OJCCとは(3)総合力の育成 【快年童子の豆鉄砲】(その103)

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 人的資源マネジメント
 

 

1. 企業が社員に求める能力10項目の最初、総合力

育成ステップ説明の最初は、表84-1 企業が社員に求める能力10項目の最初「総合力」で、表85-1を見てもらえばわかりますが、管理職としての能力です。

 

表84-1 企業が社員に求める能力10項目

人的資源マネジメント

 

従って、この項目の育成担当は課長職以上になるのですが、実際の育成実務は人数的に不可能ですので、上手に相談に乗る形で間接的に育成に関わる形になります。その際、管理職候補の目星が付いた場合、(注6)以降は、係長と相談の上、直接育成することになります。これ以外の9項目の育成時、育成者をガイドする際に活用することになります。

 

2.「総合力(A)」の育成ステップ

表85-1 「総合力(A)」の育成ステップ例

人的資源マネジメント

 

(注1)この項目が難しいのは、人は、任されたと感じたとき、即ち、自分のミスが最終的ミスにつながると感じたとき本来の持てる力を発揮するものなので、このステップをクリアできたかどうかの判断は、一度本人に“任されたと自覚できる状態”を作った上で任せて判断する必要があります。それがないと、本人の力を見誤る危険があるので要注意です。

(注2)ここでいう“グループ”は係と同義なのですが、係としなかったのは、係とした場合範囲が広すぎる場合もありなすので、ある程度範囲を絞った“グループ”の業務を任せて判断する場合を想定してのことです。

(注3)係長が長期出張する場合、課長が係長業務を代行するのが一般的ですが、このステップを念頭に、あるグループに限って係長業務を代行させてみて、このステップのクリアを判断します。一般的にも行われていることですが、育成者がこの育成ステップを念頭に置いて任せることで全く違った意味と成果を得ることが出来る点が大きく違います。

(注4)課長の指示により、係長自身が、このステップを念頭に、あるグループに限って係長業務を代行させてみて、このステップのクリアを判断します。このステップで確認すべき最重要課題は、あるプロジェクトの計画段階からのリーダーシップですので、任せるタイミングは、そのグループが、新しいプロジェクトテーマに挑戦する時で、計画立案の最初から任せるという形になります。ただ、プロジェクトには必達目標がありますので、係長のバックアップが必須なんですが、どこまで、どのように関わるかが難しく、このステップを通じて、係長自身の成長が期待できるステップです。

(注5)このステップで確認すべき課題は、係長業務における、部下や仕事の進み具合に対する目配り力のチェックですので、その点を配慮した“一部”の選択が重要です。

(注6)このステップは、係長としての総合力の評価が課題ですので、長期出張や、課の特別課題を担当させるなどして、係長不在状況を作って係長業務を任せることになります。係長自身は手の下しようのない状況ですので、部下や仕事の進み具合に対する目配り力のチェックですので、その点を配慮した“一部”の選択が重要です。

(注7)ステップ7までで係長として必要な素養を有していることが確認済ですが、係長任命により発生する責任の受け止め方や、部下の受け止め方などがこのステップにおけるポイントになりますので、課長によるその点に対するチェック・サポートが必須となります。ただ、ステップ7迄で、チェックと育成がなされていますので、かなりの安心感をもっての確認作業になるところがOJCCの狙う所と言えます。

(注8)係長は、担当職場の安定維持能力があればいいですが、次のステップ、即ち、課長の場合、突発事態への的確な対応力と会社存続にかかわる課題におけるイノベーション的改善能力が求められます。その点に関する育成ステップの最初がこのステップで、育成のポイントは、通常以外業務が発生した場合の対応能力に加えて、部下を含めた時間的な融通能力と言うことになりますので、その点の育成を念頭に置いた指示内容と育成が必要です。

(注9)このステップにおける育成課題は、職場の問題点の摘出能力と、改善能力になります。従って、ステップ内容説明にあります「指示されなくても」と言う域に達する前の、それとない誘導がポイントです。

(注10)このステップにおける育成課題は、係長業務を見る視点のレベルアップ、即ち、課長の視点で見る姿勢の養成です。その場合、他の係との協力関係の構築を考える場合、課全体の効率アップに寄与するのであれば、自職場の作業が増えることを厭わない姿勢の育成が理想です。

(注11)このステップにおける育成課題は、係長業務を見る視野の拡張とレベルアップ、即ち、他社から見た自社のあるべき姿の中での担当業務、と言った捉え方で見る姿勢の養成です。この場合は、社外が絡みますので、事前に打ち合わせをして内容を理解した状態での打ち合わせへの同席を通じての慎重な育成がポイントです。

(注12)このステップにおける育成課題は、“課全体のことを考えた” 部下の育成能力の養成です。具体的には、(注10)で説明した「課全体のためになるのであれば、自分の作業が増えることを厭わない」部下の育成になります。

(注13)このステップにおける育成課題は、ステップ11の内容を、他の係についても理解した上で統括できる能力の育成...

 
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1. 企業が社員に求める能力10項目の最初、総合力

育成ステップ説明の最初は、表84-1 企業が社員に求める能力10項目の最初「総合力」で、表85-1を見てもらえばわかりますが、管理職としての能力です。

 

表84-1 企業が社員に求める能力10項目

人的資源マネジメント

 

従って、この項目の育成担当は課長職以上になるのですが、実際の育成実務は人数的に不可能ですので、上手に相談に乗る形で間接的に育成に関わる形になります。その際、管理職候補の目星が付いた場合、(注6)以降は、係長と相談の上、直接育成することになります。これ以外の9項目の育成時、育成者をガイドする際に活用することになります。

 

2.「総合力(A)」の育成ステップ

表85-1 「総合力(A)」の育成ステップ例

人的資源マネジメント

 

(注1)この項目が難しいのは、人は、任されたと感じたとき、即ち、自分のミスが最終的ミスにつながると感じたとき本来の持てる力を発揮するものなので、このステップをクリアできたかどうかの判断は、一度本人に“任されたと自覚できる状態”を作った上で任せて判断する必要があります。それがないと、本人の力を見誤る危険があるので要注意です。

(注2)ここでいう“グループ”は係と同義なのですが、係としなかったのは、係とした場合範囲が広すぎる場合もありなすので、ある程度範囲を絞った“グループ”の業務を任せて判断する場合を想定してのことです。

(注3)係長が長期出張する場合、課長が係長業務を代行するのが一般的ですが、このステップを念頭に、あるグループに限って係長業務を代行させてみて、このステップのクリアを判断します。一般的にも行われていることですが、育成者がこの育成ステップを念頭に置いて任せることで全く違った意味と成果を得ることが出来る点が大きく違います。

(注4)課長の指示により、係長自身が、このステップを念頭に、あるグループに限って係長業務を代行させてみて、このステップのクリアを判断します。このステップで確認すべき最重要課題は、あるプロジェクトの計画段階からのリーダーシップですので、任せるタイミングは、そのグループが、新しいプロジェクトテーマに挑戦する時で、計画立案の最初から任せるという形になります。ただ、プロジェクトには必達目標がありますので、係長のバックアップが必須なんですが、どこまで、どのように関わるかが難しく、このステップを通じて、係長自身の成長が期待できるステップです。

(注5)このステップで確認すべき課題は、係長業務における、部下や仕事の進み具合に対する目配り力のチェックですので、その点を配慮した“一部”の選択が重要です。

(注6)このステップは、係長としての総合力の評価が課題ですので、長期出張や、課の特別課題を担当させるなどして、係長不在状況を作って係長業務を任せることになります。係長自身は手の下しようのない状況ですので、部下や仕事の進み具合に対する目配り力のチェックですので、その点を配慮した“一部”の選択が重要です。

(注7)ステップ7までで係長として必要な素養を有していることが確認済ですが、係長任命により発生する責任の受け止め方や、部下の受け止め方などがこのステップにおけるポイントになりますので、課長によるその点に対するチェック・サポートが必須となります。ただ、ステップ7迄で、チェックと育成がなされていますので、かなりの安心感をもっての確認作業になるところがOJCCの狙う所と言えます。

(注8)係長は、担当職場の安定維持能力があればいいですが、次のステップ、即ち、課長の場合、突発事態への的確な対応力と会社存続にかかわる課題におけるイノベーション的改善能力が求められます。その点に関する育成ステップの最初がこのステップで、育成のポイントは、通常以外業務が発生した場合の対応能力に加えて、部下を含めた時間的な融通能力と言うことになりますので、その点の育成を念頭に置いた指示内容と育成が必要です。

(注9)このステップにおける育成課題は、職場の問題点の摘出能力と、改善能力になります。従って、ステップ内容説明にあります「指示されなくても」と言う域に達する前の、それとない誘導がポイントです。

(注10)このステップにおける育成課題は、係長業務を見る視点のレベルアップ、即ち、課長の視点で見る姿勢の養成です。その場合、他の係との協力関係の構築を考える場合、課全体の効率アップに寄与するのであれば、自職場の作業が増えることを厭わない姿勢の育成が理想です。

(注11)このステップにおける育成課題は、係長業務を見る視野の拡張とレベルアップ、即ち、他社から見た自社のあるべき姿の中での担当業務、と言った捉え方で見る姿勢の養成です。この場合は、社外が絡みますので、事前に打ち合わせをして内容を理解した状態での打ち合わせへの同席を通じての慎重な育成がポイントです。

(注12)このステップにおける育成課題は、“課全体のことを考えた” 部下の育成能力の養成です。具体的には、(注10)で説明した「課全体のためになるのであれば、自分の作業が増えることを厭わない」部下の育成になります。

(注13)このステップにおける育成課題は、ステップ11の内容を、他の係についても理解した上で統括できる能力の育成ですが、ポイントは、他の係長が統括を受け入れるだけの信頼を得ることで、早まると取り返しがつかなくなるので、慎重な対処が必要です。

(注14)このステップまで来た係長は、社内的に、次期課長として認識されるようになるので、その認識に応えるための自覚と努力を育成することがポイントです。育成対象者が払うべき注意点は「あくまで係長であることを強く自覚して事に当たる」ことで、勇み足的行動はすべてをぶち壊す可能性があることを認識させる必要があります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この項目は、管理職育成ステップと言えますので、上記説明は、普遍的な視点でなされていますが、本来各企業の独自性、特異性が最も強く反映されるべき項目です。その点については、上記の普遍的なものを参考にして、各社独自のものを作成されるとよいと思います。

 

次回に続きます。

 

 

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この記事の著者

浅田 潔

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。


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