「6つのルールと18の書き方」に関し、「6つのルール」および「18の書き方」の概要について解説しています。「6つのルールと18の書き方」を以下に示します。「6つのルールと18の書き方」の具体的な使い方の解説の続きです。今回は、「内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その16)」の続きです。今回も、ルール6(明確に伝わる文を書く)の使い方の一例の解説です。
【この連載の前回:内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その16)へのリンク】
1.ルール6(明確に伝わる文を書く)・「書き方16:短い文を書く」
書き方16とは、簡潔でスリムな短い文を書くことです。短い文を書く書き方(方法)には以下のような書き方(方法)があります。
- ①一文一義で書く
- ②表現を工夫して書く
- ③内容を言い換える
今回は、「一文一義で書く」について解説します。
1.1 一文一義で書く
一文一義とは、一つの文の中に1つのこと(事柄)だけを書くことです。
以下の文を読んでください。
【パターンⅠ】
今週の金曜日の10時から来年度に向けての営業会議が予定されているが、営業会議では、来年度の売り上げを今年度の売り上げの3割増にするための営業方針(案)を決定するとともに、商品開発部の部長から、現在進めている新商品の開発に関する進捗状況の説明がある。
この文は、以下のことが一つの文で書いてあります。
- ①金曜日の10時に営業会議が予定されていること
- ②来年度の営業方針(案)を決定すること
- ③新商品の開発に関する進捗状況の説明があること
【パターンⅠ】のように複数のこと(事柄)を一つの文の中で書くと内容が明確に伝わりません。ここで、この文を、一文一義の考え方に基づき書いた場合を以下に示します。
【パターンⅡ】
今週の金曜日の10時から来年度に向けての営業会議が予定されている。営業会議では、来年度の売り上げを今年度の売り上げの3割増にするための営業方針(案)を決定する。また、商品開発部の部長から、現在進めている新商品の開発に関する進捗状況の説明がある。
【パターンⅡ】のように一文一義で文を書くと...