【実践編 第4章目次】
第4章 標準作業で作業のムダを取る
1. 標準作業で作業のスタンダードを設定する
2. 動作分析で作業のムダを取る←今回の記事
3. 自働化と人離しで作業者の負担を減らす
4. 生産を守る保全・安全の取り組みを進める
5. 「目で見る管理」で現状をオモテ化する
【この連載の前回:流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その66)へのリンク】
2. 動作分析で作業のムダを取る
動作分析と動作経済の原則を応用してムダな動きを取り、効率のよい作業動作を考える。
(1)観察・分析のレベルと時間観測
【観察・分析のレベル】
標準作業を設定するとき、最初に行なわなければならないのは、作業者の作業を観測・分析し、現状の作業状況をオモテ化することです。
その際、作業をどのレベルまで落として観測・分析するかにより、その後の改革・改善へのアプローチのしかたが変わってきます。分析レベルは、下図のように工程分析・作業分析・動作分析の3種類に大別できます。また、 目視による分析とVTRによる分析では観測の精度が違ってきます。何を目的に改革・改善するかにより、分析レベルを決める必要があります。
【時間観測の手順】
作業を観察・分析するときは、それぞれの作業にかかる時間を、次の手順で測定します。その際、観測者は動作を見ながら改革・改善点を発見していきますので、改革・改善のポイントをあらかじめ頭に入れておかなければいけません。
時間観測の詳細手順
① 作業者の作業手順を分析する
② 作業の終わりのポイントを決める
③ 繰り返し作業の時間を測定する
- 各作業の終わりのポイント時間を記録する
- 繰り返し作業を最低5回以上観測する
- 繰り返し作業観測の際は、通しの計測時間(トータルの時間)を記録する
④観測時間を集計する
- 各作業単位の作業時間を計算する
- 1サイクルの作業時間を計算する
- 観測したなかでいちばん早かった1サイクルの作業時間をベ...