・見出しの番号は、前回からの連番です。
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妄想はネガティブに捉えられがちですが、私は妄想はイノベーション創出において、極めて重要な役割を果たすものであると考えています。引き続き、妄想のすすめについて解説します。妄想をするには、それなりにエネルギーが必要になります。そのようなエネルギーを生み出すためには、それなりの心構えや工夫が必要になります。今回も引き続き、妄想を積極的に促す方法について考えてみます。
23. 妄想を積極的に促す方法(その23):妄想を「形」にして残す
妄想のプロセスのもったいない点に、妄想は頭の中だけの活動ですので、せっかくの妄想の結果や形跡が消えてしまう可能性が大きいことです。妄想の結果や形跡が何らかの形で残れば、このメルマガの中で何度か取り上げた隣接可能性を利用して、そこからまた妄想が広がりますし、過去のすでに妄想済のことを何度も繰り返えすことを避けられる(妄想は効率を求めての活動ではありませんので、そのようなことはある程度はあって良いのですが。)という利点があります。それでは妄想を形にする活動に、どのようなものがあるのでしょうか。
(1)妄想...
①メモをとる
何かを記録に残すのに当然考えられることに、メモをとるがあります。妄想は机にへばりついている時には起こりにくく、歩いている時、電車や車に乗っている時など移動時に起こることが多いので、移動時に簡単にメモがとれ、それを習慣にすることが大事です。多くの人にとってスマホはそのようなツールに適していますし(残念ながら私はスマホの入力が得意でないのですが)、すでにすぐメモをする習慣を持っている人も少なからずいると思います。そのような人にとっては、妄想をメモすれば良いだけです。
妄想はそもそも不完全なものですので、メモの内容は妄想の断片だけでよく、きちんとしたものにする必要はありません。断片だけでも十分効果を発揮します。メモをとる効果には、メモする時にその妄想を反芻し、頭に定着すること、そして隣接可能性を利用して、あらたな妄想につなげられるという効果があります。
②妄想日記をつける
しかし現実には、妄想の内容をその場ですべて記録することは現実には不可能でしょう。そのため、一日の終りに妄想日記をつけるというアイデアがあると思います。(このようなことを書いている私自身、日記をつける習慣を持っていないのですが。)「妄想を積極的に促す方法(その19):一日のうち、妄想タイムを持つ」で議論した内容に似ていますが、ここではその日に妄想したことを思いだして、記録をするというものです。
日記はそもそも一日の終わりに、静かな環境の中でその一日の活動から考えたことを記録するもので、それ自体にすでに多少の妄想を含んでいると思いますが、この日記を書く時には妄想をおおいに重視して、その日の妄想の拡大を(その面ではその19と同じ活動ですが)含め、記録に残すというものです。
妄想日記そのものの話ではなく、普通の日記の話ですが、歴史上の多くの偉人が日記をつけていたという事実もありますし、私の周りでも日記をつける習慣を持っている人は、人生をポジティブに送っている人のように思えます。
私自身を含め、日記を書く習慣を持っていない人にとっては、まず日記をつけることを始める、そしてその上でそこには妄想を沢山含める、ということをやってみる価値は大きそうです。
③創作活動をする
妄想日記よりかなりハードルが高いのですが、妄想を形にする方法に創作活動があります。そもそも小説にしても、絵画にしても、音楽にしても多くは妄想に基づく創作です。その分野の専門家でなくても、簡単な物語を書いてみる。絵心のある人は、それを実際の絵にしてみる。さらには音楽にしてみる。私はNHK BSのストリートピアノの番組を良く見るのですが、外国人の中に自作の曲を演奏する人が多いのには驚きます。自作曲を作ることは、想像よりも容易なのかもしれません。
次回に続きます。
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