MD解析法による適材適所配属(3) 【快年童子の豆鉄砲】(その95)

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ポールスター

 

前回の【快年童子の豆鉄砲】(その94)MD解析法による適材適所配属(2)に続けて解説します。

 

2.適材適所配属のためのMD解析法の使い方

4)事例1解決のためのMD解析法のステップ展開(続き)

Step 5 : データの基準化

対象が複雑な場合、入手データの単位が特性により異なるケースが殆どですので、データを基準化(データから平均値を引いたものを標準偏差で割った値:Z値)すれば、特性ごとに、平均値“0”、分散“1”となり、単位の影響を避けるためのステップです。

 

この事例のベースになる入力データを表77-1に、それを基準化したデータを表77-2に表示します。

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 表77-1 N及び(N-1)年度新入社員個別データ

 MD

(注1)①~⑨は労働省(当時)編 職業適性検査結果、⑩は工場の筆記試験結果

(注2)No.1~20がN年度、No.21~39が(N-1)年度

 

 表77-2  N及び(N-1)年度新入社員基準化個別データ

MD

(注) 1.5以上はイタリック文字、2.0以上は太字 

 

特性値の単位が同一で、特性の平均値や分散の大きさそのものの情報が結論に必要な場合、たとえば、民族間の顔の特徴を掴もうとして、各民族の顔の縦横の長さ、額の長さ、鼻の長さと高さ、口の長さ、などをcm単位で計測したマトリックス・データの場合は、基準化しないで解析することになります。

 

Step 6 : 相関係数行列を作成する

このステップは、主成分分析の定義にある「測定された多変数の相互関連を分析」に当たります。この「相関係数行列」とは、上述の「相互関連」を「相関係数」という形で捉え、行列形式にしたもので、相関行列ともいわれます。

 

この事例の「相関係数行列」を、表77-3に示しますが、同じ特性間の相関係数“1”が対角線上に並び、その両側の値はまったく対称となりますので、下表のように、片側だけを表示するのが普通です。

 

一般的に、相関係数が“0.5”を超えると相関あり、“0.7”を超えると強い相関ありとされており、それぞれ数字の色やタイプを変えて見やすくしているソフトが普通で、この事例の場合、0.5以上はイタリック文字、0.7以上は、太字にしてあります。

 

表77-3 相関係数行列

MD

 

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余談になりますが、MD解析法に思い至る前、10項目を、知覚能(知能、言語、数理、書記、空間、形態、テスト)と運動能(運動、指先、手腕)の2つに分けてそれぞれの合計を総合特性として、組み立て係配属12人を2次元座標軸に配したところ、問題の3人のみが第3象限にプロットされましたので「組立係への新入社員配属基準」としての採用を前提に、残りの9人を散布図上でつぶさに調べたところ、実情とはかけ離れていたので、この基準は採用に至りませんで...

ポールスター

 

前回の【快年童子の豆鉄砲】(その94)MD解析法による適材適所配属(2)に続けて解説します。

 

2.適材適所配属のためのMD解析法の使い方

4)事例1解決のためのMD解析法のステップ展開(続き)

Step 5 : データの基準化

対象が複雑な場合、入手データの単位が特性により異なるケースが殆どですので、データを基準化(データから平均値を引いたものを標準偏差で割った値:Z値)すれば、特性ごとに、平均値“0”、分散“1”となり、単位の影響を避けるためのステップです。

 

この事例のベースになる入力データを表77-1に、それを基準化したデータを表77-2に表示します。

◆【特集】 連載記事紹介:連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

 

 表77-1 N及び(N-1)年度新入社員個別データ

 MD

(注1)①~⑨は労働省(当時)編 職業適性検査結果、⑩は工場の筆記試験結果

(注2)No.1~20がN年度、No.21~39が(N-1)年度

 

 表77-2  N及び(N-1)年度新入社員基準化個別データ

MD

(注) 1.5以上はイタリック文字、2.0以上は太字 

 

特性値の単位が同一で、特性の平均値や分散の大きさそのものの情報が結論に必要な場合、たとえば、民族間の顔の特徴を掴もうとして、各民族の顔の縦横の長さ、額の長さ、鼻の長さと高さ、口の長さ、などをcm単位で計測したマトリックス・データの場合は、基準化しないで解析することになります。

 

Step 6 : 相関係数行列を作成する

このステップは、主成分分析の定義にある「測定された多変数の相互関連を分析」に当たります。この「相関係数行列」とは、上述の「相互関連」を「相関係数」という形で捉え、行列形式にしたもので、相関行列ともいわれます。

 

この事例の「相関係数行列」を、表77-3に示しますが、同じ特性間の相関係数“1”が対角線上に並び、その両側の値はまったく対称となりますので、下表のように、片側だけを表示するのが普通です。

 

一般的に、相関係数が“0.5”を超えると相関あり、“0.7”を超えると強い相関ありとされており、それぞれ数字の色やタイプを変えて見やすくしているソフトが普通で、この事例の場合、0.5以上はイタリック文字、0.7以上は、太字にしてあります。

 

表77-3 相関係数行列

MD

 

・・・・・・・・・・・・

余談になりますが、MD解析法に思い至る前、10項目を、知覚能(知能、言語、数理、書記、空間、形態、テスト)と運動能(運動、指先、手腕)の2つに分けてそれぞれの合計を総合特性として、組み立て係配属12人を2次元座標軸に配したところ、問題の3人のみが第3象限にプロットされましたので「組立係への新入社員配属基準」としての採用を前提に、残りの9人を散布図上でつぶさに調べたところ、実情とはかけ離れていたので、この基準は採用に至りませんでした。これは、上表で分かる通り、知覚能の7変数と運動能の3変数との間にはかなりの相関関係があるものも存在するのに、それを無視して、単純に2つに分けて新特性としたことが原因で、生兵法の危険性を再認識できた失敗例として参考にして頂ければと思います。

 

次回に続きます。

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この記事の著者

浅田 潔

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。

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