ここのところ半導体製造の分野が盛り上がってきました。しかも、ナノメートルの世界を目指しています。しかしながら、その土台、基盤がしっかりしているのか、クリーン化の基礎をきちんと持ち合わせているかと言うことを心配しています。何事も基本、基礎がしっかりしていて、その上で高いレベルへの挑戦が可能だと考えています。行き詰まった時、基本に帰れと言いますが、その基本はどこなのかと言うことです。
高いレベルを目指すとき、開発、設計、技術がしっかりしていても、それを具現化する現場の力は追いついているでしょうか。良く、理論的には可能だが・・・と言う言葉も聞きます。ものが作れなければ、現場との乖離は大きく、理論、理屈の話で終わってしまいます。いずれの企業の成功をも願いながら、桁違いの投資額ですから、損益分岐点はどの当たりになるのだろうか。企業間の差は顕著に出るのかなど気になります。その危機感を感じているので、クリーン化の基礎の部分に立ち戻り説明していきます。クリーン化について(その144)クリーン化の基礎(その6)の続きです。
◆ クリーン化の4つの目的
前回に引き続き、解説します。
4. 予防保全、延命化 (生産設備、付帯設備)
昔、ある半導体の前工程でこんなことがありました。突然、設備がガタンと音を立て止まってしまった。保全担当が調べたが、なかなか原因が分からなかった。そして長時間かかって、やっとある部品が摩耗して故障していたことが判明した。その部品を交換しようとしたが、在庫がなかった。メーカーに注文したところ、「納期は2週間かかる」 と言われ、この設備を含むラインが2週間止まってしまった。
管理職からは「早くしてもらってね」 とだけ言われたとのことです。ところ...