【実践編 第3章目次】
第3章 平準化で生産の波を小さくする
1. 生産を平準化する
2. 多品種対応のため段取り替え改革は必須←今回の記事
3. 不良ゼロを目指す品質保証とポカヨケのしくみ
第3章 平準化で生産の波を小さくする
「平準化」は、生産の波を小さくする改革であるとともに、需要と供給を一致させる生産のしくみづくりです。この章では「生産計画の平準化」「段取り替え改革」「品質保証とポカヨケ」について説明します。
2. 多品種対応のため段取り替え改革は必須
多品種化に対応するほど段取り替えは頻発する。改革のポイントは段取り時間と5つの定石。
(5)段取り替え改革5つの定石
【前提: 「5S・3定」】
段取り替え改革に限らず、 イノベーションはすべて「5S・ 3定」が出発点となり、これで改革の基礎をつくります。段取り替え改革についても、前提として、「5S・ 3定」を実施します。なかでも、重要なのが整理と整頓です。
◆勘所① 捨てる
不要物を捨てること。迷ったら捨てる、なにしろ捨てる、の精神で徹底する。赤札作戦を実施する。
◆勘所② 表 示
表示:場所表示・型表示などの看板掲示、台車・工具などの位置を表示する3定(定位・定品・定量)による看板作戦を行なう。
- 色別整理: 品種グループ・機械グループなどで色別整頓する。
- 予防整頓:なぜその工具を使うのかを考え、使わないモノは整頓する。
- 専用化:台車・工具などを、すべて専用化する。
【定石① 「手」は動かしても「足」は動かすな-歩行ゼロ】
下手な段取り替えは、実によく歩くものです。スパナを取るために歩く、台車を探すために歩く、型を取りにいくために歩く。…等々。 1歩歩けば、1秒。10歩歩けば、10秒。戻ってくるためにさらに10秒かかり、合計20秒かかってしまいます。段取り替え時間は、歩行数に比例して長くなるのです。
そこで、できるだけ歩かなくてもすむ方法を考えます。
◆勘所① 専用化
段取り替え専用台車・専用工具を使う。とくに、工具は手許化(肩の動きの範囲に置く)し、整頓する。
◆勘所② スイッチの手許化
スイッチや操作盤が段取り替え作業の場所から離れていると、どうしても歩行が伴います。段取り替え作業に必要なスイッチ類は、使用場所の近く 腕が届く範囲)に移動、 もしくは増設しましょう。
【定石② 福は内、鬼は「外段取り」-内段取りゼロ】
前述のように、段取り替え時間には内段取り時間と外段取り時間があります。このうちの内段取り作業を観察して、その作業を外段取りにできないかを考えます。このようにして、徹底的に外段取り化を図ったあとに、内段取りの改革・改善に取り組みます。
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