前回の【快年童子の豆鉄砲】(その117)QCサークル活動スパイラルアップ戦略(4)からの続きです。
1. 小集団活動活性化連関図
いよいよ本題である「QCサークル活動スパイラルアップ戦略」の説明に入るわけですが、最初は、この戦略立案の起点になった連関図「何故小集団活動が上手く行ったのか?」のご説明です。
普通なら、連関図法は、テーマをネガティブに「何故小集団活動が上手く行かないのか?」にするのですが、多くの経験から、QCサークル活動の場合、うまく行く理由は共通していますが、ダメな理由は、それぞれの特殊事情によるところが多く、そのサークル特有のもので、一般的に共通する戦略立案には適さないので、共通性の高いポジティブなテーマ「何故小集団活動が上手く行ったのか?」にしましたのでご了解願います。
先ずやったことは、現役時代のQCサークル活動の成功体験に思いを馳せ「何故上手く行ったのか?」と自問したところ、14の主要因を示す言語データを手に入れることが出来ましたのでこれらを連関図法で解析してみたところ、意外だったのは、連関図の場合普通は最終的にテーマへ矢線が入る決定的言語データが存在するのですが、このケースの場合、14の言語データをぐるぐる回る幾重ものループの存在が結論になったことです。
しかも、経験からしますと、上記14のどの言語データが欠けても小集団活動の活性化は望めず、一見堂々巡りに見える幾重ものループにもレベルの差が感じられたのです。
そこで、各ループのレベルの差に着眼して整理したところ、各ループは ① の成果を得るためのプロセスを示しており、 ① にたどり着いたら、より質の高い成果(①)を求めて次なるよりレベルの高いループを回すという「スパイラルアップルート」が見えてきましたので、整理したところ、3つのループが見られましたので、それに、職制として実施してきたことを、どのステップの何処に対して効果的だったか、また、逆効果だったのかを反省しつつ、今ベストと考えられる4つの支援策と実施のタイミングを整理して追加して出来上がったのが図100‐1です。
図100-1 連関図「何故小集団活動が上手く行ったのか?」と職制の支援策とタイミング
ループの順番は、矢印の太さで示してあります。この図を見ながら、過去のQCサークル活動のことを振り返ってみて、強く感じるのは、最終的に、期待するようなQCサークル活動を目指す導入の場合、職制にかかる始動時のイナーシャが極めて大きいということです。大きいというのは、時間や大変さもさることながら、活動の質、即ち、それぞれの活動が、将来の活動を念頭に置...