1.「会話を通したトレーニング」について(その2)
「内容が明確に伝わる技術文書の書き方(その37)」で、会話を通した日々のオンザジョブトレーニングについて深掘りして解説しました。今回はこの解説の続きです。前回では、以下に示した「内容が明確に伝わる技術文書の書き方の3原則」および「6つのルールと18の書き方」の考え方を使って回答しました(前回の記事参照)。
①「内容が明確に伝わる技術文書の書き方の第1原則(書き手と読み手の違いを認識する)」の考え方
*話し手と聞き手の違いを認識する(上司は業務の進捗状況を知らない)。
②「書き方1:要点を冒頭に書く」の考え方
*業務の進捗状況の要点を冒頭に話す。進捗状況に関する説明をその後で話す。
③「書き方13:具体的な文を書く」の考え方
*作業終了予定を具体的に話す(今月末の31日(金)まで)。
④「書き方16:短い文を書く」の考え方
*短く話す。
前回の事例では、「6つのルールと18の書き方」の中で「書き方1」、「書き方13」および「書き方16」の考え方を使いました。「6つのルールと18の書き方」にはこれらの他にも書き方があります。会話を通した日々のオンザジョブトレーニングでこの他の書き方が習得できます。また、レベルアップもできます。
具体的には以下のような内容です。
- *全体像を冒頭で話す(書き方2)。
- *根拠を話す(書き方4)。
- *条件を話す(書き方5)。
- *箇条書きのように分けて話す(書き方6・書き方7)。
- *意味が明確になるように話す(書き方14)。
- *能動態で話す(書き方15)。
- *肯定の内容で話す(書き方17)。
また、各書き方の考え方を組み合わせて話すこともできます(以下の内容は前回の記事参照)。
〇〇地区での液状化発生の可能性の解析まで終わりました。△△を条件とした解析では、液状化が発生する可能性があるとの結果でした。
これは、「書き方1:要点を冒頭に書く」の考え方と「書き方5:条件を書く」の考え方を組み合わせた回答内容です。解析条件を明確にすることが解析上のポイントの場合にこのような話し方をします。
技術文書を書くことも会話をすることもどちらもコミュニケーションです。したがって、日々のオンザジョブトレーニングでの「会話を通したトレーニング」が成立します。このことを認識したうえで、会話を通した日々のオンザジョブトレーニングを実践してください。
「内容が明確に伝わる技術文書の書き方の3原則」および「6つのル...
次回に続きます。
【参考文献】
森谷仁著、「マンガでわかる技術文書の書き方」、オーム社、令和4年3月25日
◆【特集】 連載記事紹介:連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!