動作分析 流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その68)

投稿日

JIT

 

【実践編 第4章目次】

第4章 標準作業で作業のムダを取る

1. 標準作業で作業のスタンダードを設定する
2. 動作分析で作業のムダを取る←今回の記事
3. 自働化と人離しで作業者の負担を減らす
4. 生産を守る保全・安全の取り組みを進める
5. 「目で見る管理」で現状をオモテ化する

 

【この連載の前回:流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その67)へのリンク】

2. 動作分析で作業のムダを取る

動作分析と動作経済の原則を応用してムダな動きを取り、効率のよい作業動作を考える。

 

前回の(1)に引き続き解説します。

(2)サーブリッグ分析でムダな作業を排除する

【基本動作を3つに分類する】

サーブリッグ分析とは動作分析の1手法で、分析の結果、以下のように3種類に分類できます。

 

第1類:進める

仕事を進める要素となる動作 → より少なくする

 

仕事を進めるうえで、有用であるとされるサーブリツグをいい、「から手」「つかむ」「運ぶ」「手放す」「組み合わせる」「分解する」「使う」の7種類があります。しかし、現在の作業のやり方ではその動作は必要でも、作業のやり方を変えることで、これらの動作を不要にしたり、軽減することができます。

 

そのためには、 「これらの動作は有用である」という固定観念を打破し、その前提となっている作業のやり方を変えることが重要です。有用だとする考えは、固定観念のなせるわざだからです。

 

第2類:遅らせる

仕事を遅らせる要素となる動作 → 排除する

 

仕事を遅らせるサーブリッグをいいます。「探す」「見出す」「選ぶ」「位置を正す」「用意する」「調べる」「考える」の7種類があります。これらは、モノの置き方についての3定(定位・定品・定量)がしっかりと守られていれば、なくすことができます。

 

第3類:進めない

仕事を邪魔する要素となる動作 → 排除する

 

仕事を進めるうえで無用なサーブリッグをいいます。「保持する」「休む」「避けられない遅れ」「避けられる遅れ」の4種類があります。「保持する」については、ほとんどの場合、治具の利用などによりなくすことができます。そのほかは、その場で改革・改善できる動作です。

 

このような動作は、動作そのものを改善・改革しようとしても、あまり効果は望めません。作業に必要な機械部材・治工具の配置などの「影」によって生じる動作だからです。ならば「なぜ、その影はできるのか?」という疑問を繰り返して、改革・改善すべき対象を洗...

JIT

 

【実践編 第4章目次】

第4章 標準作業で作業のムダを取る

1. 標準作業で作業のスタンダードを設定する
2. 動作分析で作業のムダを取る←今回の記事
3. 自働化と人離しで作業者の負担を減らす
4. 生産を守る保全・安全の取り組みを進める
5. 「目で見る管理」で現状をオモテ化する

 

【この連載の前回:流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その67)へのリンク】

2. 動作分析で作業のムダを取る

動作分析と動作経済の原則を応用してムダな動きを取り、効率のよい作業動作を考える。

 

前回の(1)に引き続き解説します。

(2)サーブリッグ分析でムダな作業を排除する

【基本動作を3つに分類する】

サーブリッグ分析とは動作分析の1手法で、分析の結果、以下のように3種類に分類できます。

 

第1類:進める

仕事を進める要素となる動作 → より少なくする

 

仕事を進めるうえで、有用であるとされるサーブリツグをいい、「から手」「つかむ」「運ぶ」「手放す」「組み合わせる」「分解する」「使う」の7種類があります。しかし、現在の作業のやり方ではその動作は必要でも、作業のやり方を変えることで、これらの動作を不要にしたり、軽減することができます。

 

そのためには、 「これらの動作は有用である」という固定観念を打破し、その前提となっている作業のやり方を変えることが重要です。有用だとする考えは、固定観念のなせるわざだからです。

 

第2類:遅らせる

仕事を遅らせる要素となる動作 → 排除する

 

仕事を遅らせるサーブリッグをいいます。「探す」「見出す」「選ぶ」「位置を正す」「用意する」「調べる」「考える」の7種類があります。これらは、モノの置き方についての3定(定位・定品・定量)がしっかりと守られていれば、なくすことができます。

 

第3類:進めない

仕事を邪魔する要素となる動作 → 排除する

 

仕事を進めるうえで無用なサーブリッグをいいます。「保持する」「休む」「避けられない遅れ」「避けられる遅れ」の4種類があります。「保持する」については、ほとんどの場合、治具の利用などによりなくすことができます。そのほかは、その場で改革・改善できる動作です。

 

このような動作は、動作そのものを改善・改革しようとしても、あまり効果は望めません。作業に必要な機械部材・治工具の配置などの「影」によって生じる動作だからです。ならば「なぜ、その影はできるのか?」という疑問を繰り返して、改革・改善すべき対象を洗い出すほうが有効です。その対象を改革・改善することで、ムダを取っていくのです。

 

次回に続きます。

【出典】古谷誠 著 『会社を強くする ジャスト・イン・タイム生産の実行手順』中経出版発行(筆者のご承諾により連載)

 

◆【特集】 連載記事紹介連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

古谷 誠

「5S・3定」で改革・改善の基礎をつくり!JIT思想でムダを徹底して取り!心を生かしたモノづくりを目指す!

「5S・3定」で改革・改善の基礎をつくり!JIT思想でムダを徹底して取り!心を生かしたモノづくりを目指す!


「トヨタ生産方式」の他のキーワード解説記事

もっと見る
自働化と人離し 流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その70)

  【実践編 第4章目次】 第4章 標準作業で作業のムダを取る 1. 標準作業で作業のスタンダードを設定する2. 動作分析で作業のムダ...

  【実践編 第4章目次】 第4章 標準作業で作業のムダを取る 1. 標準作業で作業のスタンダードを設定する2. 動作分析で作業のムダ...


:リードタイムの短縮は、全体を見ることから JIT(その1)

【JIT(ジャストインタイム)連載目次】 1. リードタイムの短縮は、全体を見ることから 2. コストダウンはリードタイム短縮で 3. バッ...

【JIT(ジャストインタイム)連載目次】 1. リードタイムの短縮は、全体を見ることから 2. コストダウンはリードタイム短縮で 3. バッ...


安全は生産を支える 流れ生産:ジャスト・イン・タイム生産(その80)

  【実践編 第4章目次】 第4章 標準作業で作業のムダを取る 1. 標準作業で作業のスタンダードを設定する2. 動作分析で作業のムダ...

  【実践編 第4章目次】 第4章 標準作業で作業のムダを取る 1. 標準作業で作業のスタンダードを設定する2. 動作分析で作業のムダ...


「トヨタ生産方式」の活用事例

もっと見る
[エキスパート会員インタビュー記事]食品業界の改善活動から始まった多面的な改善アプローチ(小松 加奈 氏)

食品業界は、常に新たな挑戦と改善が求められる分野です。製造プロセスの最適化から新商品開発まで、その要求は終わることがありません。この複雑な業界で収益向...

食品業界は、常に新たな挑戦と改善が求められる分野です。製造プロセスの最適化から新商品開発まで、その要求は終わることがありません。この複雑な業界で収益向...


トヨタ生産方式の応用 事例

1.ドイツ系電器メーカー  トヨタ生産方式が有名になり出した頃、筆者はシンガポールで技術協力の専門家として多くの会社の指導に当っていました。当時は多くの...

1.ドイツ系電器メーカー  トヨタ生産方式が有名になり出した頃、筆者はシンガポールで技術協力の専門家として多くの会社の指導に当っていました。当時は多くの...


トヨタ生産方式を賢く応用するKnow Why -シンガポールでの事例-

 トヨタ生産方式が1980年代半ばに世界に知られるようになってから30年、多くの企業が失敗を繰り返す中で、筆者は、「かんばん」とか「ジャスト・イン・タイム...

 トヨタ生産方式が1980年代半ばに世界に知られるようになってから30年、多くの企業が失敗を繰り返す中で、筆者は、「かんばん」とか「ジャスト・イン・タイム...