投資の判断基準 儲かるメーカー改善の急所101項(その98)

更新日

投稿日

生産マネジメント

 

7、これからのモノづくり経営 

 前回の儲かるメーカー改善の急所101項(その97)中小工場の革新案に続いて、解説します。

 

◆ 投資の判断基準

 世の中がどんどんと変わっていく中で、製造業にも大きな変化の波が訪れています。そしてその変化に対応するための投資を判断する必要が出てきます。

 そういった局面で、新しい設備を導入すれば生産性を上げられるということで、設備投資に積極的な会社は多いです。もちろん設備投資は重要で、今にも壊れそうな機械で作業を続けていては品質にも安全にも不安が募ります。あるいは最新の加工技術を発揮するためには新しい設備でなければできないということもあるでしょう。しかし設備投資を決める前に、是非とも考えて戴きたいもう一つの判断基準があります。

 

 当たり前のことを言いますが、設備というものは、その性能を完全に使いこなして、かつチューンナップできる能力があって初めてその本当の効果を発揮できるといえます。単に設備を動かしている程度であれば、部分的な生産スピードが上がるだけで投資効果は低いのではないでしょうか。設備を使いこなしていない場合は、その設備からいかにして最大限の効率を引き出すかということに目を向けて、それができる社員を育成するべきではないかと考えます。すなわち設備の能力を最大限に引き出すことができる社員の育成への投資を優先するということです。

 先日、指導先の会社で、昔塗装で使っていたのですが、塗装工程が不要になって放置されていた古いロボットを分解掃除して再稼働できるようにして、新しいプログラミングと治具の作成を行って組み立ての自動化をできるようにした若い人がいました。私は彼を育てた会社とその彼に心よりの敬意を表します。日本のモノづくりを支える人材を育てた!と思います。

 そもそも社員は会社における最高の資産です。設備を動かし、設備の能力アップをはかれるのも社員です。社員が新しい商品をつくり、売り上げもつ...

生産マネジメント

 

7、これからのモノづくり経営 

 前回の儲かるメーカー改善の急所101項(その97)中小工場の革新案に続いて、解説します。

 

◆ 投資の判断基準

 世の中がどんどんと変わっていく中で、製造業にも大きな変化の波が訪れています。そしてその変化に対応するための投資を判断する必要が出てきます。

 そういった局面で、新しい設備を導入すれば生産性を上げられるということで、設備投資に積極的な会社は多いです。もちろん設備投資は重要で、今にも壊れそうな機械で作業を続けていては品質にも安全にも不安が募ります。あるいは最新の加工技術を発揮するためには新しい設備でなければできないということもあるでしょう。しかし設備投資を決める前に、是非とも考えて戴きたいもう一つの判断基準があります。

 

 当たり前のことを言いますが、設備というものは、その性能を完全に使いこなして、かつチューンナップできる能力があって初めてその本当の効果を発揮できるといえます。単に設備を動かしている程度であれば、部分的な生産スピードが上がるだけで投資効果は低いのではないでしょうか。設備を使いこなしていない場合は、その設備からいかにして最大限の効率を引き出すかということに目を向けて、それができる社員を育成するべきではないかと考えます。すなわち設備の能力を最大限に引き出すことができる社員の育成への投資を優先するということです。

 先日、指導先の会社で、昔塗装で使っていたのですが、塗装工程が不要になって放置されていた古いロボットを分解掃除して再稼働できるようにして、新しいプログラミングと治具の作成を行って組み立ての自動化をできるようにした若い人がいました。私は彼を育てた会社とその彼に心よりの敬意を表します。日本のモノづくりを支える人材を育てた!と思います。

 そもそも社員は会社における最高の資産です。設備を動かし、設備の能力アップをはかれるのも社員です。社員が新しい商品をつくり、売り上げもつくり出します。社員への投資は、教育という時間が必要ですが、ノーリスクハイリターンの最高の投資であるのです。

今回の言葉   

****************

社員への投資は、設備投資に勝る。

****************

「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」 

日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

柿内 幸夫

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革


「生産マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
中国工場の実状を知る、部品・材料について 中国工場の品質改善(その26)

【第2章 中国工場の実状を知る】 【日本工場と中国工場の違い】  前回のその25に続いて解説します。  ここでは、3M(人、設備、材料)それぞれ...

【第2章 中国工場の実状を知る】 【日本工場と中国工場の違い】  前回のその25に続いて解説します。  ここでは、3M(人、設備、材料)それぞれ...


請負費用の工場間比較

 同じような製品を作り、同じような作業を請負させている工場が複数 ある場合(セメント、紙業、建設資材などの複数工場持つ専業メーカー が該当すると思いま...

 同じような製品を作り、同じような作業を請負させている工場が複数 ある場合(セメント、紙業、建設資材などの複数工場持つ専業メーカー が該当すると思いま...


製品設計:ミス防止対策【連載記事紹介】お客様目線で行う製品設計

  ◆お客様目線で行う製品設計、「未然防止の品質管理」 ものづくりを行う上で、作業ミスや作業漏れが無いようにQC工程図や作業指示書を設計...

  ◆お客様目線で行う製品設計、「未然防止の品質管理」 ものづくりを行う上で、作業ミスや作業漏れが無いようにQC工程図や作業指示書を設計...


「生産マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
【ものづくりの現場から】多品種少量の生産管理(飛騨産業)(その1)

  【特集】ものづくりの現場から一覧へ戻る ものづくりを現場視点で理解する「シリーズ『ものづくりの現場から』」では、現場の課題や課題解消...

  【特集】ものづくりの現場から一覧へ戻る ものづくりを現場視点で理解する「シリーズ『ものづくりの現場から』」では、現場の課題や課題解消...


中小企業に適した5S:前編 伸びる金型メーカーの秘訣 (その4)

   今回取り上げる金型メーカーは、愛知県にあるS製作所です。同社は、主に自動車の燃料タンクやブレーキの油圧等で使用されるプラスチック製品の金...

   今回取り上げる金型メーカーは、愛知県にあるS製作所です。同社は、主に自動車の燃料タンクやブレーキの油圧等で使用されるプラスチック製品の金...


金型メーカーCAM工程の業務診断事例(その1)

  ◆ CAM工程の診断内容 1. 3D 加工のセオリーを押えた作業手順になっているか  ここでいう3D加工とは、金型意匠面に多い自由曲面...

  ◆ CAM工程の診断内容 1. 3D 加工のセオリーを押えた作業手順になっているか  ここでいう3D加工とは、金型意匠面に多い自由曲面...