自働化と人離し 流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その69)

投稿日

JIT

 

【実践編 第4章目次】

第4章 標準作業で作業のムダを取る

1. 標準作業で作業のスタンダードを設定する
2. 動作分析で作業のムダを取る
3. 自働化と人離しで作業者の負担を減らす←今回の記事
4. 生産を守る保全・安全の取り組みを進める
5. 「目で見る管理」で現状をオモテ化する

 

【この連載の前回:流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その68)へのリンク】

3. 自働化と人離しで作業者の負担を減らす

「働く」機械設備に変えることで、人の負担の軽減というムダ取り改革を行なう。

 

(1)自働化は少人化のための取り組み

「自働化」は「標準作業」の改革項目であると同時に「少人化」のための取り組みでもあります。

 

少人化とは「必要な人員を・必要なとき・必要なだけ」投入するということです。たんなる人減らしではなく、必要に応じて調整するという意味ですが、その際、作業者の負担を軽減するためのムダ取りは欠かせません。自働化はそのための取り組みにもなります。

 

(2)「自動化」と「自働化」

自働化、省力化といううたい文句を掲げて機械設備を導入することがありますが、それは、本当に当初の目的を果たしているのでしょうか?

 

機械を導入したものの、すべてを機械に任せることはできないケースが少なくありません。機械の動作の一部に人手が必要だったり、不良などの異常が発生しても停止するしくみがない機械だと、不良防止のために作業者が付いていなければならないことがあります。これを「監視」ならぬ「閑視」といいます。これでは、設備費と人件費の両方がかかってしまい、合理化にも省力化にもなっていません。

 

機械にも「動く機械」と「働く機械」があるのです。この場合は「動く機械」だったことになります。実は、合理化や省力化のための機械設備には、往々にしてこのようなケースが見受けられるのです。真の自動化、省力化のためには、ニンベンの付く「自働化」が必要になってきます。ここで「自働化」と「自動化」の違いを次の表のように整理しておきましょう。

 

表.自動化と自働化の違い

トヨタ生産方式

 

工具の損傷、不良の発生、モノの流れのよどみ、人のポカミスなどの異常が起きたときにすぐに機械が止まるように、機械自体に異常を判断する装置を組み込み、自ら...

JIT

 

【実践編 第4章目次】

第4章 標準作業で作業のムダを取る

1. 標準作業で作業のスタンダードを設定する
2. 動作分析で作業のムダを取る
3. 自働化と人離しで作業者の負担を減らす←今回の記事
4. 生産を守る保全・安全の取り組みを進める
5. 「目で見る管理」で現状をオモテ化する

 

【この連載の前回:流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その68)へのリンク】

3. 自働化と人離しで作業者の負担を減らす

「働く」機械設備に変えることで、人の負担の軽減というムダ取り改革を行なう。

 

(1)自働化は少人化のための取り組み

「自働化」は「標準作業」の改革項目であると同時に「少人化」のための取り組みでもあります。

 

少人化とは「必要な人員を・必要なとき・必要なだけ」投入するということです。たんなる人減らしではなく、必要に応じて調整するという意味ですが、その際、作業者の負担を軽減するためのムダ取りは欠かせません。自働化はそのための取り組みにもなります。

 

(2)「自動化」と「自働化」

自働化、省力化といううたい文句を掲げて機械設備を導入することがありますが、それは、本当に当初の目的を果たしているのでしょうか?

 

機械を導入したものの、すべてを機械に任せることはできないケースが少なくありません。機械の動作の一部に人手が必要だったり、不良などの異常が発生しても停止するしくみがない機械だと、不良防止のために作業者が付いていなければならないことがあります。これを「監視」ならぬ「閑視」といいます。これでは、設備費と人件費の両方がかかってしまい、合理化にも省力化にもなっていません。

 

機械にも「動く機械」と「働く機械」があるのです。この場合は「動く機械」だったことになります。実は、合理化や省力化のための機械設備には、往々にしてこのようなケースが見受けられるのです。真の自動化、省力化のためには、ニンベンの付く「自働化」が必要になってきます。ここで「自働化」と「自動化」の違いを次の表のように整理しておきましょう。

 

表.自動化と自働化の違い

トヨタ生産方式

 

工具の損傷、不良の発生、モノの流れのよどみ、人のポカミスなどの異常が起きたときにすぐに機械が止まるように、機械自体に異常を判断する装置を組み込み、自ら働く機械にすることを「自働化」といい、ただ動くだけの「自動化」と区別します。

 

次回に続きます。

【出典】古谷誠 著 『会社を強くする ジャスト・イン・タイム生産の実行手順』中経出版発行(筆者のご承諾により連載)

 

◆【特集】 連載記事紹介連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

古谷 誠

「5S・3定」で改革・改善の基礎をつくり!JIT思想でムダを徹底して取り!心を生かしたモノづくりを目指す!

「5S・3定」で改革・改善の基礎をつくり!JIT思想でムダを徹底して取り!心を生かしたモノづくりを目指す!


「トヨタ生産方式」の他のキーワード解説記事

もっと見る
流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その42)

  【実践編 第2章目次】 第2章 流れ生産で工場に流れをつくる 1. 流れをつくる生産のライン化の手順2. 多工程持ちで少人化を実現...

  【実践編 第2章目次】 第2章 流れ生産で工場に流れをつくる 1. 流れをつくる生産のライン化の手順2. 多工程持ちで少人化を実現...


:リードタイムを短縮して武器にする JIT(その5)

【JIT(ジャストインタイム)連載目次】 1. リードタイムの短縮は、全体を見ることから 2. コストダウンはリードタイム短縮で 3. バッ...

【JIT(ジャストインタイム)連載目次】 1. リードタイムの短縮は、全体を見ることから 2. コストダウンはリードタイム短縮で 3. バッ...


かんばん方式とは

「かんばん方式」は、トヨタ生産方式を代表する特徴的な技法です。生産現場の仕掛品や半製品を必要なときに必要な量だけ供給して、在庫を最小化しつつ、円滑な生産の...

「かんばん方式」は、トヨタ生産方式を代表する特徴的な技法です。生産現場の仕掛品や半製品を必要なときに必要な量だけ供給して、在庫を最小化しつつ、円滑な生産の...


「トヨタ生産方式」の活用事例

もっと見る
回転ずしに見るサプライチェーン

 寿司職人がにぎるカウンター方式のにぎり寿司は、需要予測によってあらかじめ用意されたシャリとネタをバッファ(在庫)として持ち、実需(オーダー)によってネタ...

 寿司職人がにぎるカウンター方式のにぎり寿司は、需要予測によってあらかじめ用意されたシャリとネタをバッファ(在庫)として持ち、実需(オーダー)によってネタ...


トヨタ生産方式の導入はなぜ難しい

  1、トヨタ生産方式:高いハードル  トヨタ生産方式(TPS=Toyota Production Sysytem) は実によく話題にな...

  1、トヨタ生産方式:高いハードル  トヨタ生産方式(TPS=Toyota Production Sysytem) は実によく話題にな...


[エキスパート会員インタビュー記事]食品業界の改善活動から始まった多面的な改善アプローチ(小松 加奈 氏)

食品業界は、常に新たな挑戦と改善が求められる分野です。製造プロセスの最適化から新商品開発まで、その要求は終わることがありません。この複雑な業界で収益向...

食品業界は、常に新たな挑戦と改善が求められる分野です。製造プロセスの最適化から新商品開発まで、その要求は終わることがありません。この複雑な業界で収益向...