流れ設備の内製化 儲かるメーカー改善の急所101項(その58)

更新日

投稿日

生産マネジメント

 

5、設備改善の基本

◆ 流れ設備の内製化

 工場を見学すると、一つの場所に同じような設備が並んでいるレイアウトであることが多いと思います。同じ工程の設備がそれぞれ一カ所に配置されているので『工程別レイアウト』と呼ばれています。

 一方で、いろいろな設備が一カ所に配置されていて、よく見ると製品を作る順番に並んでいるレイアウトもあります。こちらは『工程順レイアウト』と呼ばれます。

 

 それぞれに長所・短所がありますので、どちらが優れているとは言い切れません。しかしこれからの日本の製造業の取るべき方向が、少品種大量生産ではなく多品種少量生産であり、少ない在庫でお客様に幅広い商品をタイムリーに供給していくのだと考えると、中間在庫を持たないで一気に全工程を完結してしまう『工程順レイアウト』になっていくのが良いと思います。
 とはいえ、設備メーカーが売っている機械は基本的に単機能です。旋盤や研削機、プレス機、あるいは塗装機など各専門メーカーから出ていますが、そのほとんどがどこの工場でも使えるように汎用機として売られています。

 ですから、流れ生産をするためには、汎用機と汎用機の間を自分たちでつなぐ必要が出てきます。

 機種別に並べるのではなく、工程順に並べるレイアウトにするのです。私はこれを「流れレイアウト」とも呼んでいますが、この場合は「工程間をどうつなぐか」に工夫をすることが大切です。

 理想的には工程間をつなぐ仕掛けを自社で造ることです。つなぐだけのシンプルな専用機を造ることで生産性もリードタイムもレベルアップできます。独自の強いものづくりができるようになるステップです。

 もし、自社に最適な流れ生産の設備を売っているとしたら、フルオーダー設備でとても大きな金額になるか、誰にでもできる程度のものづくりしか行...

生産マネジメント

 

5、設備改善の基本

◆ 流れ設備の内製化

 工場を見学すると、一つの場所に同じような設備が並んでいるレイアウトであることが多いと思います。同じ工程の設備がそれぞれ一カ所に配置されているので『工程別レイアウト』と呼ばれています。

 一方で、いろいろな設備が一カ所に配置されていて、よく見ると製品を作る順番に並んでいるレイアウトもあります。こちらは『工程順レイアウト』と呼ばれます。

 

 それぞれに長所・短所がありますので、どちらが優れているとは言い切れません。しかしこれからの日本の製造業の取るべき方向が、少品種大量生産ではなく多品種少量生産であり、少ない在庫でお客様に幅広い商品をタイムリーに供給していくのだと考えると、中間在庫を持たないで一気に全工程を完結してしまう『工程順レイアウト』になっていくのが良いと思います。
 とはいえ、設備メーカーが売っている機械は基本的に単機能です。旋盤や研削機、プレス機、あるいは塗装機など各専門メーカーから出ていますが、そのほとんどがどこの工場でも使えるように汎用機として売られています。

 ですから、流れ生産をするためには、汎用機と汎用機の間を自分たちでつなぐ必要が出てきます。

 機種別に並べるのではなく、工程順に並べるレイアウトにするのです。私はこれを「流れレイアウト」とも呼んでいますが、この場合は「工程間をどうつなぐか」に工夫をすることが大切です。

 理想的には工程間をつなぐ仕掛けを自社で造ることです。つなぐだけのシンプルな専用機を造ることで生産性もリードタイムもレベルアップできます。独自の強いものづくりができるようになるステップです。

 もし、自社に最適な流れ生産の設備を売っているとしたら、フルオーダー設備でとても大きな金額になるか、誰にでもできる程度のものづくりしか行っていないかのどちらかということになります。

 

今回の言葉   

********************
 流れ生産してくれる設備は売っていない。
********************

「儲かるメーカー改善の急所<101項> 」

    日本経営合理化協会出版局 柿内 幸夫 


 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

柿内 幸夫

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革

現場で全員で『知のすり合わせ』を実行して経営改革


「生産マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
明日の仕事は今日の改善、それを今日やる 人材育成・組織・マネジメント(その3)

  【人材育成・組織・マネジメントの考察 連載目次】 1. 間接部門のプロセス改善とは 2. 現場は全てを物語る 3. 明日の仕...

  【人材育成・組織・マネジメントの考察 連載目次】 1. 間接部門のプロセス改善とは 2. 現場は全てを物語る 3. 明日の仕...


求められる人材と組織 儲かるメーカー改善の急所101項(その87)

  7、これからのモノづくり経営  前回の儲かるメーカー改善の急所101項(その86)QCDの意義と限界に続いて、解説します。 ◆ 求...

  7、これからのモノづくり経営  前回の儲かるメーカー改善の急所101項(その86)QCDの意義と限界に続いて、解説します。 ◆ 求...


段取り8割の仕事術(自工程完結)

 日々進む国際化の中で、仕事は益々複雑化、多様化が進み、職場には外国出身者も含め多様な方々が増えてきています。従来の仕事の進め方、考え方、つまり仕事が個人...

 日々進む国際化の中で、仕事は益々複雑化、多様化が進み、職場には外国出身者も含め多様な方々が増えてきています。従来の仕事の進め方、考え方、つまり仕事が個人...


「生産マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
物流仕事の保有能力とは

  1. 重量能力とは  物流現場を見ているととても残念なことに気づきます。それは保有する能力を使いきっていないために本来得られるべき効率をムダに...

  1. 重量能力とは  物流現場を見ているととても残念なことに気づきます。それは保有する能力を使いきっていないために本来得られるべき効率をムダに...


ゼロ・ベース経営のすすめ、7ゼロ生産実現マニュアル(その14)

    前回のゼロ・ベース経営のすすめ、7ゼロ生産実現マニュアル(その13)に続けて解説します。   ◆【特集】 連...

    前回のゼロ・ベース経営のすすめ、7ゼロ生産実現マニュアル(その13)に続けて解説します。   ◆【特集】 連...


金型・部品加工:分業体制による工具の寿命判定の難しさについて

 今回のテーマは、CAMとマシニングセンターの作業オペレーターが分業体制になったことで、多くの加工メーカーや金型メーカーで聞かれる、ドリルやエンドミル...

 今回のテーマは、CAMとマシニングセンターの作業オペレーターが分業体制になったことで、多くの加工メーカーや金型メーカーで聞かれる、ドリルやエンドミル...