具体的に書く 内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その26)

投稿日

技術文書

◆【特集】 連載記事紹介連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

 

今回は、「ルール6:明確に伝わる文を書く」の中の「書き方13:具体的に書く」に関する補足解説です。「~的」や「~性」という言葉に関する内容です。

【この連載の前回:内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その25)へのリンク】 

 

人財教育

 

1.「~的」や「~性」という言葉について

2022年11月17日、岸田首相が訪問先のタイで中国の習近平国家主席とおよそ3年ぶりとなる日中首脳会談を行いました。会談後、岸田首相は、首脳会談に関する以下のようなコメントを読み上げました。

 

・・・・・・・・・・・・本日の会談も踏まえ建設的かつ安定的な関係の構築に向け・・・・・・・・

 

ここで注目したいのが「建設的かつ安定的」という言葉です。つまり、「~的」という言葉です。テレビやラジオのニュースなどでは、「~的」という言葉を頻繫に使っています。例えば、「社会的な問題」や「政治的判断」などです。

 

この他、「~性」という言葉も頻繁に使っています。例えば、「利便性」、「生産性」などの言葉です。

 

これら「~的」や「~性」という言葉は使いやすいです。「社会的」や「利便性」という言葉の具体的な内容を話さなくても使えるからです。「・・・本日の会談も踏まえ建設的かつ安定的な関係の構築に向け・・・」と話しても聞き手が何となくわかったつもりになってくれるからです。

 

2.「~的」や「~性」という言葉を使うときの問題

「~的」や「~性」という言葉を使うときの問題とは、これらの意味が明確に伝わらない場合があることです。「政治的判断」や「生産性向上」と聞いてわかったつもりになっても、掘り下げて考えると具体的な内容が頭の中に浮かんでこないことがあります。

 

テレビやラジオのニュースなどでは、「~的」や「~性」という言葉を使っても問題ないと思います。概要を伝えることがニュースの目的だからです。つまり、これらの言葉の具体的な意味を明確に伝える必要がないからです。

 

技術文書の中で「~的」や「~性」と...

技術文書

◆【特集】 連載記事紹介連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

 

今回は、「ルール6:明確に伝わる文を書く」の中の「書き方13:具体的に書く」に関する補足解説です。「~的」や「~性」という言葉に関する内容です。

【この連載の前回:内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その25)へのリンク】 

 

人財教育

 

1.「~的」や「~性」という言葉について

2022年11月17日、岸田首相が訪問先のタイで中国の習近平国家主席とおよそ3年ぶりとなる日中首脳会談を行いました。会談後、岸田首相は、首脳会談に関する以下のようなコメントを読み上げました。

 

・・・・・・・・・・・・本日の会談も踏まえ建設的かつ安定的な関係の構築に向け・・・・・・・・

 

ここで注目したいのが「建設的かつ安定的」という言葉です。つまり、「~的」という言葉です。テレビやラジオのニュースなどでは、「~的」という言葉を頻繫に使っています。例えば、「社会的な問題」や「政治的判断」などです。

 

この他、「~性」という言葉も頻繁に使っています。例えば、「利便性」、「生産性」などの言葉です。

 

これら「~的」や「~性」という言葉は使いやすいです。「社会的」や「利便性」という言葉の具体的な内容を話さなくても使えるからです。「・・・本日の会談も踏まえ建設的かつ安定的な関係の構築に向け・・・」と話しても聞き手が何となくわかったつもりになってくれるからです。

 

2.「~的」や「~性」という言葉を使うときの問題

「~的」や「~性」という言葉を使うときの問題とは、これらの意味が明確に伝わらない場合があることです。「政治的判断」や「生産性向上」と聞いてわかったつもりになっても、掘り下げて考えると具体的な内容が頭の中に浮かんでこないことがあります。

 

テレビやラジオのニュースなどでは、「~的」や「~性」という言葉を使っても問題ないと思います。概要を伝えることがニュースの目的だからです。つまり、これらの言葉の具体的な意味を明確に伝える必要がないからです。

 

技術文書の中で「~的」や「~性」という言葉を使うときにはこれらの意味を明確に伝える必要があります。技術文書では、内容を明確に伝える必要があるからです。

 

次回に続きます。

【参考文献】

森谷仁著、「マンガでわかる技術文書の書き方」、オーム社、令和4年3月25日

 

関連解説記事「相手の立場に立って考える」こと 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

森谷 仁

「君の書く文書は、わかりにくい」と言われる技術者から、「君の書く文書は、わかりやすい」と言われる技術者へのステップアップ!

「君の書く文書は、わかりにくい」と言われる技術者から、「君の書く文書は、わかりやすい」と言われる技術者へのステップアップ!


「人財教育・育成」の他のキーワード解説記事

もっと見る
技術士第二次試験対策:日常業務の中で『文の作成力』を鍛える

  1. 解答は文で構成されている(解答は文の集合体) 技術士第二次試験の筆記試験では、必須科目と選択科目の試験科目があります。これらの...

  1. 解答は文で構成されている(解答は文の集合体) 技術士第二次試験の筆記試験では、必須科目と選択科目の試験科目があります。これらの...


ものづくり現場の体質改善から人財育成を考える(その3)

【ものづくり現場の人財育成 連載目次】 1.人が育てば相互にベクトルが合い、企業の体質が強くなる 2.仕事を覚えたい気持ちにさせる 3.品質...

【ものづくり現場の人財育成 連載目次】 1.人が育てば相互にベクトルが合い、企業の体質が強くなる 2.仕事を覚えたい気持ちにさせる 3.品質...


内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その20)

  「6つのルールと18の書き方」に関し「6つのルール」および「18の書き方」の概要について解説しています。「6つのルールと18の書き方」...

  「6つのルールと18の書き方」に関し「6つのルール」および「18の書き方」の概要について解説しています。「6つのルールと18の書き方」...


「人財教育・育成」の活用事例

もっと見る
【SDGs取組み事例】SDGs理念の下、企業と住民が地域課題解決に向け連携 太陽工業株式会社(長野県諏訪市)

♦「真善美」の考えが人を育む  【目次】 国内製造業のSDGs取り組み事例一覧へ戻る SDGs対応が取り引きや会社選...

♦「真善美」の考えが人を育む  【目次】 国内製造業のSDGs取り組み事例一覧へ戻る SDGs対応が取り引きや会社選...


オフィスでのカイゼン活動

   生産現場では一般的に行われているカイゼン活動ですが、オフィス(製品開発部門等を含む)ではまだ一般的とは言えません。生産現場とは違ってオフ...

   生産現場では一般的に行われているカイゼン活動ですが、オフィス(製品開発部門等を含む)ではまだ一般的とは言えません。生産現場とは違ってオフ...


人を誉める時は順番を考えよ -クリーン化診断の例を添えて-

 前回は人を誉める時のタイミングについてでした。今回はその順番についてお話します。 1.誉める順番を考える  現場に行って、「あれがいけない、これがい...

 前回は人を誉める時のタイミングについてでした。今回はその順番についてお話します。 1.誉める順番を考える  現場に行って、「あれがいけない、これがい...