1.MPM導入ステップ
MPM導入ステップは次のような6ステップになっています。順次ご説明していきますが、コンセプトが一般的な設備管理・保全と著しく違いますので、できるだけ丁寧にご説明するつもりですが、もしご不明な点がありましたら、お気軽にご質問を投げかけて頂ければと思います。
- Step 1:現有設備の状態把握と分類
- Step 2:オペレーターの設備管理能力把握とクラス分け
- Step 3:オペレーターの設備管理能力と設備の状態とのマッチング
- Step 4:オペレーターの設備管理能力育成
- Step 5:MPMキックオフ
- Step 6:活動状況のチェックとフォロー
【この連載の前回:【快年童子の豆鉄砲】(その71)へのリンク】
2.MPM導入ステップの説明
前回のStep 2:オペレーターの設備管理能力把握とクラス分けに続けて、解説します。
Step 3:オペレーターの設備管理能力と設備の状態とのマッチング
「現有設備の状態把握と分類」(Step 1)と「オペレーターの設備管理能力把握とクラス分け」(Step 2)が終わったら、次に取り組むべきことは、MPMの具体的活動につなげるための“双方のマッチング”です。即ち、把握された状態の設備を、製品の質を維持しつつ稼働させる上でオペレーターに必要な設備管理能力を明確にしておこうというわけです。
この、オペレーターの設備管理能力(表51-1の a ~ g)と設備の状態(表51-3の ① ~ ④)とのマッチングを、まとめたのが次表です。
表54-1 オペレーターの設備管理能力と設備の状態とのマッチング
上表に示される通り、MPMが対象とする設備は、① ~ ③ です。
オペレーターに必要な設備管理能力a~gの内容を再確認のために、表51-1を下記に再掲します。
表51-1 分担の基準となる「設備管理能力」
上表では、e ~h までは専門保全となっているのに、表54-1では、e ~g も、オペレーターに必要な設備管理能力とされていることに違和感をお持ちになられたことと思います。
これは、MPMの基本理念「設備は生き物であり、その生死のカギを握るのは“オペレーター”である、と言う認識に立ち、目指す設備管理(メンテナンス)を“オペレーターによる完全自主保全”とする」の最後にある“オペレーターによる完全自主保全”を実現するために必要なのです。
そのためには、オペレーターが発見した故障の前兆現象を起点とした保全には、必ずオペレーターも参画させ、設備管理能力の向上の機会にする必要...