経済に関する5つのフレームワーク 普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その39)

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  技術マネジメント
 
 この連載ではマクロ環境分析の解説をしていますが、今回は、PESTEL(Political:政治、Economical:経済、Societal:社会、Technological:技術、Environmental:環境、Legal:法律)のうち、2つ目の経済についての解説をします。経済に関しても、なんらかのフレームワークが必要ですので、次の5つから構成されるフレームワークで解説します。
 

1. 「一般消費者」の消費と調達

 
 全ての経済活動の目的は、最終的にはなんらかの一般消費者の個人ニーズの充足、つまり顧客価値創出を目的としています。世界で日々動いている経済活動の全ては、その一点に向かって動いているわけです。一般消費者は、自身になんら価値を生み出さない対象に対しては、1円たりとも支払うことはありません。寄付行為とて、他人への寄付からの心理的な充足感という価値を生み出しています。
 
 また、税金の最終的には納税者の個人への価値提供のために使われます。つまり、消費者にとっての顧客価値を生み出さないいかなる活動も、経済活動ではないと言えます。したがって、ここで目を向けなければならないのが、次の2点の動向であり、これらを捉えることが、マクロ環境分析の対象となります。
 
  •  顧客のニーズ(将来のニーズを含む)とその背景
  •  顧客のニーズを満たすための調達・消費行動
 

2.「企業」の生産・消費と調達

 
 最終的な一般消費者のニーズを満たすべく、製品やサービスを創出・提供するのが企業です。ここでの活動は、顧客が求めているものを生み出すイノベーション、それを製品・サービスとして形にする生産(と消費)、生産活動へのインプットとなる経営資源全般にわたる調達活動があります。更に企業自体のニーズが発生し、それがより川上の企業の価値創出の対象となり、この連鎖が上流にまで続いていきます。
 
 したがって、マクロ環境分析において、分析の対象となるのは、次の5点の活動であり、これらを捉えることが、マクロ環境分析の対象となります。
 
(1) 企業のイノベーション創出活動
(2) 企業の生産・消費活動
(3) 完成した製品やサービスの提供活動
(4) それらを行う上での企業のニーズとその背景
(5) 企業のニーズを満たすための経営資源の調達活動などがあります。
 
 最後の経営資源に関しては、原材料・設備調達(モノ)、人の採用・育成(ヒト)、資金調達(カネ)、場所、技術・知識、能力など、広い範囲を考える必要があります。
 

3. 最上流の経営資源

 
 企業活動は、ヒト、モノ、カネなどを調達して生産・消費活動を行い、川下の顧客に提供をし、最終的には一般消費者にまで行き着きます。そこで、その連鎖の最上流に位置付けられる経営資源に目を向けなければなりません。最上流の経営資源とは、労働者・人材(ヒト)、天然資源・土地(モノ)、資金といったものです。希少天然資源が枯渇するなどがあれば、それを利用した製品の生産は停滞します。
 
  それから労働者が不足すれば、経済活動に大きな影響を与えます。資金需要に対し、供給量が増えればインフレが発生します。このように、最上流に位置する経営資源の供給量やその制約事項についてマクロ環境分析の中で取り扱っていかなければなりません。
 

4. 政府の生産・消費活動への働きかけ

 
 経済活動全般に...
 
  技術マネジメント
 
 この連載ではマクロ環境分析の解説をしていますが、今回は、PESTEL(Political:政治、Economical:経済、Societal:社会、Technological:技術、Environmental:環境、Legal:法律)のうち、2つ目の経済についての解説をします。経済に関しても、なんらかのフレームワークが必要ですので、次の5つから構成されるフレームワークで解説します。
 

1. 「一般消費者」の消費と調達

 
 全ての経済活動の目的は、最終的にはなんらかの一般消費者の個人ニーズの充足、つまり顧客価値創出を目的としています。世界で日々動いている経済活動の全ては、その一点に向かって動いているわけです。一般消費者は、自身になんら価値を生み出さない対象に対しては、1円たりとも支払うことはありません。寄付行為とて、他人への寄付からの心理的な充足感という価値を生み出しています。
 
 また、税金の最終的には納税者の個人への価値提供のために使われます。つまり、消費者にとっての顧客価値を生み出さないいかなる活動も、経済活動ではないと言えます。したがって、ここで目を向けなければならないのが、次の2点の動向であり、これらを捉えることが、マクロ環境分析の対象となります。
 
  •  顧客のニーズ(将来のニーズを含む)とその背景
  •  顧客のニーズを満たすための調達・消費行動
 

2.「企業」の生産・消費と調達

 
 最終的な一般消費者のニーズを満たすべく、製品やサービスを創出・提供するのが企業です。ここでの活動は、顧客が求めているものを生み出すイノベーション、それを製品・サービスとして形にする生産(と消費)、生産活動へのインプットとなる経営資源全般にわたる調達活動があります。更に企業自体のニーズが発生し、それがより川上の企業の価値創出の対象となり、この連鎖が上流にまで続いていきます。
 
 したがって、マクロ環境分析において、分析の対象となるのは、次の5点の活動であり、これらを捉えることが、マクロ環境分析の対象となります。
 
(1) 企業のイノベーション創出活動
(2) 企業の生産・消費活動
(3) 完成した製品やサービスの提供活動
(4) それらを行う上での企業のニーズとその背景
(5) 企業のニーズを満たすための経営資源の調達活動などがあります。
 
 最後の経営資源に関しては、原材料・設備調達(モノ)、人の採用・育成(ヒト)、資金調達(カネ)、場所、技術・知識、能力など、広い範囲を考える必要があります。
 

3. 最上流の経営資源

 
 企業活動は、ヒト、モノ、カネなどを調達して生産・消費活動を行い、川下の顧客に提供をし、最終的には一般消費者にまで行き着きます。そこで、その連鎖の最上流に位置付けられる経営資源に目を向けなければなりません。最上流の経営資源とは、労働者・人材(ヒト)、天然資源・土地(モノ)、資金といったものです。希少天然資源が枯渇するなどがあれば、それを利用した製品の生産は停滞します。
 
  それから労働者が不足すれば、経済活動に大きな影響を与えます。資金需要に対し、供給量が増えればインフレが発生します。このように、最上流に位置する経営資源の供給量やその制約事項についてマクロ環境分析の中で取り扱っていかなければなりません。
 

4. 政府の生産・消費活動への働きかけ

 
 経済活動全般にわたり、政府はその政策により大きな影響力を行使することができます。それは、政府予算、政策、金利、税金などを通してです。
 

5. 消費者・企業の生産・消費活動の結果

 
 以上の結果として、分野別の生産・消費活動が生まれ、経済へのアウトプットに結び付きます。それら経済へのアウトプットは、経済成長率、貿易収支、インフレ率といったマクロ指標やより具体的な機械受注統計、消費動向、住宅着工戸数などで表され、それらの長期的な動向予測もマクロ環境分析の対象となります。
 
 次回に続きます。
 

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この記事の著者

浪江 一公

プロフェッショナリズムと豊富な経験をベースに、革新的な製品やサービスを創出するプロセスの構築のお手伝いをいたします。

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