転位とすべり運動 金属材料基礎講座(その6)

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◆ 転位とすべり運動

金属材料の塑性変形はすべり面上をその上の金属原子面がすべり方向に動くことによって起こります。

しかし、現実的にあるすべり面上の金属原子が全て同時に移動しているわけではありません。実際は、すべり面上に存在する転位が1原子間隔ずつ段階的に...

 

◆ 転位とすべり運動

金属材料の塑性変形はすべり面上をその上の金属原子面がすべり方向に動くことによって起こります。

しかし、現実的にあるすべり面上の金属原子が全て同時に移動しているわけではありません。実際は、すべり面上に存在する転位が1原子間隔ずつ段階的に動いているのです。

金属材料

図1. 転位のすべり運動

金属材料

図2. 転位のすべり変形

そのため、原子を動かす応力(せん断応力)は一原子間隔程度で済むのです。

この転位の移動はすべり系のすべり面とすべり方向に従って移動します。これを図1に模式的に示しました。転位が動くと、金属原子も一つずつずれますが、ずれた先で再び結晶格子がつながり元の状態と同じになります。

この転位のすべり運動が進行すると最終的には材料表面に到達します。材料表面に転位が達すると、図2のように表面の段差が生じます。これを多くの転位が動くことで曲げや圧延などの実際の金属加工が行われているのです。

 次回に続きます。

◆【関連解説:金属・無機材料技術】

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この記事の著者

福﨑 昌宏

金属組織の分析屋 金属材料の疲労破壊や腐食など不具合を解決します。

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