ここのところ半導体製造の分野が盛り上がってきました。しかも、ナノメートルの世界を目指しています。しかしながら、その土台、基盤がしっかりしているのか、クリーン化の基礎をきちんと持ち合わせているかと言うことを心配しています。何事も基本、基礎がしっかりしていて、その上で高いレベルへの挑戦が可能だと考えています。行き詰まった時、基本に帰れと言いますが、その基本はどこなのかと言うことです。
高いレベルを目指すとき、開発、設計、技術がしっかりしていても、それを具現化する現場の力は追いついているでしょうか。良く、理論的には可能だが・・・と言う言葉も聞きます。ものが作れなければ、現場との乖離は大きく、理論、理屈の話で終わってしまいます。いずれの企業の成功をも願いながら、桁違いの投資額ですから、損益分岐点はどの当たりになるのだろうか。企業間の差は顕著に出るのかなど気になります。その危機感を感じているので、クリーン化の基礎の部分に立ち戻り説明していきます。クリーン化について(その143)クリーン化の基礎(その5)の続きです。
(4) 人財育成とクリーン化の関係
人財育成の例を紹介します。ある二次更衣室で、作業者が防塵衣を着ていた。上司がその様子を見て、「防塵衣の着用順序が違うじゃないか、教育の時教わったでしょう。あの通りにしなさい」 と大きな声で叱ったというのです。怖い上司が大きな声で叱ると、その作業者は当面はその通りに着用するでしょう。ところが、ある日その怖い上司が違う部署に異動した。後任の上司は優しい人で、そんなことは一々言わなかった。するとその作業者はまた元のように、自分の好き勝手に着脱するようになってしまうかも知れません。この事例では、重要なことが抜けています。
“なぜ”そのような着方、...