頭の中を整理する 内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その35)

更新日

投稿日

  人的資源マネジメント

 

内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その30)」で「必要なこと」として「伝える内容を明確に理解していること」と「頭の中を整理すること」の2項目についての概要を解説しました。今回も「頭の中を整理すること」に関する解説です。

【この連載の前回:内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その34)へのリンク】 

 

1.頭の中を整理すること

例えば「キャッシュレス決済のメリットについて2つ述べよ」という問題があったします。この問題に対して「キャッシュレス決済のメリットについて、これを書こう、あれも書かなきゃ・・・」のように考えて書くと次のような解答を書いてしまうかもしれません。

 

キャッシュレス決済にすれば、閉店後に行う集計時の現金の確認や売上金の銀行への入金などが省ける。また、現金を夜間金庫に預けることもなくなる。キャッシュレス決済にすれば、現金とお釣りの受け渡しがないため素早く決済ができる。また、キャッシュレス決済をする人が増えればレジでの持ち時間が短くなる。

 

この解答では、キャッシュレス決済のメリットについての様々なことが書いてあります。しかし、この書き方では内容が明確に伝わりません。この解答は「結局、何が言いたいのだろう?」という内容です。

 

これに対して、下記の「書き方1:要点を冒頭に書く注1)」を使って頭の中を整理したうえで書くと以下のような解答になります。注1)「書き方1:要点を冒頭に書く」とは、「内容に関する要点を冒頭に書き、この要点に関する説明をその後に書くこと」です。

 

人的資源マネジメント

 

キャッシュレス決済のメリットとは「現金管理業務の効率化」と「スピーディーな決済の実現」である。キャッシュレス決済にすれば、閉店後に行う集計時の現金の確認や売上金の銀行への入金などが省ける。また、現金を夜間金庫に預けることもなくなる。キャッシュレス決済にすれば、現金とお釣りの受け渡しがないため素早く決済ができる。また、キャッシュレス決済をする人が増えればレジでの持ち時間が短くなる。

 

このように書くことで解答が明確に伝わります。

 

頭の中が未整理な状態だと内容が明確に伝わらない技術文書(内容が伝わる技術文書)を書いてしまうかもしれません。前回の記事でも書きましたが、上の表にある「内容が明確に伝わる技術文書の書き方の3原則」と「6つのルールと18の書き方」を使うことで頭の中が整理できます。

 

「必要なことを理解する(伝える内容を明確に理解していること・頭の中を整理すること)」とは書き手自身に関することです。伝える内容が「理解したつもり」あるいは伝える内容が「未整理」の状態では、内容が明確に伝わる技術文書を書くこ...

  人的資源マネジメント

 

内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その30)」で「必要なこと」として「伝える内容を明確に理解していること」と「頭の中を整理すること」の2項目についての概要を解説しました。今回も「頭の中を整理すること」に関する解説です。

【この連載の前回:内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その34)へのリンク】 

 

1.頭の中を整理すること

例えば「キャッシュレス決済のメリットについて2つ述べよ」という問題があったします。この問題に対して「キャッシュレス決済のメリットについて、これを書こう、あれも書かなきゃ・・・」のように考えて書くと次のような解答を書いてしまうかもしれません。

 

キャッシュレス決済にすれば、閉店後に行う集計時の現金の確認や売上金の銀行への入金などが省ける。また、現金を夜間金庫に預けることもなくなる。キャッシュレス決済にすれば、現金とお釣りの受け渡しがないため素早く決済ができる。また、キャッシュレス決済をする人が増えればレジでの持ち時間が短くなる。

 

この解答では、キャッシュレス決済のメリットについての様々なことが書いてあります。しかし、この書き方では内容が明確に伝わりません。この解答は「結局、何が言いたいのだろう?」という内容です。

 

これに対して、下記の「書き方1:要点を冒頭に書く注1)」を使って頭の中を整理したうえで書くと以下のような解答になります。注1)「書き方1:要点を冒頭に書く」とは、「内容に関する要点を冒頭に書き、この要点に関する説明をその後に書くこと」です。

 

人的資源マネジメント

 

キャッシュレス決済のメリットとは「現金管理業務の効率化」と「スピーディーな決済の実現」である。キャッシュレス決済にすれば、閉店後に行う集計時の現金の確認や売上金の銀行への入金などが省ける。また、現金を夜間金庫に預けることもなくなる。キャッシュレス決済にすれば、現金とお釣りの受け渡しがないため素早く決済ができる。また、キャッシュレス決済をする人が増えればレジでの持ち時間が短くなる。

 

このように書くことで解答が明確に伝わります。

 

頭の中が未整理な状態だと内容が明確に伝わらない技術文書(内容が伝わる技術文書)を書いてしまうかもしれません。前回の記事でも書きましたが、上の表にある「内容が明確に伝わる技術文書の書き方の3原則」と「6つのルールと18の書き方」を使うことで頭の中が整理できます。

 

「必要なことを理解する(伝える内容を明確に理解していること・頭の中を整理すること)」とは書き手自身に関することです。伝える内容が「理解したつもり」あるいは伝える内容が「未整理」の状態では、内容が明確に伝わる技術文書を書くことができません。「必要なことを理解する」も内容が明確に伝わる技術文書を書くための必要事項です。

 

次回に続きます。

【参考文献】

森谷仁著、「マンガでわかる技術文書の書き方」、オーム社、令和4年3月25日

 

◆【特集】 連載記事紹介連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

 

関連解説記事「相手の立場に立って考える」こと 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

森谷 仁

「君の書く文書は、わかりにくい」と言われる技術者から、「君の書く文書は、わかりやすい」と言われる技術者へのステップアップ!

「君の書く文書は、わかりにくい」と言われる技術者から、「君の書く文書は、わかりやすい」と言われる技術者へのステップアップ!


「人財教育・育成」の他のキーワード解説記事

もっと見る
人事評価者研修 教育研修の進め方(その5)

【教育研修の進め方 連載目次】 1.  教育制度を見直す必要 2.  ジョブスキル教育 3.  階層別教育 4....

【教育研修の進め方 連載目次】 1.  教育制度を見直す必要 2.  ジョブスキル教育 3.  階層別教育 4....


【学び直しとは】学び直し教育が必要なポイント(その1) 

【目次】 学び直し教育が必要なポイントは、標準化をめざす、マイルールの回避、自信を持って組織活性です。今回は「学び直し教育」が必要な...

【目次】 学び直し教育が必要なポイントは、標準化をめざす、マイルールの回避、自信を持って組織活性です。今回は「学び直し教育」が必要な...


寄り添うリーダーシップ、支援上手でお互いの価値観を認めるリーダーとは

   【目次】 新人のモチベーションアップと維持を支援するためには、どのようなアプローチが必要なのでしょうか?ヒン...

   【目次】 新人のモチベーションアップと維持を支援するためには、どのようなアプローチが必要なのでしょうか?ヒン...


「人財教育・育成」の活用事例

もっと見る
 PDCA サイクルとシステム手帳

   今回は、「スケジュールやタスクをどうやって管理しているのか」という話題です。僕が「フランクリン・プランナーを使っている」と言うと、皆が「...

   今回は、「スケジュールやタスクをどうやって管理しているのか」という話題です。僕が「フランクリン・プランナーを使っている」と言うと、皆が「...


人財教育・人材育成、自分自身の感覚を研ぎ澄まして雰囲気言葉に要注意

【目次】 ▼さらに深く学ぶなら!「行動科学」に関するセミナーはこちら! ▼さらに幅広く学ぶなら!「分野別のカリキュラム」に関するオ...

【目次】 ▼さらに深く学ぶなら!「行動科学」に関するセミナーはこちら! ▼さらに幅広く学ぶなら!「分野別のカリキュラム」に関するオ...


【SDGs取組み事例】SDGs理念の下、企業と住民が地域課題解決に向け連携 太陽工業株式会社(長野県諏訪市)

♦「真善美」の考えが人を育む  【目次】 国内製造業のSDGs取り組み事例一覧へ戻る SDGs対応が取り引きや会社選...

♦「真善美」の考えが人を育む  【目次】 国内製造業のSDGs取り組み事例一覧へ戻る SDGs対応が取り引きや会社選...