「6つのルールと18の書き方」に関し「6つのルール」および「18の書き方」の概要について解説してきました。「6つのルールと18の書き方」を以下に示します。今回は「6つのルールと18の書き方」を「わかりにくい」に対する判断基準にするを解説します。
【この連載の前回:内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その20)へのリンク】
1.「6つのルールと18の書き方」を判断基準にする
「内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その20)」の記事の中で以下のことを書きました。
「この書き方はわかりにくい(内容が明確に伝わらない)」と気が付くためには、「どのような書き方をしたらわかりにくいか」という「わかりにくい」に対する判断基準が必要です。
これまで、「6つのルールと18の書き方」について解説しました。この「6つのルールと18の書き方」が「わかりにくい」に対する判断基準になります。
「6つのルールと18の書き方」を使って書けば内容が明確に伝わる技術文書(わかりやすい技術文書)を書くことができます。逆に言うと、「6つのルールと18の書き方」に反した書き方で書けば内容が明確に伝わらない(わかりにくい)技術文書になります。つまり、「6つのルールと18の書き方」が「わかりにくい」に対する判断基準になります。例えば、以下のようなことです。
- 内容の要点を冒頭に書いてないのでわかりにくい。⇒「書き方1:要点を冒頭に書く」に反している。
- 文の羅列で書いてあるのでわかりにくい。 ⇒「書き方6:かたまりに分けて書く」に反している。
- 写真がないのでわかりにくい ⇒「書き方9:写真や図を入れて書く」に反している。
- 具体的な文を書いてないのでわかりにくい。 ⇒「書き方13:具体的な文を書く」に反している。
また、「6つのルールと18の書き方」を使って、「わかりにくい(内容が明確に伝わらない)書き方」を「わかりやすい(内容が明確に伝わる)書き方」に修正することができます。例えば、以下のようことです。
- 内容の要点が文章の最後に書いてあるのでわかりにくい。⇒「書き方1:要点を冒頭に書く」を使って修正しよう。
- この箇所は文の羅列で書いてあるのでわかりにくい。 ⇒「書き方6:かたまりに分けて書く」を使って修正しよう。
- 「○○駅では、4月から△△線と□□線との乗り換えが同一ホームでできるようになった。その結果、鉄道利用者の利便性が向上した」と書いてあるのでわかりにくい。⇒「書き方13:具体的な文を書く」を使って修正しよう。
この...
次回に続きます。
【参考文献】
森谷仁著、「マンガでわかる技術文書の書き方」、オーム社、令和4年3月25日