段取り替えの改善ポイント 儲かるメーカー改善の急所101項(その69)

更新日

投稿日

生産マネジメント

 

6、強いモノづくり

◆ 段取り替えの改善ポイント

 一度締めたら緩まないのがボルトの利点です。

 物を固定するときや製品の組み上げには欠かせない物ですね。しかし頻繁に取り付けや取り外しをする用途に、ボルトは必ずしも最適とはいえません。

 スパナなどを使って何度も回転させなければならないし、工具の取り置きや合わせ作業などが必要になるからです。例えば段取り替えの場合、金型などを頻繁に付けたり外したりするのですから、ボルトはこの用途には向いていないということになります。

 型を交換するプレス機や成型機などの設備構造を見てみると、型を固定するためにボルトが使われていることが多いことが分かります。

 すなわち、型交換の時はボルトの数だけ時間と手間を段取りの度にかけることになります。もしそうだとすると、これまではそうだったからとしても、これからもずっとそうであると考えてはもったいないと思います。

 次のように、作業時間を減らすボルトについて、いろいろな改善を実行しましょう。

 

 【ボルトについての改善案】

  • 本当にすべての本数が必要ですか?本数を減らせませんか?
  • 何種類ものボルトが使われているのだとしたら、一種類のボルトに統一できませんか?
  • ボルトを抜かなくてもちょっと緩めるだけで型を外せるだるま穴式を活用できませんか?
  • 二つの物を固定できればいいのであれば、クランプのようなやり方で代用できないでしょうか?
  • どうしても今のボルトを変えられないのであれば、せめて分かりやすくボルトを色分けできませんか?

 

 以前、ある自動車部品会社のプレス職場で、段取り替えに関係する全てのボルトをリストアップし、アイデア出しを行ったところ、大小合わせて100件に上る改善が実行でき、段取り替え時間を2割強も短縮できました。

 段取り替えにボルト...

生産マネジメント

 

6、強いモノづくり

◆ 段取り替えの改善ポイント

 一度締めたら緩まないのがボルトの利点です。

 物を固定するときや製品の組み上げには欠かせない物ですね。しかし頻繁に取り付けや取り外しをする用途に、ボルトは必ずしも最適とはいえません。

 スパナなどを使って何度も回転させなければならないし、工具の取り置きや合わせ作業などが必要になるからです。例えば段取り替えの場合、金型などを頻繁に付けたり外したりするのですから、ボルトはこの用途には向いていないということになります。

 型を交換するプレス機や成型機などの設備構造を見てみると、型を固定するためにボルトが使われていることが多いことが分かります。

 すなわち、型交換の時はボルトの数だけ時間と手間を段取りの度にかけることになります。もしそうだとすると、これまではそうだったからとしても、これからもずっとそうであると考えてはもったいないと思います。

 次のように、作業時間を減らすボルトについて、いろいろな改善を実行しましょう。

 

 【ボルトについての改善案】

  • 本当にすべての本数が必要ですか?本数を減らせませんか?
  • 何種類ものボルトが使われているのだとしたら、一種類のボルトに統一できませんか?
  • ボルトを抜かなくてもちょっと緩めるだけで型を外せるだるま穴式を活用できませんか?
  • 二つの物を固定できればいいのであれば、クランプのようなやり方で代用できないでしょうか?
  • どうしても今のボルトを変えられないのであれば、せめて分かりやすくボルトを色分けできませんか?

 

 以前、ある自動車部品会社のプレス職場で、段取り替えに関係する全てのボルトをリストアップし、アイデア出しを行ったところ、大小合わせて100件に上る改善が実行でき、段取り替え時間を2割強も短縮できました。

 段取り替えにボルトを見たら、改善できる!!と思いましょう。

今回の言葉   

**************************
 段取り替えにボルトを見たら、改善できる!!と思え。
**************************

「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」

 日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

柿内 幸夫

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革


「生産マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
強い工場とは何か

 前回の、多品種少量、部品加工工場の生産効率化の検討に続いて解説します。 ◆関連解説『生産マネジメントとは』    図1の、スマイルカーブ...

 前回の、多品種少量、部品加工工場の生産効率化の検討に続いて解説します。 ◆関連解説『生産マネジメントとは』    図1の、スマイルカーブ...


見込み生産と受注生産、特徴と課題

       1. 見込み生産の特徴と課題  見込み量産タイプの製品では、市場の需要量予測に従って生産するもので、以下の様な特徴・課題があります。...

       1. 見込み生産の特徴と課題  見込み量産タイプの製品では、市場の需要量予測に従って生産するもので、以下の様な特徴・課題があります。...


ヒューマンエラー対策を考える(その3)

  【ヒューマンエラー対策の考察 連載目次】 1. ヒューマンエラー対策 2. ヒューマンエラーの分類 3. ヒューマンエラー(ポカ...

  【ヒューマンエラー対策の考察 連載目次】 1. ヒューマンエラー対策 2. ヒューマンエラーの分類 3. ヒューマンエラー(ポカ...


「生産マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
現場の見える化

       1. 現場マネジメントの精度    私は、中小製造業の現場に立って、現場リーダー...

       1. 現場マネジメントの精度    私は、中小製造業の現場に立って、現場リーダー...


金型の組み立てを効率的に行う方法について

        今回は金型の組み立て作業を効率的に行う方法について解説します。この工程は、確認することも多く...

        今回は金型の組み立て作業を効率的に行う方法について解説します。この工程は、確認することも多く...


ゼロ・ベース経営のすすめ、7ゼロ生産実現マニュアル(その8)

前回のゼロ・ベース経営のすすめ、7ゼロ生産実現マニュアル(その7)に続けて解説します。   ◆【特集】 連載記事紹介:連載記事のタイトル...

前回のゼロ・ベース経営のすすめ、7ゼロ生産実現マニュアル(その7)に続けて解説します。   ◆【特集】 連載記事紹介:連載記事のタイトル...