クリーン化について(その170)クリーン化の基礎(その32)クリーン化4原則

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クリーン化について(その170)クリーン化の基礎(その32)クリーン化4原則

 

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前回のクリーン化について(その169)クリーン化の基礎(その31)の続きです。

クリーン化4原則は、下図のようにクリーンルーム内、あるいはそれを取り巻く環境での、守るべきこと、注意することなどを項目別にまとめたものです。

 

クリーン化について(その170)クリーン化の基礎(その32)クリーン化4原則

 クリーン化4原則 

 

これは、基準、標準、ルール、申し合わせ事項など、その会社、現場によって表現や扱いは違いますが、クリーンルームの管理項目、着眼点になっています。これらのきまりを守らないと、クリーンルーム内の環境レベルが低下し、製品品質に影響してくるので、従業員の教育は重要なのです。

 

また、経営者や管理職の方がクリーンルームに入る場合も、ただ漠然と見るのではなく、着眼点として活用していただきたい。この着眼点はクリーンルームを持たないものづくり現場でも、良い環境の現場づくりに活用できるのです。一方、作業者以外の人がクリーンルームに入る時、様々なものを持ち込んでしまう場合があります。

 

技術や品質部門の方の持ち込みも注意が必要ですが、開発や設計、生産管理部門などは、現場とは遠い関係になるので、クリーン化の意識は低くなるでしょう。また、経営者や管理職の方が現場に入る時、これらのルールに違反する行為があっても、一般の従業員は指摘し難いです。上に向かって物申すということへの遠慮です。

 

このことについては、“クリーン化の歴史、米国の反省、日本の現状”のところで説明したことを振り返ってみましょう。

 

『日本の大手メーカーが半導体の製造を始めた時、社員がみんなで清掃していた。そして歩留ま...

クリーン化について(その170)クリーン化の基礎(その32)クリーン化4原則

 

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前回のクリーン化について(その169)クリーン化の基礎(その31)の続きです。

クリーン化4原則は、下図のようにクリーンルーム内、あるいはそれを取り巻く環境での、守るべきこと、注意することなどを項目別にまとめたものです。

 

クリーン化について(その170)クリーン化の基礎(その32)クリーン化4原則

 クリーン化4原則 

 

これは、基準、標準、ルール、申し合わせ事項など、その会社、現場によって表現や扱いは違いますが、クリーンルームの管理項目、着眼点になっています。これらのきまりを守らないと、クリーンルーム内の環境レベルが低下し、製品品質に影響してくるので、従業員の教育は重要なのです。

 

また、経営者や管理職の方がクリーンルームに入る場合も、ただ漠然と見るのではなく、着眼点として活用していただきたい。この着眼点はクリーンルームを持たないものづくり現場でも、良い環境の現場づくりに活用できるのです。一方、作業者以外の人がクリーンルームに入る時、様々なものを持ち込んでしまう場合があります。

 

技術や品質部門の方の持ち込みも注意が必要ですが、開発や設計、生産管理部門などは、現場とは遠い関係になるので、クリーン化の意識は低くなるでしょう。また、経営者や管理職の方が現場に入る時、これらのルールに違反する行為があっても、一般の従業員は指摘し難いです。上に向かって物申すということへの遠慮です。

 

このことについては、“クリーン化の歴史、米国の反省、日本の現状”のところで説明したことを振り返ってみましょう。

 

『日本の大手メーカーが半導体の製造を始めた時、社員がみんなで清掃していた。そして歩留まりが向上し、米国と肩を並べる、あるいは追い越したと言われる時期があった。 その反省から、米国の企業では、現場だけでなく人事、総務、管理など現場から距離が遠い部門であっても、全社員に教育を実施しているところが多いようだ』 ということを記した。どの部門に配属されても現場のことを理解するのです。日本では、従業員に教育を実施しても、役員や管理職まで教育をしている例は少ないでしょう。しかし従業員の教育だけでなく、経営者や管理職など双方に対しての教育が必要です。外資系の企業では、製造部長などが、クリーンルーム内の標準を作るところもあるようです。机上で思いつくまま標準の作成はできないので、頻繁に現場に入るわけです。いわゆる三現主義であり、現場に精通するのです。

 

私が山形県の工場に赴任した時、クリーン化教育を立ち上げ、総務部門の協力を得て“全社員対象の教育”にしてもらった。社内では重要な教育と位置付けてもらったわけです。当時、その赴任先の社長にも受講してもらった。この時、「クリーン化の重要性を認識した。もう一度聞かせて欲しい」 と言って二度も受講してくれた。こうなると一般社員も同じ内容の教育を受けているので、共通の会話ができ、従業員との距離も縮まり、相互に話がしやすくなるのです。また、“クリーン化で重要なこと”の最初に“経営者、管理・監督者の旗振り”と記したが、すぐに成果が出る活動ではなく、継続することに価値があり、それが会社、製造現場の体質強化に繋がるのです。そのことを理解し、支援をしていただきたいのです。成果主義だけを強調しすぎると、数字やデータで報告しやすいことになびき、クリーン化は敬遠されてしまうのです。地道な活動を見守り、支援してもらいたいです。

 

クリーン化教育は全社員(役員から一般社員まで)だけでなく、契約社員、派遣社員など幅広くやっておきたいです。クリーン化4原則は、現場を管理するために、抑えるべきポイントであり、また現場を見る時の着眼点でもあります。現場に入ってどこを見ればよいのか、何を見ればよいのかわからない方も案外多いものです。現場で発言したことが、クリーンルーム管理に反する場合もあります。その失敗や怖さを知っている方は、徐々に現場に近寄らなくなる。そして現場との距離が遠くなってしまう。そんな場面もいくつか見てきた。クリーン化4原則を頼りに現場を見ても、実際にはそれだけで気づくことは少ないです。現場は生き物であり、私たちに見せる顔が日々違うのです。日々多面的に観察することが大切です。これによって自己成長にも繋がるのです。

 

 “クリーン化は感性だ” と言います。これはショートカットの言葉です。そのカットされている部分は、“現場に良く入り、日常的に様々な見方ができるよう心掛ける、その繰り返し” だと考えている。いきなり感性には辿り着かないのです。 逆に毎日現場で作業している人が見る現場は、“住めば都”になってしまい、その環境に慣れてしまうと、これもまた自職場の不具合を見つけられない。例え見つけても、まあいいかとなってしまう。いつも新鮮な目で見るよう心掛けることが大切です。そうは言っても具体的にどうすればよいのか、次回そのきっかけを紹介します。

 

クリーン化のこと、活動の進め方、事例など個別に対応が必要でしたら、ものづくりドットコムを通じてご連絡ください。可能な限り対応致します。また、セミナー、講演会なども対応致します。

【参考文献】 
清水英範 著、 「知っておくべきクリーン化の基礎」諷詠社 2023年
    同    電子版 「知っておくべきクリーン化の基礎」、諷詠社 2023年
    同   「日本の製造業、厳しい時代をクリーン化で生き残れ!」諷詠社 2012年

 

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この記事の著者

清水 英範

在社中、クリーン化25年の経験、国内海外のクリーン化教育、現場診断・指導多数。ゴミによる品質問題への対応(クリーン化活動)を中心に、安全、人財育成等も含め多面的、総合的なアドバイス。クリーンルームの有無に限らず現場中心に体質改善、強化のお手伝いをいたします。

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