中国と日本企業の違いとは 中国工場の品質改善(その60)

 前回のその59に続いて解説します。

【第4章】中国新規取引先選定のポイント

◆ 工場を見る時の視点が異なる

 新規取引先を選定する場合、候補先工場の視察や監査を行うことでしょう。この時、品質改善の工場監査とは工場を見る視点が異なります。

1、どの時点の状態を見るのか

 工場を見た時に、その時点の状態で取引可否を判断するのか、それとも将来の状態を想定して判断するのかを決めておくことが必要です。

 将来の状態を見るのであれば、その時点で問題が多々あったとしても、将来的に改善することが可能かどうかを見極めます。今後、取り引きを通して指導していくことで改善される見込みがあれば、取引可と判断します。

 現時点の状態を見るというのは、こちらの要求を満たすものがその時点で購入可能かを判断します。ですから、その時点で取引可能なレベルにあることが必要になります。3Mのところでも書いたように買う側にも育てることのできる企業とできない企業があります。できない企業は、現時点の状態を見て取引可否を判断します。

2、問題点を見つけることが目的ではない(取引可否の判新基準を持つ)

 品質改善のための工場監査であれば、不良の発生につながる問題点を見つけ、それを是正することで不良の発生をなくすことが目的となります。しかし、新規開拓で工場を見る際は工場の問題点を見つけることが目的ではありません。...

必要なのは、問題点が是正可能なのか、先方にそれらを改善するだけの対応力があるかどうかを見極めることです。

 次回は、新規取引先を選ぶときのポイントから解説を続けます。

 【出典】根本隆吉 著 「中国工場の品質改善」 日刊工業新聞社発行、筆者のご承諾により抜粋を連載 

◆関連解説『生産マネジメントとは』

↓ 続きを読むには・・・

新規会員登録


この記事の著者