【実践編 第4章目次】
第4章 標準作業で作業のムダを取る
1. 標準作業で作業のスタンダードを設定する
2. 動作分析で作業のムダを取る←今回の記事
3. 自働化と人離しで作業者の負担を減らす
4. 生産を守る保全・安全の取り組みを進める
5. 「目で見る管理」で現状をオモテ化する
【この連載の前回:流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その67)へのリンク】
2. 動作分析で作業のムダを取る
動作分析と動作経済の原則を応用してムダな動きを取り、効率のよい作業動作を考える。
前回の(1)に引き続き解説します。
(2)サーブリッグ分析でムダな作業を排除する
【基本動作を3つに分類する】
サーブリッグ分析とは動作分析の1手法で、分析の結果、以下のように3種類に分類できます。
第1類:進める
仕事を進める要素となる動作 → より少なくする
仕事を進めるうえで、有用であるとされるサーブリツグをいい、「から手」「つかむ」「運ぶ」「手放す」「組み合わせる」「分解する」「使う」の7種類があります。しかし、現在の作業のやり方ではその動作は必要でも、作業のやり方を変えることで、これらの動作を不要にしたり、軽減することができます。
そのためには、 「これらの動作は有用である」という固定観念を打破し、その前提となっている作業のやり方を変えることが重要です。有用だとする考えは、固定観念のなせるわざだからです。
第2類:遅らせる
仕事を遅らせる要素となる動作 → 排除する
仕事を遅らせるサーブリッグをいいます。「探す」「見出す」「選ぶ」「位置を正す」「用意する」「調べる」「考える」の7種類があります。これらは、モノの置き方についての3定(定位・定品・定量)がしっかりと守られていれば、なくすことができます。
第3類:進めない
仕事を邪魔する要素となる動作 → 排除する
仕事を進めるうえで無用なサーブリッグをいいます。「保持する」「休む」「避けられない遅れ」「避けられる遅れ」の4種類があります。「保持する」については、ほとんどの場合、治具の利用などによりなくすことができます。そのほかは、その場で改革・改善できる動作です。
このような動作は、動作そのものを改善・改革しようとしても、あまり効果は望めません。作業に必要な機械部材・治工具の配置などの「影」によって生じる動作だからです。ならば「なぜ、その影はできるのか?」という疑問を繰り返して、改革・改善すべき対象を洗...