原因、複数の結果 普通の組織をイノベーティブにする処方箋 (その73)

更新日

投稿日

技術マネジメント

 前々回から時系列や物理量で整理した知識を、更にそれらの関係性を考え整理・拡大することについて解説をしています。今回は「原因と結果」の2つ目の類型の「ピラミッド(一つの原因→複数の結果)」についてです。

1. 1つの「結果」から芋蔓式に、他の「結果」を考える

 これまで「風が吹けば桶屋が儲かる」を例に解説をしていますが「風が吹く」という原因は「土埃を舞い上げる」という一つの結論だけでなく「他の物を舞い上げ」たり、その他にも「物を変形」させたり「摩擦熱を生み出す」など、複数の結果を生み出すことができます。

 ここで重要なことが一つでも「結果」として分かると、そこから芋蔓式に他の「結果」を想定することができるということです。

「土埃を舞い上げる」ことができるのなら「他の物も舞い上げる」ことができるだろう。風は「物を舞い上げる」だけなのか、といった思考・連想をすることができるからです。

2. 原因の本質を定義する:「風が吹く」とはどういうことなのか?

 実はこの点は前回の「重要点」と同じなのですが「風が吹く」の本質は何かを考えて定義することに他の結果を想定することができます。

 その本質の一つを言語化すると「空気という質量を持ったものが移動する」ということです。

 そうであるなら土埃以外の物も舞い上げることもできますし、たとえ舞い上げることができなくても物を移動させることができるかもしれません。また対象物の形状によっては対象物周辺に圧力差を発生させ浮き上がらせることができたり(飛行機が飛ぶ原理です)、摩擦熱で対象物の温度を上昇させることもできるという結論を連想することができます。

3. 連想を生み出す源の知識・経験を多く持つ

 他の結果を連想するためには、上の「原因の本質を定義する」こと以外に、もう一つ重要なことがあります。それは連想の源となる知識や経験を多く持つことです。知識や経験が多くあればある程、連想の可能性が高まります。

 上の例を参考にすると、風で木の葉が舞い上がる状況を見ていれば「風は土埃だけを舞い上げる訳ではない」ことが分かりますし、風が強い日は洗濯物が乾きやすいという経験をしていれば「風は水分を吹飛ばしてくれる(現実に...

技術マネジメント

 前々回から時系列や物理量で整理した知識を、更にそれらの関係性を考え整理・拡大することについて解説をしています。今回は「原因と結果」の2つ目の類型の「ピラミッド(一つの原因→複数の結果)」についてです。

1. 1つの「結果」から芋蔓式に、他の「結果」を考える

 これまで「風が吹けば桶屋が儲かる」を例に解説をしていますが「風が吹く」という原因は「土埃を舞い上げる」という一つの結論だけでなく「他の物を舞い上げ」たり、その他にも「物を変形」させたり「摩擦熱を生み出す」など、複数の結果を生み出すことができます。

 ここで重要なことが一つでも「結果」として分かると、そこから芋蔓式に他の「結果」を想定することができるということです。

「土埃を舞い上げる」ことができるのなら「他の物も舞い上げる」ことができるだろう。風は「物を舞い上げる」だけなのか、といった思考・連想をすることができるからです。

2. 原因の本質を定義する:「風が吹く」とはどういうことなのか?

 実はこの点は前回の「重要点」と同じなのですが「風が吹く」の本質は何かを考えて定義することに他の結果を想定することができます。

 その本質の一つを言語化すると「空気という質量を持ったものが移動する」ということです。

 そうであるなら土埃以外の物も舞い上げることもできますし、たとえ舞い上げることができなくても物を移動させることができるかもしれません。また対象物の形状によっては対象物周辺に圧力差を発生させ浮き上がらせることができたり(飛行機が飛ぶ原理です)、摩擦熱で対象物の温度を上昇させることもできるという結論を連想することができます。

3. 連想を生み出す源の知識・経験を多く持つ

 他の結果を連想するためには、上の「原因の本質を定義する」こと以外に、もう一つ重要なことがあります。それは連想の源となる知識や経験を多く持つことです。知識や経験が多くあればある程、連想の可能性が高まります。

 上の例を参考にすると、風で木の葉が舞い上がる状況を見ていれば「風は土埃だけを舞い上げる訳ではない」ことが分かりますし、風が強い日は洗濯物が乾きやすいという経験をしていれば「風は水分を吹飛ばしてくれる(現実には乾燥した空気が水分を吸収する)」ことも理解できます。さらに大きな重量を持つ航空機が空中に浮遊する理論に関する知識があるなら「風が吹く」との関係性に気が付く訳です。

 
 

4. 形式知だけでなく暗黙知も多いに役に立つ

 ここで連想を生み出すのは形式知(知識)だけでなく、また形式知に転化されていない暗黙知(経験)も大いに対象となります。したがって常日頃から関連するような事象を五感で感じておくことは大変重要です。

 次回に続きます。

 

   続きを読むには・・・


この記事の著者

浪江 一公

プロフェッショナリズムと豊富な経験をベースに、革新的な製品やサービスを創出するプロセスの構築のお手伝いをいたします。

プロフェッショナリズムと豊富な経験をベースに、革新的な製品やサービスを創出するプロセスの構築のお手伝いをいたします。


「技術マネジメント総合」の他のキーワード解説記事

もっと見る
クレーム率シングルppmをゼロに(6) 【快年童子の豆鉄砲】(その61)

【対策前の効果】 1.はじめに 体質系不具合の原因として、職場体質の欠陥が把握できた時点で効果に言及するのは時期尚早との声が聞こえてきそうですが、...

【対策前の効果】 1.はじめに 体質系不具合の原因として、職場体質の欠陥が把握できた時点で効果に言及するのは時期尚早との声が聞こえてきそうですが、...


社員全員がオープン・イノベーターを目指すには  研究テーマの多様な情報源(その27)

   前回のその26に続いて解説します。マーケティングの世界で、「社員全員がマーケター」という言葉があります。すなわち、マーケティング部門だけ...

   前回のその26に続いて解説します。マーケティングの世界で、「社員全員がマーケター」という言葉があります。すなわち、マーケティング部門だけ...


製品設計:ミス防止対策(その3)

【製品設計:ミス防止対策 連載目次】 1.  お客様目線で行う製品設計、「未然防止の品質管理」 2.  過去のトラブル、フィー...

【製品設計:ミス防止対策 連載目次】 1.  お客様目線で行う製品設計、「未然防止の品質管理」 2.  過去のトラブル、フィー...


「技術マネジメント総合」の活用事例

もっと見る
作業要素の進捗分析2 プロジェクト管理の仕組み (その19)

  前回のその18:作業要素の進捗分析1に続いて解説します。    図50は製品構造の観点から管理単位にブレークダウンした例です。製品がどの...

  前回のその18:作業要素の進捗分析1に続いて解説します。    図50は製品構造の観点から管理単位にブレークダウンした例です。製品がどの...


システム設計3 プロジェクト管理の仕組み (その35)

 前回はシステム設計を、開発工程上はシステムエンジニアリングと、ハードやソフトなどのサブシステムのエンジニアリングの両方と定義しました。ここで、システムエ...

 前回はシステム設計を、開発工程上はシステムエンジニアリングと、ハードやソフトなどのサブシステムのエンジニアリングの両方と定義しました。ここで、システムエ...


基本の仕組みを進化・深化させるとは プロジェクト管理の仕組み (その1)

 前回は、リスク管理が重要であることと、その反面、リスク管理の仕組みを運用しているところでもリスク管理シートを書いているだけという、表面的な仕組みになって...

 前回は、リスク管理が重要であることと、その反面、リスク管理の仕組みを運用しているところでもリスク管理シートを書いているだけという、表面的な仕組みになって...