3.仕組みを改善する基本
◆ 人手不足への対処方法
ほんの少し前までは、少子高齢化による人手不足が大きな社会問題であり、それまで当たり前であったコンビニの24時間営業の是非などがマスコミを賑わしていた記憶があります。しかし2020年、新型コロナウィルス感染拡大で仕事そのものがなくなってしまい、この話題はすっかり消えてしまいました。
少子高齢化で労働生産人口の減少が更にスピードアップする日本で、労働生産性の向上は今後も絶対に必要なテーマであり、しっかりと研究したいものです。
私たちは「人手不足」という言葉を普通に使っていますが「人不足」と「手不足」は全く別の問題です。人不足は技術・技能の蓄積を必要とする能力の不足のことであり、採用、育成、習熟といった人材への準備を怠ったことが原因であることが多いと思います。これを即解決することはできないので、中長期の人材戦略が必要です。
しかし、忙しい人の仕事内容をよく観察してみると、誰でもが対応できる仕事もかなりしていることが多いのです。その人にしかできない仕事に集中・専念できるように切り分けて、アシスタントを付けて解決できることがしばしばあります。
同様に考えて、一時的な増産に対しては、手不足部分を時間単位での派遣増員や間接も含めた他部門からの応援によって解決が可能です。ただし注意しなくてはいけないのは、その状態が当たり前になってしまうことです。普段からの協力体制の構築は大切なことですが、いつも手不足が発生するようであれば、生産計画や段取り方法などを刷新して簡易自働化や工程数削減といった本格的な改善に着手するべきです。そしてこれからは、ICTなども勉強して更にレベルの高いカイゼンを...