信号を守らない-これも色管理ひとつ 中国企業の壁(その42)

投稿日

 
  生産マネジメント
 
 前回、色を識別表示の手段として工場内で統一して使うことが出来ていなかった中国工場を例に挙げ、色の意味の理解を深めるために信号の色の意味と同じだと説明するとよいことを書きました。この内容に関して、読者であり知人でもある芋たこ北京さんからコメントをいただきましたので紹介します。
 
  • コメント:ここから
 
 「赤は信号で言えば止まれ」っていう事、本当に中国人の間で認識されているでしょうか?小生色んな場面で見ていて、この信号の赤・黄・青に疑問を持っています。
 
 街を見ていても、信号で止まる中国人は殆どいない。
 
 上海の浦東の街中でさえ、歩行者は、信号よりも対面等の車が来るのと他人の渡るのをみて、渡っている。信号で人が自然に止まる町は、広州と杭州(それも西湖周辺)と思っています。
 
  • コメント:ここまで
 
 確かに信号を守らない人は多いですね。ただ以前に比べれば、守る人は増えているように感じます。特に、車の運転では増えているように思います。まだまだ全員がという訳ではありませんが、車が一般の人たちに普及し運転するようになって信号を守るという意識は上がっていると言えるのではないでしょうか。
 
 中国の運転で問題なのは、マナーでしょう。これが日本と大きく違うので、多くの方が違和感を持っているのではないでしょうか。
 
 例えば、直進車が来ていても平気で左折(日本では右折に相当)します。車に乗っていてこのタイミングで行くのかと思うことがよくあります。直進車の方もわかっているのか速度を緩めますし、クラクションを鳴らすこともしません。
 
 逆走などのルール違反もよく見かけますし、信号機のない交差点で混雑しているときなどは、みんなが我先にと突っ込んできて、にっちもさっちもいかなくなる場面にもよく遭遇します。
 
  • コメントの続き:ここから
 
 そもそも、信号の色を意味づけるには、日本では小学校からの教育、交通安全の教育が必要。中国では未だ全然できていない。特に、地方出身者で、信号も見た事にない人間、都市にでてはじめて見たという人たちが、実際には多い。
 
  • コメント:ここまで
 
 小さい頃にこうした教育がなされていないのも確かにあると思います。であれば、逆に工場でこうした社会常識も併せて教育することに意味があると考えます。
 
 日本企業が中国に工場進出したことによる中...
 
  生産マネジメント
 
 前回、色を識別表示の手段として工場内で統一して使うことが出来ていなかった中国工場を例に挙げ、色の意味の理解を深めるために信号の色の意味と同じだと説明するとよいことを書きました。この内容に関して、読者であり知人でもある芋たこ北京さんからコメントをいただきましたので紹介します。
 
  • コメント:ここから
 
 「赤は信号で言えば止まれ」っていう事、本当に中国人の間で認識されているでしょうか?小生色んな場面で見ていて、この信号の赤・黄・青に疑問を持っています。
 
 街を見ていても、信号で止まる中国人は殆どいない。
 
 上海の浦東の街中でさえ、歩行者は、信号よりも対面等の車が来るのと他人の渡るのをみて、渡っている。信号で人が自然に止まる町は、広州と杭州(それも西湖周辺)と思っています。
 
  • コメント:ここまで
 
 確かに信号を守らない人は多いですね。ただ以前に比べれば、守る人は増えているように感じます。特に、車の運転では増えているように思います。まだまだ全員がという訳ではありませんが、車が一般の人たちに普及し運転するようになって信号を守るという意識は上がっていると言えるのではないでしょうか。
 
 中国の運転で問題なのは、マナーでしょう。これが日本と大きく違うので、多くの方が違和感を持っているのではないでしょうか。
 
 例えば、直進車が来ていても平気で左折(日本では右折に相当)します。車に乗っていてこのタイミングで行くのかと思うことがよくあります。直進車の方もわかっているのか速度を緩めますし、クラクションを鳴らすこともしません。
 
 逆走などのルール違反もよく見かけますし、信号機のない交差点で混雑しているときなどは、みんなが我先にと突っ込んできて、にっちもさっちもいかなくなる場面にもよく遭遇します。
 
  • コメントの続き:ここから
 
 そもそも、信号の色を意味づけるには、日本では小学校からの教育、交通安全の教育が必要。中国では未だ全然できていない。特に、地方出身者で、信号も見た事にない人間、都市にでてはじめて見たという人たちが、実際には多い。
 
  • コメント:ここまで
 
 小さい頃にこうした教育がなされていないのも確かにあると思います。であれば、逆に工場でこうした社会常識も併せて教育することに意味があると考えます。
 
 日本企業が中国に工場進出したことによる中国への貢献の1つは、中国社会の成熟度を高めたことだと思います。どういうことかと言いますと、工場で従業員に対して行ってきた日本では当たり前の生活面での教育です。
 
 トイレのドアは閉める、トイレから出たら手を洗う、公共のものは持って帰らない、ごみはその辺には捨てないでゴミ箱に入れる、時間は守るなどなどたくさんあります。
 
 このようなことを日系の工場は従業員に粘り強く教育してきました。それが中国社会の成熟度を高めることにつながったと思うのです。その延長線上で、信号の意味を認識させることもよいのではないでしょうか。
 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

根本 隆吉

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改善・再構築を第一の使命と考え皆様を支援します。

中国工場の改善・指導に強みを持っている専門家です。 社名の「KPI」は「Key Process Improvement」のことで、工場の最も重要な工程の改...


「生産マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
中国工場の実状を知る 中国工場の品質改善(その43)

 前回のその42に続いて解説します。 【第3章】(自社)中国工場、品質管理の進め方 【3.10 品質課題解決の順序】 (2)どの不良から手をつけ...

 前回のその42に続いて解説します。 【第3章】(自社)中国工場、品質管理の進め方 【3.10 品質課題解決の順序】 (2)どの不良から手をつけ...


ヒューマンエラー対策を考える(その2)

  【ヒューマンエラー対策の考察 連載目次】 1. ヒューマンエラー対策 2. ヒューマンエラーの分類 3. ヒューマンエラー(ポカ...

  【ヒューマンエラー対策の考察 連載目次】 1. ヒューマンエラー対策 2. ヒューマンエラーの分類 3. ヒューマンエラー(ポカ...


儲かるメーカー改善の急所【連載記事紹介】

    ◆改善は誰のために行うか~お客様からのご要望に応えるため! これは意外と忘れがちなのですが、私たちが毎日工場で生産し...

    ◆改善は誰のために行うか~お客様からのご要望に応えるため! これは意外と忘れがちなのですが、私たちが毎日工場で生産し...


「生産マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
フライス加工まで自社対応 伸びる金型メーカーの秘訣 (その31)

        今回、紹介する加工メーカーは、以前登場した溶接製缶メーカーの(株)M鉄工所です。同社は、図面...

        今回、紹介する加工メーカーは、以前登場した溶接製缶メーカーの(株)M鉄工所です。同社は、図面...


現場情報自動収集により現場マネジメントの壁を崩すとは

        今回は、中小製造業を対象として、現場マネジメントの壁と現場情報自動収集の意義について解説しま...

        今回は、中小製造業を対象として、現場マネジメントの壁と現場情報自動収集の意義について解説しま...


安定生産と特注品が混在の多品種少量生産工場、改革案とは

        今回は、次のような課題を抱えた多品種少量生産の工場について、改革案を解説します。    多品種少量生産での (1) 管理工数大 ...

        今回は、次のような課題を抱えた多品種少量生産の工場について、改革案を解説します。    多品種少量生産での (1) 管理工数大 ...