人財育成(その11) クリーン化について(その106)

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クリーンルーム

 

毎年、5月をむかえると新入社員が入社して1ヶ月が経ちます。現在社員教育中のところもあれば、現場で即戦力として働いている場合もあるでしょう。今回も、人財育成について新入社員の教育について、感じていることを記します。

【この連載の前回:クリーン化について(その105)人財育成(その10)へのリンク】 

【連載記事】クリーンルームの4原則

 

GWの連休が終わると、新入社員の育成は本格的に始まるところもあるでしょう。ただ、この休みは、新入社員の心、気持ちに変化が起きる機会になるかも知れません。就職は、自分の将来を左右する一大イベント、大きな節になります。

 

就職活動に集中し、頑張ってきて目標が達せられた。一段落したその最初の長期連休であり、友人、同級生などとの情報交換の場になることが多いでしょう。自分の置かれている環境も見直す余裕が出て来るわけです。そこで不安になるなど気持ちや心の変化が起きるのです。5月病とも言う時期です。

 

でも、上司に相談できる関係には至っていないと思うので、それらの気持ちは、自分の中に閉じ込めてしまうかも知れません。加えて、ここ数年、学生時代もネットで授業を受け、また就職してもお客様とのやりとりも、ネットという人も多買ったのではないでしょうか。急に人と対面しての仕事は大きな悩みかも知れません。

 

GW連休明けの時期は、管理職、職制としては、その新入社員のフォローは大きなテーマです。

 

会社生活、数年経つと部下を持つ時期が来ます。

私が若い頃上司から言われたことは、“部下を持ったその日から、部下の家族も背負ったと思え”とか、“部下の将来も背負ったと思え”などと言われました。自分の事だけを考えるのではなく、若い人の育成や相談など様々な業務が入ってきます。しかし、忙しいと言って、それらの対応を省く、後回しにしてしまうと、部下は育たない、あるいは離れていくのかも知れません。部下の家族や将来を背負うと言う表現は、今の時代にマッチするか否かはわかりません。

 

また上司も自分の事が精一杯で、そんな余裕がないという方もいるでしょう。でも会社にいるうちは、部下を預かっている、いわゆる親代わりの部分もあります。

 

子供が生まれ、また保育園や幼稚園、小学校へと進む段階で、親としては、この子は将来どのように育つのだろうか。あるいは、人間らしく育てていきたいなどと考えるでしょう。そして将来もうまく世の中を渡って欲しいという願いもあるでしょう。

 

親という字は木の上に立って見ると書きます。その子そのものを見るだけでなく、その子の将来に障害がないかどうか、先まで見渡せるよう木に登って遠くまで見るのです。将来も心配し、考えるわけです。

 

これは、部下を持った監督者も同じだと思います。どのように育てようかと考える心の余裕は欲しいです。人を育てる時は、基本からしっかり指導していくことが大切です。このくらいは知っているだろうと思い、途中を省くと様々な問題が起きます。

 

例えば、米国大リーガーの二刀流、大谷翔平、将棋界のプリンス、藤井聡太など超一流の日本人がいます。

 

私は、動の大谷、静の藤井と言うイメージを持っています。この人達の事は知っていて当たり前だと言う、先入観を持っている方も多いと思います。そして、大谷は、藤井は、というところから話に入ってしまいます。これは当然のことだと思います。

 

私の母親は93歳、野球のことは全く知りません。王、長島くらいしか知りません。でも、テレビで大谷と言うと、何を置いてもテレビを注視します。ところが、その大谷翔平を知らないと言う人にも会いました。

 

別な例では、先日、ある営業マンに車の点検を依頼しました。

「5月1日は点検の予約は可能ですが、私は当番でいません」と言う回答がありました。そこで「当番というのは、その会社の代表としてメーデーに参加するのですか?」と聞いたところ「当日は休む番です。ところでメーデーとは何ですか?」と聞かれました。つまりその方との会話に途中から入ってしまったと言うことです。これは知っている(はず)だと言う先入観ですね。

 

日常生活の中でも、先入観が邪魔をして、意見、考えが食い違うことは多々あります。新入社員の場合は、育ってきた背景、環境が皆違うので、テーブルの上で同じ教育をする(OFF-JT)だけでなく、よく確認し、その人を理解して指導(OJT)すべきですね。

 

こんな話もあります。

大卒の新入社員が、自職場に配属された。4月は何かと忙しいので、とりあえず簡単な仕事を頼み、落ち着いたら教育をしようと思った。そこで、上司が、その新入社員に「君、この書類をコピーしてくれ」と頼んだ。しばらくしても報告がないので、その新入社員に「さっき頼んだのはどうなった?」と聞いたと...

クリーンルーム

 

毎年、5月をむかえると新入社員が入社して1ヶ月が経ちます。現在社員教育中のところもあれば、現場で即戦力として働いている場合もあるでしょう。今回も、人財育成について新入社員の教育について、感じていることを記します。

【この連載の前回:クリーン化について(その105)人財育成(その10)へのリンク】 

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GWの連休が終わると、新入社員の育成は本格的に始まるところもあるでしょう。ただ、この休みは、新入社員の心、気持ちに変化が起きる機会になるかも知れません。就職は、自分の将来を左右する一大イベント、大きな節になります。

 

就職活動に集中し、頑張ってきて目標が達せられた。一段落したその最初の長期連休であり、友人、同級生などとの情報交換の場になることが多いでしょう。自分の置かれている環境も見直す余裕が出て来るわけです。そこで不安になるなど気持ちや心の変化が起きるのです。5月病とも言う時期です。

 

でも、上司に相談できる関係には至っていないと思うので、それらの気持ちは、自分の中に閉じ込めてしまうかも知れません。加えて、ここ数年、学生時代もネットで授業を受け、また就職してもお客様とのやりとりも、ネットという人も多買ったのではないでしょうか。急に人と対面しての仕事は大きな悩みかも知れません。

 

GW連休明けの時期は、管理職、職制としては、その新入社員のフォローは大きなテーマです。

 

会社生活、数年経つと部下を持つ時期が来ます。

私が若い頃上司から言われたことは、“部下を持ったその日から、部下の家族も背負ったと思え”とか、“部下の将来も背負ったと思え”などと言われました。自分の事だけを考えるのではなく、若い人の育成や相談など様々な業務が入ってきます。しかし、忙しいと言って、それらの対応を省く、後回しにしてしまうと、部下は育たない、あるいは離れていくのかも知れません。部下の家族や将来を背負うと言う表現は、今の時代にマッチするか否かはわかりません。

 

また上司も自分の事が精一杯で、そんな余裕がないという方もいるでしょう。でも会社にいるうちは、部下を預かっている、いわゆる親代わりの部分もあります。

 

子供が生まれ、また保育園や幼稚園、小学校へと進む段階で、親としては、この子は将来どのように育つのだろうか。あるいは、人間らしく育てていきたいなどと考えるでしょう。そして将来もうまく世の中を渡って欲しいという願いもあるでしょう。

 

親という字は木の上に立って見ると書きます。その子そのものを見るだけでなく、その子の将来に障害がないかどうか、先まで見渡せるよう木に登って遠くまで見るのです。将来も心配し、考えるわけです。

 

これは、部下を持った監督者も同じだと思います。どのように育てようかと考える心の余裕は欲しいです。人を育てる時は、基本からしっかり指導していくことが大切です。このくらいは知っているだろうと思い、途中を省くと様々な問題が起きます。

 

例えば、米国大リーガーの二刀流、大谷翔平、将棋界のプリンス、藤井聡太など超一流の日本人がいます。

 

私は、動の大谷、静の藤井と言うイメージを持っています。この人達の事は知っていて当たり前だと言う、先入観を持っている方も多いと思います。そして、大谷は、藤井は、というところから話に入ってしまいます。これは当然のことだと思います。

 

私の母親は93歳、野球のことは全く知りません。王、長島くらいしか知りません。でも、テレビで大谷と言うと、何を置いてもテレビを注視します。ところが、その大谷翔平を知らないと言う人にも会いました。

 

別な例では、先日、ある営業マンに車の点検を依頼しました。

「5月1日は点検の予約は可能ですが、私は当番でいません」と言う回答がありました。そこで「当番というのは、その会社の代表としてメーデーに参加するのですか?」と聞いたところ「当日は休む番です。ところでメーデーとは何ですか?」と聞かれました。つまりその方との会話に途中から入ってしまったと言うことです。これは知っている(はず)だと言う先入観ですね。

 

日常生活の中でも、先入観が邪魔をして、意見、考えが食い違うことは多々あります。新入社員の場合は、育ってきた背景、環境が皆違うので、テーブルの上で同じ教育をする(OFF-JT)だけでなく、よく確認し、その人を理解して指導(OJT)すべきですね。

 

こんな話もあります。

大卒の新入社員が、自職場に配属された。4月は何かと忙しいので、とりあえず簡単な仕事を頼み、落ち着いたら教育をしようと思った。そこで、上司が、その新入社員に「君、この書類をコピーしてくれ」と頼んだ。しばらくしても報告がないので、その新入社員に「さっき頼んだのはどうなった?」と聞いたところ「はい、きちんとシュレッダーに掛けておきました」との返事。

 

その上司は、コピーくらいは知っているだろうと疑いもせず、確認もせず頼んだのです。でもそれは重要な書類だった。だからコピーを取っておきたかった訳です。簡単な仕事、ちょっとしたことでも、大きな問題になるかも知れません。

 

人を育てると言うことは、その人が人として育つだけではなく、それで育って、その会社に貢献すると言うスパイラルがあります。そのスパイラルの巻き出しの元から始めるのか、途中から始めてしまうのかの違いです。の部分が違ってしまうと、このような事になるかも知れません。人の指導、育成のテキストはありません。真剣に育てましょう。これは翻って、自分も育つと言うことです。

次回に続きます。

 

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この記事の著者

清水 英範

在社中、クリーン化25年の経験、国内海外のクリーン化教育、現場診断・指導多数。ゴミによる品質問題への対応(クリーン化活動)を中心に、安全、人財育成等も含め多面的、総合的なアドバイス。クリーンルームの有無に限らず現場中心に体質改善、強化のお手伝いをいたします。

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