OKRとは 新規事業・新商品を生み出す技術戦略(その75)

更新日

投稿日

技術マネジメント

 

◆ OKRを活用した組織力アップ

 今回は、イノベーションを起こす組織を目指すには、どのようなツールを選び、活用したら良いかについて解説します。

 新規事業・新商品を生み出す技術戦略の連載では「今こそイノベーションを起こせ!」、「研究開発組織がボトムアップ革新的商品を開発しよう!」と様々なアプローチを解説しています。しかしながら何も準備をしていなければ、単なる掛け声で終わってしまうことが大半です。

 新規事業・新商品を生み出す技術戦略にはノウハウやフレームワークを学ぶだけではなく、組織・人材育成が欠かせません。

 みなさんはタイトルのOKRという目標設定・評価方法をご存知でしょうか。

 

 OKRはGoogleやFacebookといったシリコンバレーをはじめ、日本でもメルカリやChatWorkといった企業で採用され、OKRを取り扱ったビジネス書も多く出版されている目標設定の方法です。OKRはObjective and Key Resultの略語であり、ぞれぞれ目標と目標達成ための主要な成果を意味します。 

 

 OKRを解説する上で、よく比較する目標設定方法として、みなさんの会社の人事評価などで活用されるMBO、業績や研究開発テーマ達成度といった直近の管理指標として使われるKPIがあります。これらとOKRの大きな違いは、OKRは成果よりも『過程に重きを置く、失敗を許容する』ことです。

  • 目標:組織や人の成長につながる、わくわくする内容とする。表現は定性的にする。
  • 主要成果:定量的な表現をする。60%~70%の成功率となる目標とする。

 

 例えば、以下のような設定が考えられます。

  • O: 目標 2025年までに世界最高の医薬品会社となる
  • KR:主要成果 3ケ月以内に海外売り上げ、プラス100億円を達成する。半年後までに海外の営業拠点を50か所、開設する

 受験など100%達成を目指すことが当たり前の人にとって、達成率60~70%となる目標を設定することは、正直言って怖いでしょう。しかしOKRは、あえて今の組織・自分の限界を超えるための活動に挑戦する機会を与えてくれるものです。

 OKRの仕組みは、企業として挑戦する風土を獲得すること、つまりイノベーティブ組織・人材を育成する効果が狙えます。

 新規事業を初めて担当する、もしくは慣れていない組織や人においては、OKRを活用し、挑戦すること=失敗を恐れない活動に慣れてもらうことから始めましょう。具体的には、マネージャークラスが経営目標から組織目標へと、つながりとともに定義、説明した上で、1on1と呼ばれる上司...

技術マネジメント

 

◆ OKRを活用した組織力アップ

 今回は、イノベーションを起こす組織を目指すには、どのようなツールを選び、活用したら良いかについて解説します。

 新規事業・新商品を生み出す技術戦略の連載では「今こそイノベーションを起こせ!」、「研究開発組織がボトムアップ革新的商品を開発しよう!」と様々なアプローチを解説しています。しかしながら何も準備をしていなければ、単なる掛け声で終わってしまうことが大半です。

 新規事業・新商品を生み出す技術戦略にはノウハウやフレームワークを学ぶだけではなく、組織・人材育成が欠かせません。

 みなさんはタイトルのOKRという目標設定・評価方法をご存知でしょうか。

 

 OKRはGoogleやFacebookといったシリコンバレーをはじめ、日本でもメルカリやChatWorkといった企業で採用され、OKRを取り扱ったビジネス書も多く出版されている目標設定の方法です。OKRはObjective and Key Resultの略語であり、ぞれぞれ目標と目標達成ための主要な成果を意味します。 

 

 OKRを解説する上で、よく比較する目標設定方法として、みなさんの会社の人事評価などで活用されるMBO、業績や研究開発テーマ達成度といった直近の管理指標として使われるKPIがあります。これらとOKRの大きな違いは、OKRは成果よりも『過程に重きを置く、失敗を許容する』ことです。

  • 目標:組織や人の成長につながる、わくわくする内容とする。表現は定性的にする。
  • 主要成果:定量的な表現をする。60%~70%の成功率となる目標とする。

 

 例えば、以下のような設定が考えられます。

  • O: 目標 2025年までに世界最高の医薬品会社となる
  • KR:主要成果 3ケ月以内に海外売り上げ、プラス100億円を達成する。半年後までに海外の営業拠点を50か所、開設する

 受験など100%達成を目指すことが当たり前の人にとって、達成率60~70%となる目標を設定することは、正直言って怖いでしょう。しかしOKRは、あえて今の組織・自分の限界を超えるための活動に挑戦する機会を与えてくれるものです。

 OKRの仕組みは、企業として挑戦する風土を獲得すること、つまりイノベーティブ組織・人材を育成する効果が狙えます。

 新規事業を初めて担当する、もしくは慣れていない組織や人においては、OKRを活用し、挑戦すること=失敗を恐れない活動に慣れてもらうことから始めましょう。具体的には、マネージャークラスが経営目標から組織目標へと、つながりとともに定義、説明した上で、1on1と呼ばれる上司と部下が一対一の面談形式でそれぞれの目標や進捗確認、フォロー、アシストする活動を行います。 

 1on1は一週間に一度程度は実施するものですが、はじめは上手くコミュニケーションをとることができないかもしれません。しかし一対一のコミュニケーションを継続的に行うことで、部下が現状を超えるための挑戦ができるようになり、やがて新たな顧客価値を創出する組織として進化する一助となるはずです。

 今回は「組織力アップとしてイノベーションを起こすためには、目標設定にOKRを活用する」ことについて解説しました。

   続きを読むには・・・


この記事の著者

川崎 響子

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。

革新的なテクノロジー事業を最速&確実に量産まで立ち上げます。 世界No.1商品を創る企業を世の中に送り出し続けることが私の使命です。


「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
どう強みを未来志向で設定するのか 普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その48)

        今回は、前回から引き続き「どう強みを未来志向で設定するのか」を解説します。前回は「将来に向か...

        今回は、前回から引き続き「どう強みを未来志向で設定するのか」を解説します。前回は「将来に向か...


設計機能 【連載記事紹介】

  設計機能の連載記事が無料でお読みいただけます!   ◆機能の定義 TRIZでアイデアを出したり、VEでコストダウンをし...

  設計機能の連載記事が無料でお読みいただけます!   ◆機能の定義 TRIZでアイデアを出したり、VEでコストダウンをし...


『価値づくり』の研究開発マネジメント (その2)

    前回は、「研究開発の生産性を上げるには、非生産的な活動を行う」という、刺激的なテーマで議論をしましたが、それではどのような「非生...

    前回は、「研究開発の生産性を上げるには、非生産的な活動を行う」という、刺激的なテーマで議論をしましたが、それではどのような「非生...


「技術マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
サブシステムの開発目標 プロジェクト管理の仕組み (その42)

 前回のその41に続いて解説します。    下図は、改めて操作管理サブシステムだけを抽出したものです。   図78. 操作...

 前回のその41に続いて解説します。    下図は、改めて操作管理サブシステムだけを抽出したものです。   図78. 操作...


設計部門と組織政治の影響(その1)

 これまで数回にわたって、設計部門における仕組み構築の考え方や手順を解説してきました。仕組み構築のためのシステム化計画作成は、頂上を目指す登山ルートを設計...

 これまで数回にわたって、設計部門における仕組み構築の考え方や手順を解説してきました。仕組み構築のためのシステム化計画作成は、頂上を目指す登山ルートを設計...


仕組み見直しとグローバル化(その2)

◆「気づき」能力向上のカギは製品開発経験の活用    前回のその1に続いて解説します。「気づき」能力は、擦り合わせ型開発を行う上で技術者が備...

◆「気づき」能力向上のカギは製品開発経験の活用    前回のその1に続いて解説します。「気づき」能力は、擦り合わせ型開発を行う上で技術者が備...