プロシューマー・アンケート法(2) 【快年童子の豆鉄砲】(その43)

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◆ プロシューマー・アンケート法(2)

1. カリスマの発想の源泉をカリスマなしで実現するには

過去の成功事例に見る、高い創造性を背景にした「市場創造型商品」のコンセプトは、カリスマと呼ばれる経営者やエンジニアの主導で実現しているのですが、そのようなカリスマの存在を望めない中小企業はどうすればそのような商品コンセプトを手に入れることが出来るのか、に対する回答が「プロシューマー・アンケート(PA)法」です。では、どのようにして手に入れようとしているのかを説明するために、図115-1を使って基本的な考えを示したのが下図、図116-1です。

【この連載の前回:【快年童子の豆鉄砲】(その42)へのリンク】

 

アイデア発想法

図116-1 カリスマの発想を手に入れる方法

 

ご覧のように、カリスマの発想の源泉は、□で囲った中身「カリスマの創造的独創的発想のベース(A)」と、二重の□で囲った「創造性を生む発想の視点(B)」の二つと言えます。先ず(A)ですが、内容的には成程と理解はできるのですが、その内容は、常人一人の頭の中に納まりきるものではありません。

 

そこで、従業員とその関係者の頭の中にあるものをアンケート方式で引き出して対抗しようというのが、後ほどご説明する「プロシューマー・アンケート」です。

 

もう一つの(B)ですが、これこそ、常人が束になっても太刀打ちできないカリスマの真骨頂といえるものと言うのが常識なのですが、実は「プロシューマー・アンケート」で手に入れた情報を言語データ化し、「親和図法」と「連関図法」を使って解析することによって、常人のグループが、手にすることが出来る経験をしているのです。

 

テーマは違いますが、既にご紹介している二つの事例でその感触を掴んで頂けたのではないかと思います。

 

一つは、(その25 ~26)でご紹介した「自社のコア・コンピタンスの把握事例」、今一つは、(その37)でご紹介した、クレームゼロ達成のために、クレーム率シングルPPMの背景にある「体質系不具合原因の把握事例」です。

 

ただ、それぞれ、どのように把握すればよいのかがポイントですので、その点について次項以降でご説明いたしますので、ご理解の参考にして頂ければと思います。

 

2.創造的発想のベース(A)を手に入れるための「プロシューマー・アンケート(PA)」とは

1)はじめに

カリスマの創造的独創的発想のベース(A)は、常人一人の頭の中に納まりきるものではないことは前述した通りなのですが、従業員一人一人の頭の中には、断片的ではあるのですが、図116-1におけるA1、A2,A3に関わる、情報、思い、知識が存在しますので、それらをアンケート方式で引き出し、情報量と内容で(A)に対抗しようというのが「プロシューマー・アンケート」で、具体的な内容を次項以降でご説明します。

 

2)アンケートの対象者

先ず、アンケートの対象者ですが、基本的に役員を含む全従業員です。

 

ただ、老若男女、人生経験、立場(職の有無、職種、学生など)など、できるだけ幅広い層をカバーすればするほど、採取データに深みが出て解析結果の質が高くなりますので、情報量を出来るだけ多く確保する意味も含めて、対象者に、従業員の家族や知人友人の参加が可能な形式が望ましいです。

 

もう一つ大切なのは、対象者としての従業員の意識の問題で、普通の問いかけだと、アンケートに対する発想が日常業務の範囲に限られがちですが、そんな従業員も、会社を一歩出れば、社会の一員、言葉を変えると、会社では“生産者(プロデューサー)”ですが、社会に出れば“消費者(コンシューマー)”、即ち、“プロシューマー”なわけで、アンケートに対する発想にそのような意識が加わることにより、入手情報の質が高くなることを期待しての命名「プロシューマー・アンケート」なわけです。

 

従って、アンケートの実施に際しては、プロシューマ―意識を高め、発想を、職場を離れた豊かなものに導く工夫をすることにより、対象者の質を高めることが出来ることを念頭に置いておかれるといいと思います。

 

3)「創造的発想のベース(A)」の内容の整理

PAが期待している(A)の内容を、A1、A2、A3別に整理すると次のようになります。

 

A1:対象分野を変え素人の立場で考える

→ プロシューマ―としての意識を持つことにより、頭の中にあるものの対象が広がり、それらを素人の発想で引き出すことが出来るという考えです。

 

A2:顧客の立場で考える、困っている人の立場で考える

→ 従業員の立場で発想を広げる身近な方法は、顧客の立場で考えることと、プ...

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◆ プロシューマー・アンケート法(2)

1. カリスマの発想の源泉をカリスマなしで実現するには

過去の成功事例に見る、高い創造性を背景にした「市場創造型商品」のコンセプトは、カリスマと呼ばれる経営者やエンジニアの主導で実現しているのですが、そのようなカリスマの存在を望めない中小企業はどうすればそのような商品コンセプトを手に入れることが出来るのか、に対する回答が「プロシューマー・アンケート(PA)法」です。では、どのようにして手に入れようとしているのかを説明するために、図115-1を使って基本的な考えを示したのが下図、図116-1です。

【この連載の前回:【快年童子の豆鉄砲】(その42)へのリンク】

 

アイデア発想法

図116-1 カリスマの発想を手に入れる方法

 

ご覧のように、カリスマの発想の源泉は、□で囲った中身「カリスマの創造的独創的発想のベース(A)」と、二重の□で囲った「創造性を生む発想の視点(B)」の二つと言えます。先ず(A)ですが、内容的には成程と理解はできるのですが、その内容は、常人一人の頭の中に納まりきるものではありません。

 

そこで、従業員とその関係者の頭の中にあるものをアンケート方式で引き出して対抗しようというのが、後ほどご説明する「プロシューマー・アンケート」です。

 

もう一つの(B)ですが、これこそ、常人が束になっても太刀打ちできないカリスマの真骨頂といえるものと言うのが常識なのですが、実は「プロシューマー・アンケート」で手に入れた情報を言語データ化し、「親和図法」と「連関図法」を使って解析することによって、常人のグループが、手にすることが出来る経験をしているのです。

 

テーマは違いますが、既にご紹介している二つの事例でその感触を掴んで頂けたのではないかと思います。

 

一つは、(その25 ~26)でご紹介した「自社のコア・コンピタンスの把握事例」、今一つは、(その37)でご紹介した、クレームゼロ達成のために、クレーム率シングルPPMの背景にある「体質系不具合原因の把握事例」です。

 

ただ、それぞれ、どのように把握すればよいのかがポイントですので、その点について次項以降でご説明いたしますので、ご理解の参考にして頂ければと思います。

 

2.創造的発想のベース(A)を手に入れるための「プロシューマー・アンケート(PA)」とは

1)はじめに

カリスマの創造的独創的発想のベース(A)は、常人一人の頭の中に納まりきるものではないことは前述した通りなのですが、従業員一人一人の頭の中には、断片的ではあるのですが、図116-1におけるA1、A2,A3に関わる、情報、思い、知識が存在しますので、それらをアンケート方式で引き出し、情報量と内容で(A)に対抗しようというのが「プロシューマー・アンケート」で、具体的な内容を次項以降でご説明します。

 

2)アンケートの対象者

先ず、アンケートの対象者ですが、基本的に役員を含む全従業員です。

 

ただ、老若男女、人生経験、立場(職の有無、職種、学生など)など、できるだけ幅広い層をカバーすればするほど、採取データに深みが出て解析結果の質が高くなりますので、情報量を出来るだけ多く確保する意味も含めて、対象者に、従業員の家族や知人友人の参加が可能な形式が望ましいです。

 

もう一つ大切なのは、対象者としての従業員の意識の問題で、普通の問いかけだと、アンケートに対する発想が日常業務の範囲に限られがちですが、そんな従業員も、会社を一歩出れば、社会の一員、言葉を変えると、会社では“生産者(プロデューサー)”ですが、社会に出れば“消費者(コンシューマー)”、即ち、“プロシューマー”なわけで、アンケートに対する発想にそのような意識が加わることにより、入手情報の質が高くなることを期待しての命名「プロシューマー・アンケート」なわけです。

 

従って、アンケートの実施に際しては、プロシューマ―意識を高め、発想を、職場を離れた豊かなものに導く工夫をすることにより、対象者の質を高めることが出来ることを念頭に置いておかれるといいと思います。

 

3)「創造的発想のベース(A)」の内容の整理

PAが期待している(A)の内容を、A1、A2、A3別に整理すると次のようになります。

 

A1:対象分野を変え素人の立場で考える

→ プロシューマ―としての意識を持つことにより、頭の中にあるものの対象が広がり、それらを素人の発想で引き出すことが出来るという考えです。

 

A2:顧客の立場で考える、困っている人の立場で考える

→ 従業員の立場で発想を広げる身近な方法は、顧客の立場で考えることと、プロシューマ―として困っていることを念頭に考えることです。

 

A3:ミクロに観察する(現場の訪問・顧客のクレーム)

→ 自社製品、世の中の諸製品を考えるとき、ミクロな視点で観察し、考えることにより、逆に視点ガ広がる(例えば、製造工程が視点に入ってくる)という考えで、可能であれば、現場を訪問したり、クレーム内容をミクロに見たりと言うことです。

 

以上を基に、カリスマの「創造的独創的発想のベース(A)」を手に入れるために、プロシューマー・アンケートはどのような問いかけをすればよいかについて、次弾でご説明します。

 

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この記事の著者

浅田 潔

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。

100年企業を目指す中小企業のため独自に開発した高効率な理念経営体系を柱に経営者と伴走します。


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