけ出し、取り除く仕組みを作り上げることで損失が減少します。必然的に生産性の向上が図られると同時に、活性化がもたらされるでしょう。技術・製品開発や新分野開拓が期待した通りに進展しない場合でも、経営システムの活性化を阻む要因を取り除く事で進捗が早まります。
 
 整合性ある経営方針と事業計画の下、経営層がその目標達成に情熱を燃やし、業務の全ての場面で経営方針と事業計画を意識し、問題点の解決に取り組むように繰り返し主張することで、経営方針に対する関心が募り、経営方針と事業計画に関する意見が出てくるようになります。
 
 企業の将来像については、代表者の意思を変える必要はないが、それを実現するための年次計画に相当する事業計画については、幹部社員の意見を取り入れ、参画意識を刺激するようにします。人は自分の意見が取り入れられることで信頼されているとの意識が強くなり、やる気を強化させる作用が出てきます。
 
 これらの相互関係を維持・強化させることに代表者は心血を注ぐのが重要な責務です。年次事業計画の立案に際して代表者の考えている事との間に意見の差異が出た場合、差異について議論する前に、最終目的として設定されている経営方針の実現に対してどのような影響が出てくるのか、その視点から議論することです。つまり、目的を明らかにして議論することで、曖昧な状態のままで計画が立てられる事がなくなっていくでしょう。
 
 代表者が熱意を抱いて意見を述べると、必ずそれに反応する管理者層の意見が出てくるようになります。その意見を無視すると、代表者に何を言っても聞き入れられないという、諦めの気持ちが社内に満ちるようになり、そのような状態になれば、代表者と従業員の間に一体感は生まれなくなり、代表者は従業員の意欲が乏しい事を嘆くような結果になります。
 
 このような事態になった場合でも代表者は諦めることなく、経営の将来展望を語り、その実現のための年度事業計画はいかにあるべきか問いかけましょう。将来展望を実現するための方法は一つとは限らないので、幾つもの方法について提案する事を要請し、示された内容の長所短所を比較する作業の中から最適の方法を決めるようにします。
 
 将来展望の実現性に自信を持っている企業の代表者は、実に粘り強く何回でも、自分の主張が理解されるまで根気よく説き続けています。数回で諦めるのと、具体的に動き出すまで諦めないのとでは、結果が大きく違ってくるでしょう。
 
 根気よく主張し続ける過程で考えを一部修正したほうが良いと思い当たった場合には、躊躇することなく修正すれば幹部社員との信頼関係は確実に向上します。「社長は大風呂敷を広げている」と最初は真面目に受け止められないのは多くの事例が示しています。しかし、代表者が短時間の間に簡単に諦めるか、根気よく説き続けるかの差異は時間の経過と共に異なる結果を生みます。
 
 将来展望は多くの場合、実現の可能性はあるが、そこに至る過程でどのような手順を踏むのか、その手順が十分に練られていないと迷走します。何よりも大切な事は必要と考えられる内容を細かく挙げることで、将来展望に対する手順が明らかになってきます。それらを事業計画に落とし込めば将来展望を確実にします。
 
 既に何回も記述したことですが、経営方針、事業計画、目標管理、グル-プ活動及び人事考課制度に至るまで経営方針に基づき、一貫した運営を講じることが非常に重要です。一貫性のあることで評価する方も、される方も、共に判りやすくなります。反面で一貫性のない事が即、損失の発生原因に結びつきます。
 

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この記事の著者

新庄 秀光

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