めっき(メッキ)とは:金属材料基礎講座(その76)

更新日

投稿日

めっき

 

◆ めっきの材料と下地金属

 めっきとは、金属表面に別の金属材料の皮膜を形成することです。めっきを行う目的は、防食の他にも装飾や耐摩耗性向上などの理由もあります。

 めっきの材料として亜鉛、アルミニウム、スズ、ニッケル、クロムなどがあります。それぞれのめっき材料としての特徴を表1に示します。めっきの製膜方法として溶融めっき、電気めっき、無電解めっきなどの方法があります。鉄によく使用されるめっきとしては溶融亜鉛めっきがあります。

表1. めっき材料としての特徴

めっき

 

 防食としてのめっきは、下地金属である鉄との電位差が重要になります。めっきがはがれて下地が露出した時、亜鉛のように鉄よりも卑な金属がめっきされている時は、めっき部分が腐食される犠牲防食の効果があります。一方、ニッケルのように、鉄よりも貴な金属がめっきされている時は、露出した時に下地金属が腐食されます。その様子を図1に示します。めっ...

めっき

 

◆ めっきの材料と下地金属

 めっきとは、金属表面に別の金属材料の皮膜を形成することです。めっきを行う目的は、防食の他にも装飾や耐摩耗性向上などの理由もあります。

 めっきの材料として亜鉛、アルミニウム、スズ、ニッケル、クロムなどがあります。それぞれのめっき材料としての特徴を表1に示します。めっきの製膜方法として溶融めっき、電気めっき、無電解めっきなどの方法があります。鉄によく使用されるめっきとしては溶融亜鉛めっきがあります。

表1. めっき材料としての特徴

めっき

 

 防食としてのめっきは、下地金属である鉄との電位差が重要になります。めっきがはがれて下地が露出した時、亜鉛のように鉄よりも卑な金属がめっきされている時は、めっき部分が腐食される犠牲防食の効果があります。一方、ニッケルのように、鉄よりも貴な金属がめっきされている時は、露出した時に下地金属が腐食されます。その様子を図1に示します。めっきの密着性は製膜条件以外にも、下地金属の表面状態や洗浄も非常に重要です。

めっき

図1. めっきと下地金属との電位の関係

 

 次回に続きます。

◆【関連解説:金属・無機材料技術】

   続きを読むには・・・


この記事の著者

福﨑 昌宏

金属組織の分析屋 金属材料の疲労破壊や腐食など不具合を解決します。

金属組織の分析屋 金属材料の疲労破壊や腐食など不具合を解決します。


「金属・無機材料技術」の他のキーワード解説記事

もっと見る
JIS G4053 機械構造用合金鋼鋼材 SNC:金属材料基礎講座(その109)

       機械構造用合金鋼鋼材のニッケルクロム鋼の化学成分を表1に示します。ニッケルとクロムはそれぞれ鋼...

       機械構造用合金鋼鋼材のニッケルクロム鋼の化学成分を表1に示します。ニッケルとクロムはそれぞれ鋼...


腐食とは?腐食の概要と錆との関係を解説

  腐食とは、金属の破損・不具合の原因の1つです。腐食は大気中の酸素や水分、また各種化学物質などによって電気化学的に発生し、金属の薄肉化や...

  腐食とは、金属の破損・不具合の原因の1つです。腐食は大気中の酸素や水分、また各種化学物質などによって電気化学的に発生し、金属の薄肉化や...


高張力鋼 (ハイテン)とTRIP鋼:金属材料基礎講座(その100)

  【目次】 1. 高張力鋼 (ハイテン) 高張力鋼は英語でHigh Tensile Strength Steelと呼...

  【目次】 1. 高張力鋼 (ハイテン) 高張力鋼は英語でHigh Tensile Strength Steelと呼...


「金属・無機材料技術」の活用事例

もっと見る
ゾルゲル法による反射防止コートの開発と生産

 15年前に勤務していた自動車用部品の製造会社で、ゾルゲル法による反射防止コートを樹脂基板上に製造する業務の設計責任者をしていました。ゾルゲル法というのは...

 15年前に勤務していた自動車用部品の製造会社で、ゾルゲル法による反射防止コートを樹脂基板上に製造する業務の設計責任者をしていました。ゾルゲル法というのは...


金代替めっき接点の開発事例 (コネクター用貴金属めっき)

 私は約20年前に自動車用コネクターメーカーで、接点材料の研究開発を担当していました。当時の接点は錫めっきが主流でした。一方、ECU(エンジンコントロール...

 私は約20年前に自動車用コネクターメーカーで、接点材料の研究開発を担当していました。当時の接点は錫めっきが主流でした。一方、ECU(エンジンコントロール...