後継者問題の解決策 【快年童子の豆鉄砲】(その89)

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1.後継者の事業継承に対する不安

今回は、表2-1にある「喫緊の課題」の7番目「後継者がいない」の発生要因「後継者の事業継承に対する不安」に対する解決手段についてご説明致します。

表2-1 中小企業が抱える喫緊の課題12と課題発生要因17に対する解決策の概要

事業戦略

 

一介の企業人OBが語るのはおこがましいのですが、現役時代、ご協力願った中小企業の経営者の方々から伺った後継者の事業継承に対する不安に対して、後継者が、子供、部下、社外の人の場合それぞれについて、筆者なりに考えた結論をご紹介いたしますので参考にして頂ければと思います。

 

【この連載の前回:【快年童子の豆鉄砲】(その88)へのリンク】

【連載記事】・新QC七つ道具 連関図法の使い方

【連載記事】・新QC七つ道具 親和図法の使い方

◆【特集】 連載記事紹介:連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

 

2.子供(含む娘婿)の場合

たとえ小規模であっても、一企業のトップ、社長の地位は魅力的であるはずで、当然のように継承を考えるものではないかと思いますが、もし、継承を拒否するとしたら、自分自身の将来像を明確に持っているための場合を除くと、社長になった時の色々な不安が原因ではないかと思います。

 

このこと自体は、継承を真面目に考えている証拠ですので、その不安を前向きな形で解消できれば、良い後継者になり得ると思いますので、予想される不安に対する解決策を以下に提案させて頂きますので、参考にして頂ければと思います。

 

1)経営と言うものがよく分からないという不安の解消策

これは、大部分の経営者自身がよく分からないのではないかとの思いから、喫緊の課題のトップに挙げて説明しましたので、先ず、ご自身が自社の理念経営体系を作成され、それをもってご説明されれば、この点の不安は解消されると思います。

 

2)継承する会社の強みが何かが分からないと言う不安解消策

この件は、喫緊の課題の二番目「自社の強みを生かせない」に対する解決策として「自社の真の強み把握」を挙げて、説明していますので、その内容に従って求めた「自社の真の強み」を理解することによってこの不安は解消されると思います。

 

問題は、上記要領で「自社の真の強み」を把握するには、連関図法と親和図法の使い方をマスターすることと、大変な時間と精力を要しますので、筆者の経験から判断して、一般的な中小企業の従業員では、無理ではないかと思われます。

 

そこで、計画している「言語データ解析七つ道具講習会」は、実務に関わるテーマを使って各手法をマスターする形を考えていますので、恐らくまだ学生さんだと思われる子供さんに参加して頂き、社員から採取した言語データを使って「自社の真の強み」を把握してもらうのがいいと思います。

 

そうすれば、言語データの吟味解析を通じて、会社の実情を把握できますし、把握できた「自社の真の強み」は、社員の琴線に触れる膝を打つ内容になりますので、社員の方たち自身の自信につながるとともに、子供さんに対する絶大な信頼が生じると思います。

 

子供さんも、そのことは肌で感じるでしょうし、社員から採取した言語データの解析を通じて、会社の実状を、ポジティブな側面から把握できますので、この不安については、解消はもとより、後継者としての意識・自覚が高まるものと思います。

 

3)継承する会社の将来性に対する不安解消

この不安は、理念経営基本体系の「挑戦管理エリア:ブルーオーシャン戦略」に関わるものですので、最大のテーマ「市場創造型商品開発」に、社員から採取した言語データを「夢商品開発七つ道具」の一つ「プロシューマー・アンケート法」により解析して、自分たち自身のアイデアによる「市場創造型商品開発テ-マ」を手に入れることが出来れば、この不安の解消につながると共に、それに挑戦したいという気持ちが生まれ、後継者問題の解消にもつながるのではないかと思います。

 

以上ですが、対象外とした「自分自身の将来像を明確に持っている」子供さんの場合も、その将来像に対してとやかく言うのではなく、どんな仕事をするにも必要な手法だからとして、同様の取り組みを薦めれば、かなりの確率で後継者希望につながるのではないかと思いますので、検討して頂ければと思います。

 

3.部下の場合

子供さんがおられないか、継承が見込めない場合で、これはと言う部下がおられる場合の話です。

 

この場合は、理念経営基本体系の設計に一緒に挑戦することにより、経営に対する基本的な考え、即ち、経営理念の共有とともに、その経営理念の具現手段を “社員満足(ES)” “社会満足(SS)” “顧客満足(CS)” それぞれの側面から設計する過程で、企業経営の根幹を伝承・共有することが出来ますので、安心して後を任せることが出来ると思います。

 

後は、子...

 
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1.後継者の事業継承に対する不安

今回は、表2-1にある「喫緊の課題」の7番目「後継者がいない」の発生要因「後継者の事業継承に対する不安」に対する解決手段についてご説明致します。

表2-1 中小企業が抱える喫緊の課題12と課題発生要因17に対する解決策の概要

事業戦略

 

一介の企業人OBが語るのはおこがましいのですが、現役時代、ご協力願った中小企業の経営者の方々から伺った後継者の事業継承に対する不安に対して、後継者が、子供、部下、社外の人の場合それぞれについて、筆者なりに考えた結論をご紹介いたしますので参考にして頂ければと思います。

 

【この連載の前回:【快年童子の豆鉄砲】(その88)へのリンク】

【連載記事】・新QC七つ道具 連関図法の使い方

【連載記事】・新QC七つ道具 親和図法の使い方

◆【特集】 連載記事紹介:連載記事のタイトルをまとめて紹介、各タイトルから詳細解説に直リンク!!

 

2.子供(含む娘婿)の場合

たとえ小規模であっても、一企業のトップ、社長の地位は魅力的であるはずで、当然のように継承を考えるものではないかと思いますが、もし、継承を拒否するとしたら、自分自身の将来像を明確に持っているための場合を除くと、社長になった時の色々な不安が原因ではないかと思います。

 

このこと自体は、継承を真面目に考えている証拠ですので、その不安を前向きな形で解消できれば、良い後継者になり得ると思いますので、予想される不安に対する解決策を以下に提案させて頂きますので、参考にして頂ければと思います。

 

1)経営と言うものがよく分からないという不安の解消策

これは、大部分の経営者自身がよく分からないのではないかとの思いから、喫緊の課題のトップに挙げて説明しましたので、先ず、ご自身が自社の理念経営体系を作成され、それをもってご説明されれば、この点の不安は解消されると思います。

 

2)継承する会社の強みが何かが分からないと言う不安解消策

この件は、喫緊の課題の二番目「自社の強みを生かせない」に対する解決策として「自社の真の強み把握」を挙げて、説明していますので、その内容に従って求めた「自社の真の強み」を理解することによってこの不安は解消されると思います。

 

問題は、上記要領で「自社の真の強み」を把握するには、連関図法と親和図法の使い方をマスターすることと、大変な時間と精力を要しますので、筆者の経験から判断して、一般的な中小企業の従業員では、無理ではないかと思われます。

 

そこで、計画している「言語データ解析七つ道具講習会」は、実務に関わるテーマを使って各手法をマスターする形を考えていますので、恐らくまだ学生さんだと思われる子供さんに参加して頂き、社員から採取した言語データを使って「自社の真の強み」を把握してもらうのがいいと思います。

 

そうすれば、言語データの吟味解析を通じて、会社の実情を把握できますし、把握できた「自社の真の強み」は、社員の琴線に触れる膝を打つ内容になりますので、社員の方たち自身の自信につながるとともに、子供さんに対する絶大な信頼が生じると思います。

 

子供さんも、そのことは肌で感じるでしょうし、社員から採取した言語データの解析を通じて、会社の実状を、ポジティブな側面から把握できますので、この不安については、解消はもとより、後継者としての意識・自覚が高まるものと思います。

 

3)継承する会社の将来性に対する不安解消

この不安は、理念経営基本体系の「挑戦管理エリア:ブルーオーシャン戦略」に関わるものですので、最大のテーマ「市場創造型商品開発」に、社員から採取した言語データを「夢商品開発七つ道具」の一つ「プロシューマー・アンケート法」により解析して、自分たち自身のアイデアによる「市場創造型商品開発テ-マ」を手に入れることが出来れば、この不安の解消につながると共に、それに挑戦したいという気持ちが生まれ、後継者問題の解消にもつながるのではないかと思います。

 

以上ですが、対象外とした「自分自身の将来像を明確に持っている」子供さんの場合も、その将来像に対してとやかく言うのではなく、どんな仕事をするにも必要な手法だからとして、同様の取り組みを薦めれば、かなりの確率で後継者希望につながるのではないかと思いますので、検討して頂ければと思います。

 

3.部下の場合

子供さんがおられないか、継承が見込めない場合で、これはと言う部下がおられる場合の話です。

 

この場合は、理念経営基本体系の設計に一緒に挑戦することにより、経営に対する基本的な考え、即ち、経営理念の共有とともに、その経営理念の具現手段を “社員満足(ES)” “社会満足(SS)” “顧客満足(CS)” それぞれの側面から設計する過程で、企業経営の根幹を伝承・共有することが出来ますので、安心して後を任せることが出来ると思います。

 

後は、子供さんの場合と同じことに挑戦してもらうことにより、社員の方たちからの絶大な信頼をもとに経営を進めることが出来るようになると思います。

 

4.社外の人間の場合

中小企業の場合、創業者の思い、即ち、経営理念の堅持・遂行が一番大切で、そのためには、少々の減益は厭わないと言うことではないかと思います。ところが、社外の人が経営を引き受けるとなると、一番大切なのは、就任後の業績になりますので、上述の経営理念と相いれないことが出てきますので相応しくありません。従って、社外の人は、後継者(子供さん又は部下)の足らないところを補うコンサルタントとしての関わり方にするべきだと思います。

 

5.後継者問題の解決

後継者問題は、いろいろな要因があると思いますが、以上を実施されれば、後継者問題の基本的なところは解決されると思いますので、参考にして頂ければと思います。

 

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この記事の著者

浅田 潔

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。


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