内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その24)

更新日

投稿日

技術文書

◆【特集】 連載記事紹介連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

 

 

今回は、「書き方8:表で書く」に関する補足解説です。「『書き方8:表で書く』を使うときのポイント」および「表の作成に関する参考事項」の解説です。

【この連載の前回:内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その23)へのリンク】 

 

人財教育

 

1.「書き方8:表で書く」を使うときのポイント

書き方8とは、表で内容を書くことです。「『書き方8:表で書く』」を使うときのポイント」とは、表の内容を一層明確に伝える方法を考えることです。これは、例えば、「内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その15)」で解説したように、表の中の重要な内容を強調すること(アンダーラインを引く、フォントを変える)や表の内容に関する写真を入れることです。

 

内容を表で書くだけではなく表の内容を一層明確に伝える方法を考えることで、内容が一層明確に伝わる表を書くことができます。

 

2.表の作成に関する参考事項

例えば、以下のような内容が書いてあったとします(パターンⅠ)。これは、内容の羅列で書いてあるので内容が明確に伝わりません。

(パターンⅠ)

人的資源マネジメント


そこで、書き方8を使ってこの内容を表で書くと以下のようになり(パターンⅡ)、内容が明確に伝わります。

(パターンⅡ)

人的資源マネジメント


次に、パターⅡとは異なる以下のような表(パターンⅢ)を作成したとします。

(パターンⅢ)

人的資源マネジメント

 

パターンⅠは、バナナ、みかん、りんごおよびイチゴの各果物の持つ栄養成分(エネルギー、ビタミンCおよび食物繊維総量)を比較するために書いた内容です。

 

栄養成分の比較の結果が明確に伝わるのはパターンⅡの表です。理由は、人間の目は水平方向(左から右)に自然に動くからです。例えば、各果物の持つエネルギー(kcal)を比較することを考えます。パターンⅡの表とパターンⅢの表では、パターンⅡの表の方が内容が明確に伝わります。水平方向(左から右)に自然に目が動くからです。また、パターンⅢの表は、人間の自然な目の動き(水平方向:左から右)に逆らって目を垂直方向(上から下)に動かして比較するからです。

 

「書き方8:表で書く」を使うときには、このようなことも考えて表を書くことで内容を一層明確に伝...

技術文書

◆【特集】 連載記事紹介連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

 

 

今回は、「書き方8:表で書く」に関する補足解説です。「『書き方8:表で書く』を使うときのポイント」および「表の作成に関する参考事項」の解説です。

【この連載の前回:内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その23)へのリンク】 

 

人財教育

 

1.「書き方8:表で書く」を使うときのポイント

書き方8とは、表で内容を書くことです。「『書き方8:表で書く』」を使うときのポイント」とは、表の内容を一層明確に伝える方法を考えることです。これは、例えば、「内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その15)」で解説したように、表の中の重要な内容を強調すること(アンダーラインを引く、フォントを変える)や表の内容に関する写真を入れることです。

 

内容を表で書くだけではなく表の内容を一層明確に伝える方法を考えることで、内容が一層明確に伝わる表を書くことができます。

 

2.表の作成に関する参考事項

例えば、以下のような内容が書いてあったとします(パターンⅠ)。これは、内容の羅列で書いてあるので内容が明確に伝わりません。

(パターンⅠ)

人的資源マネジメント


そこで、書き方8を使ってこの内容を表で書くと以下のようになり(パターンⅡ)、内容が明確に伝わります。

(パターンⅡ)

人的資源マネジメント


次に、パターⅡとは異なる以下のような表(パターンⅢ)を作成したとします。

(パターンⅢ)

人的資源マネジメント

 

パターンⅠは、バナナ、みかん、りんごおよびイチゴの各果物の持つ栄養成分(エネルギー、ビタミンCおよび食物繊維総量)を比較するために書いた内容です。

 

栄養成分の比較の結果が明確に伝わるのはパターンⅡの表です。理由は、人間の目は水平方向(左から右)に自然に動くからです。例えば、各果物の持つエネルギー(kcal)を比較することを考えます。パターンⅡの表とパターンⅢの表では、パターンⅡの表の方が内容が明確に伝わります。水平方向(左から右)に自然に目が動くからです。また、パターンⅢの表は、人間の自然な目の動き(水平方向:左から右)に逆らって目を垂直方向(上から下)に動かして比較するからです。

 

「書き方8:表で書く」を使うときには、このようなことも考えて表を書くことで内容を一層明確に伝えることができます。なお、「書き方12:組み合わせて書く」も人間の目の動きを考えて書くことで内容を一層明確に伝えることができる書き方です。

 

次回に続きます。

 

【参考文献】

森谷仁著、「マンガでわかる技術文書の書き方」、オーム社、令和4年3月25日

 

関連解説記事「相手の立場に立って考える」こと 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

森谷 仁

「君の書く文書は、わかりにくい」と言われる技術者から、「君の書く文書は、わかりやすい」と言われる技術者へのステップアップ!

「君の書く文書は、わかりにくい」と言われる技術者から、「君の書く文書は、わかりやすい」と言われる技術者へのステップアップ!


「人財教育・育成」の他のキーワード解説記事

もっと見る
内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その37)

  「内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その36)」で、日々のオンザジョブトレーニングでの「会話を通したトレーニング」の概要を解説しまし...

  「内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その36)」で、日々のオンザジョブトレーニングでの「会話を通したトレーニング」の概要を解説しまし...


技術者の能力資産をB/S(バランスシート)で評価する

1. 能力資産B/S評価の必要性  筆者は、10年以上前に書籍の中で、コンピテンシー(思考・行動特性)などの無形資産の定量的経済性評価法を試みました。不...

1. 能力資産B/S評価の必要性  筆者は、10年以上前に書籍の中で、コンピテンシー(思考・行動特性)などの無形資産の定量的経済性評価法を試みました。不...


自律型チームの育て方とは、明確なビジョンがもたらす効果

【目次】 自律型チームと依存型チームのどちらを育てるべきかと問われたのなら、どのリーダーも「自律型」と答えることでしょう。でも、この...

【目次】 自律型チームと依存型チームのどちらを育てるべきかと問われたのなら、どのリーダーも「自律型」と答えることでしょう。でも、この...


「人財教育・育成」の活用事例

もっと見る
人財教育・人材育成、こだわりと責任範囲

【目次】 ▼さらに深く学ぶなら!「ビジネススキル」に関するセミナーはこちら! 1. こだわり「別の方法がある」と考えることも大事 ...

【目次】 ▼さらに深く学ぶなら!「ビジネススキル」に関するセミナーはこちら! 1. こだわり「別の方法がある」と考えることも大事 ...


人財教育・人材育成、負け試合、失敗とわかっても投げやりにならずに取り組むこと

【目次】 ▼さらに深く学ぶなら!「行動科学」に関するセミナーはこちら! ▼さらに幅広く学ぶなら!「分野別のカリキュラム」に関するオ...

【目次】 ▼さらに深く学ぶなら!「行動科学」に関するセミナーはこちら! ▼さらに幅広く学ぶなら!「分野別のカリキュラム」に関するオ...


提案制度の考察、参加しやすいルールとは、継続できるしくみとは

      1. 参加しやすいルールとは メーカーでは全従業員が毎月何かしらの提案を行っている会社が多いと思います。メーカーで...

      1. 参加しやすいルールとは メーカーでは全従業員が毎月何かしらの提案を行っている会社が多いと思います。メーカーで...