6、強いモノづくり
◆ 段取り替えの改善ポイント
一度締めたら緩まないのがボルトの利点です。
物を固定するときや製品の組み上げには欠かせない物ですね。しかし頻繁に取り付けや取り外しをする用途に、ボルトは必ずしも最適とはいえません。
スパナなどを使って何度も回転させなければならないし、工具の取り置きや合わせ作業などが必要になるからです。例えば段取り替えの場合、金型などを頻繁に付けたり外したりするのですから、ボルトはこの用途には向いていないということになります。
型を交換するプレス機や成型機などの設備構造を見てみると、型を固定するためにボルトが使われていることが多いことが分かります。
すなわち、型交換の時はボルトの数だけ時間と手間を段取りの度にかけることになります。もしそうだとすると、これまではそうだったからとしても、これからもずっとそうであると考えてはもったいないと思います。
次のように、作業時間を減らすボルトについて、いろいろな改善を実行しましょう。
【ボルトについての改善案】
- 本当にすべての本数が必要ですか?本数を減らせませんか?
- 何種類ものボルトが使われているのだとしたら、一種類のボルトに統一できませんか?
- ボルトを抜かなくてもちょっと緩めるだけで型を外せるだるま穴式を活用できませんか?
- 二つの物を固定できればいいのであれば、クランプのようなやり方で代用できないでしょうか?
- どうしても今のボルトを変えられないのであれば、せめて分かりやすくボルトを色分けできませんか?
以前、ある自動車部品会社のプレス職場で、段取り替えに関係する全てのボルトをリストアップし、アイデア出しを行ったところ、大小合わせて100件に上る改善が実行でき、段取り替え時間を2割強も短縮できました。
段取り替えにボルト...