【実践編 第4章目次】
第4章 標準作業で作業のムダを取る
1. 標準作業で作業のスタンダードを設定する
2. 動作分析で作業のムダを取る←今回の記事
3. 自働化と人離しで作業者の負担を減らす
4. 生産を守る保全・安全の取り組みを進める
5. 「目で見る管理」で現状をオモテ化する
【この連載の前回:流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その68)へのリンク】
2. 動作分析で作業のムダを取る
動作分析と動作経済の原則を応用してムダな動きを取り、効率のよい作業動作を考える。
前回の(2)に引き続き解説します。
(3)動作経済の原則によって動作を改革する
「身体使用の原則」「作業配置の原則」「機械・器具設計の原則」の3種類からなる「動作経済の原則」により、動作を改革する方法があります。
【動作のムダを取る「身体使用の原則」】
作業のなかで行なわれる一連の動作が、治工具やモノの配置の「影」として生じるならば、その置き場が作業者から遠ければ「影」は大きくなり、近ければ小さくなります。また、置き位置が曲がっていたり、置き場が反対側にあれば、不自然な動きとなり、作業者にムリや負担がかかることになります。
身体使用の原則は、これらを配慮し、作業者が楽にリズミカルに作業を行なうためのものです。
- 両手は同時開始、同時終了
- 両手動作は反対、対称
- 身体の動作は最小に
- 安定した姿勢で作業
- 円滑な連続動作
- モノの力(慣性)を利用する
- 注意力が少なくてすむ動作
- 動作に自然なリズムをつくる
【作業をしやすくする「作業配置の原則」】
ワークや治工具の置き場や機械の操作位置、ワークの取り付けや取り外しの位置などにより、作業者の動作は決まってしまいます。そのため、それらの環境を整え、作業者にムリのない置き場や置き方に変えることにより、動作を変えることができます。
- 材料、治工具の3定を実施
- 材料、治工具を手許化する
- 材料、治工具は取りやすく
- モノの移動は水平移動
- モノの移動は重力利用
- 動作のしやすい作業レベル(高さ)
- 作業に適した照明
【作業能率を向上させる「機械・器具設計の原則」】
使用する機械や治工具の形や置き場、操作位置などにより、作業の能率は大きく左右されるので、設備などの設計も重要な課題となります。
- 治工具でワークや器具を保持
- 使いやすい専用工具
- 2つの治工具をひとつ...