保全安全の取り組み 流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その75)

 
  

 

【実践編 第4章目次】

第4章 標準作業で作業のムダを取る

1. 標準作業で作業のスタンダードを設定する
2. 動作分析で作業のムダを取る
3. 自働化と人離しで作業者の負担を減らす
4. 生産を守る保全・安全の取り組みを進める←今回の記事
5. 「目で見る管理」で現状をオモテ化する

 

【この連載の前回:流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その74)へのリンク】

◆【特集】 連載記事紹介連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

◆ 関連解説『生産マネジメントとは』
 

4. 生産を守る保全・安全の取り組みを進める

故障が発生しない機械設備、安全な現場を「標準作業」と「目で見る管理」で実現する。

(1)保全は流れ生産の条件

【よく機械が故障する現場】

製造メーカーにとって、安全はすべてに優先する課題であり、製造メーカーにおける保全とは、機械設備の保守、点検、故障の防止です。これは「標準作業」の改革項目であると同時に「目で見る管理」への取り組みでもあります。

 

「よく機械が故障する」という生産現場があります。工場のなかを歩いていると、機械の音にリズムがなく、ぶつ切れだったり、音が重なり合って不協和音のように聞こえたりするものです。また、よく観察すると、あちこちに次のような現象が散見されます。

 

このような生産現場で、理想的な生産などできるわけがありません。

 

規模の大小にかかわらず、モノをつくるときには、機械設備は確実に、不良を出さずに動かなければなりません。つまり、可動率が重要なのであり、そのためには、故障ゼロであることが必要です。

 

【故障ゼロは流れ生産の必須条件】

ジャスト・イン・タイムでは、モノがサラサラと流れる流れ生産を目指しています。それは、あたかも人の身体のなかを流れる血液のようなもので、大物部品 (本組みのライン)は動脈で、小物部品(小さな部品をつくる工程)は毛細血智のようです。

 

しかし、流れ生産では、たとえ小さな部品でも、生産が間に合わなかったり、供給が止まったりすれ...

ば、たちまち動脈である本組みラインもストップしてしまいます。そう考えると、流れ生産が成立する必須条件として、必要なときに、常に良品をつくりだせる、故障ゼロの機械設備をあげることができます。つまり、保全は流れ生産に欠かすことのできない前提条件なのです。それゆえ「稼働率」よりも「可動率」を重視するのです。

 

次回に続きます。

【出典】古谷誠 著 『会社を強くする ジャスト・イン・タイム生産の実行手順』中経出版発行(筆者のご承諾により連載)

 

 

 

 

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