【第2章 中国工場の実状を知る】
【管理者について】
前回のその8に続いて解説します。
【管理者】
ここで言う管理者とは、呼び方は会社によって違いますが、現場の主管、科長、組長、班長のことです。先ず、組長、班長をみていきましょう。
(1)組長、班長
① QCDを支える人たち
組長や班長は、現場を指揮管理しているという観点から工場のQCDを支えるキーパーソンと位置付けられています。工場のQCDレベルは、これら管理者のレベルによって決まると言っても過言ではありません。ですから、この組長さん、班長さんがどんなレベルなのか、そしてその役割を果たすことがとても重要なのです。
② 自分から勉強することを期待してはいけない
では、いったいどんな人が組長さんや班長さんになっているのでしょうか?多くの工場では、作業者の中から優秀な人を抜擢しています。多くの作業者の中から選ばれた人だちなのでそれなりに優秀な人たちです。教えたことは覚えてくれるし、仕事に活かしてくれる人たちです。
しかし、そこまでなのです。どういうことかと言うと、自分が知らないことや教わっていないことを自分で勉強して身に付けることは望めません。逆に、このレベルの人たちに自ら勉強することを期待してはいけません。ここが日本との大きな違いです。ですから、組長さん班長さんができる仕事の範囲は、彼ら彼女らに教えた範囲の中となります。組長さん班長さんに果たして欲しい役割や、やってもらいたい仕事があるのなら、それらが出来るように教育する必要があるのです。
もちろん中には、自分から勉強してどんどん知識や仕事の範囲を増やしていく人もいます。そういう人がいた場合は、責任ある仕事を任せて、それに見合う役職に就かせて活躍してもらえばよいでしょう。
③ 組長・班長の役割と育成の重要性
組長や班長に昇格させたからといって、何もせずに勝手に育つことはないので、育成しなければなりません。そのためには、育成する仕組みが必要となります。
元々作業者でしたから作業のことはよくわかっていますし、新人に対して作業指導することも出来るでしょう。しかし、作業者をどのように管理するのかについてはわかりません。作業者に対して、どのような指示の仕方をしたら従うのか、作業者がルールを守らないのはなぜなのかなど考えたこともないでしょう。管理者になったからといって、すぐにマネジメントが出来るかと言えば、そんなことはありません。
また、作業者に教育することもその役割となりますが、そのためには、教育する内容に関して自分がしっかり理解していなくてはなりません...