「6つのルールと18の書き方」に関し、「6つのルール」および「18の書き方」の概要について解説しています。「6つのルールと18の書き方」を以下に示します。「6つのルールと18の書き方」の具体的な使い方の解説の続きです。今回は、「内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その17)」の続きです。今回も、ルール6(明確に伝わる文を書く)・「書き方16:短い文を書く(一文一義で書く)」の解説です。
【この連載の前回:内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その17)へのリンク】
1.一文一義で書く
一文一義とは、一つの文の中に1つのこと(事柄)だけを書くことです。前回は、以下の例に基づき一文一義について解説しました。
今週の金曜日の10時から来年度に向けての営業会議が予定されている。営業会議では、来年度の売り上げを今年度の売り上げの3割増にするための営業方針(案)を決定する。また、商品開発部の部長から、現在進めている新商品の開発に関する進捗状況の説明がある。
2.一文一義は内容の流れを考えて使う
以下の文は一文一義で書いてありません。
来週の月曜日の午前10時から社内でA社と打ち合わせを行うことが今日決まったので、打ち合わせに出席する予定の社員にこの日時をメールで送ったが、メールの送信後、A社から、「打ち合わせ時間を同日の午後14時からに変更してほしい」とのメールが送られてきた。
この文は、以下のことが一つの文で書いてあります。
①来週の月曜日の午前10時から社内でA社と打ち合わせを行うことが今日決まったこと
②打ち合わせに出席する予定の社員にこの日時をメールで送ったこと
③A社から、「打ち合わせ時間を同日の午後14時からに変更してほしい」とのメールが送られてきたこと
一文一義の考え方でこの文を書くと以下のようになります。
来週の月曜日の午前10時から社内でA社と打ち合わせを行うことが今日決まった。そこで、打ち合わせに出席する予定の社員にこの日時をメールで送った。メールの送信後、A社から、「打ち合わせ時間を同日の午後14時からに変更してほしい」とのメールが送られてきた。
一文一義で書くことで内容は明確に伝わります。しかし、文が細切れになり文の読みにくさを感じます。文に滑らかさがなくゴツゴツした感じがします。
例えば、以下のように修正すると文が読みやすくなります。
来週の月曜日の午前10時から社内でA社と打ち合わせを行うことが今日決まったので、打ち合わせに出席する予定の社員にこの日時をメールで送った。メールの送信後、A社から、「打ち合わせ時間を同日の午後14時からに変更してほしい」とのメールが送られてきた。
一文一義で書く場合には、一...