気流について クリーン化について(その47)

更新日

投稿日

 

 

 今回は、前回に続いてクリーンルーム内の気流の見方を解説します。

3. 気流の可視化

 これらの気流は目に見えないので、可視化して改善、対策を取る必要があります。この気流の可視化について、次の図で説明します。

 

クリーン化

図.気流の可視化

 

③ 気流可視化装置で見る方法

 気流可視化装置は、ハンディタイプと、台車に乗せて運搬するような大型のものがあります。ハンディタイプは、自家用車の車内を掃除する、小型の掃除機のような大きさです。いずれも、その装置内に純水を入れ、加熱し湯気のようなミストを発生させます。その流れを肉眼で確認します。

 この設備には、ホースのようなものが付いていて、その先端からミストが吹き出します。測定箇所は任意に動かすことができます。粒径が大きいとすぐに落下してしまい、気流の確認はうまくできないので、観察しやすい粒径に調整します。

 例えば、炊きあがりのご飯やみそ汁、コーヒーなどは湯気が立ち、風の流れが良くわかりますね。あのような感じです。確認した気流をきちんとスケッチすることが必要です。何か変化があった時も、それをもとに調査にも活用できます。

 台車に乗せて運ぶタイプは、純水を入れる部分が大きいです。それによりかなり重いです。容量が大きいので、長時間の測定には適していますが、台車が入らない狭いところの観測はしにくいです。気流可視化装置を使っての気流測定で注意すべきことがあります。事例を紹介しながら説明します。

【気流確認後の片づけが不十分な事例】

 気流確認後、純水を抜いてきちんと乾燥することが必要ですが、データを得られればもう仕事が終わったかのように、放置されました。残っていた水滴の中にバクテリアが発生していたのです。あるいは台車に乗せるタイプの純水容器はステンレス製が多く、その純水の乾燥が不十分で、中に錆が発生することがあります。内部にフィルターが入っていますが、それが劣化していて、その後使おうとしたら、そのバクテリアや錆が吹き出したという事例です。

【製品品質に影響した事例】

 純水の粒径調整がうまくいかず、少し大きな粒径のミストが吹き出しました。それは、気流によって浮遊するのではなく、落下してしまい、気流観察ができません。また落下した粒子が鏡面(半導体のウエハー、水晶製品、表示体製品など)に付着することでシミができます。これは洗浄しても除去できず、不良として廃棄された事例です。

【生産に影響した事例】

 上記のように、製品品質に影響が出ないよう、気流測定をする前に設備を止め、製品は安全なところに避難させる対策を講じます。ところが、気流確認は時間がかかることがあります。長時間設備を止めてしまったため、その日の生産計画は達成できなかったという事例です。

 厳密に実施しなければいけない場合を除き、簡易に観察できるので良いのなら、絹糸での確認をお勧めします。品質にも生産にも影響しない方法であり、いつでも、どこでも確認できます。

④ その他の確認方法

・ドライアイスでの確認方法

 昔は使われていたようです。私も技術担当が使っていた...

 

 

 今回は、前回に続いてクリーンルーム内の気流の見方を解説します。

3. 気流の可視化

 これらの気流は目に見えないので、可視化して改善、対策を取る必要があります。この気流の可視化について、次の図で説明します。

 

クリーン化

図.気流の可視化

 

③ 気流可視化装置で見る方法

 気流可視化装置は、ハンディタイプと、台車に乗せて運搬するような大型のものがあります。ハンディタイプは、自家用車の車内を掃除する、小型の掃除機のような大きさです。いずれも、その装置内に純水を入れ、加熱し湯気のようなミストを発生させます。その流れを肉眼で確認します。

 この設備には、ホースのようなものが付いていて、その先端からミストが吹き出します。測定箇所は任意に動かすことができます。粒径が大きいとすぐに落下してしまい、気流の確認はうまくできないので、観察しやすい粒径に調整します。

 例えば、炊きあがりのご飯やみそ汁、コーヒーなどは湯気が立ち、風の流れが良くわかりますね。あのような感じです。確認した気流をきちんとスケッチすることが必要です。何か変化があった時も、それをもとに調査にも活用できます。

 台車に乗せて運ぶタイプは、純水を入れる部分が大きいです。それによりかなり重いです。容量が大きいので、長時間の測定には適していますが、台車が入らない狭いところの観測はしにくいです。気流可視化装置を使っての気流測定で注意すべきことがあります。事例を紹介しながら説明します。

【気流確認後の片づけが不十分な事例】

 気流確認後、純水を抜いてきちんと乾燥することが必要ですが、データを得られればもう仕事が終わったかのように、放置されました。残っていた水滴の中にバクテリアが発生していたのです。あるいは台車に乗せるタイプの純水容器はステンレス製が多く、その純水の乾燥が不十分で、中に錆が発生することがあります。内部にフィルターが入っていますが、それが劣化していて、その後使おうとしたら、そのバクテリアや錆が吹き出したという事例です。

【製品品質に影響した事例】

 純水の粒径調整がうまくいかず、少し大きな粒径のミストが吹き出しました。それは、気流によって浮遊するのではなく、落下してしまい、気流観察ができません。また落下した粒子が鏡面(半導体のウエハー、水晶製品、表示体製品など)に付着することでシミができます。これは洗浄しても除去できず、不良として廃棄された事例です。

【生産に影響した事例】

 上記のように、製品品質に影響が出ないよう、気流測定をする前に設備を止め、製品は安全なところに避難させる対策を講じます。ところが、気流確認は時間がかかることがあります。長時間設備を止めてしまったため、その日の生産計画は達成できなかったという事例です。

 厳密に実施しなければいけない場合を除き、簡易に観察できるので良いのなら、絹糸での確認をお勧めします。品質にも生産にも影響しない方法であり、いつでも、どこでも確認できます。

④ その他の確認方法

・ドライアイスでの確認方法

 昔は使われていたようです。私も技術担当が使っていたのを見たことがあります。ドライアイスは液体にはならず、直接気体(昇華)になります。この時のガスが、純水のミストと同じように、肉眼で見えるので、それを活用したものです。ただ保管や扱いの点で敬遠され、今ではほとんど使われていないでしょう。

・精密機器での測定

 風の流れを3次元で測定することができるものがあります。ただし非常に高価であり、現場での使い勝手も良くないです。

 

 以上、クリーンルーム内の気流の見方としては、普通の現場では今まで紹介した絹糸で見る方法と、気流可視化装置で見る方法で目的は達せられると考えています。

 

 次回に続きます。

 

◆関連解説『環境マネジメント』

   続きを読むには・・・


この記事の著者

清水 英範

在社中、クリーン化25年の経験、国内海外のクリーン化教育、現場診断・指導多数。ゴミによる品質問題への対応(クリーン化活動)を中心に、安全、人財育成等も含め多面的、総合的なアドバイス。クリーンルームの有無に限らず現場中心に体質改善、強化のお手伝いをいたします。

在社中、クリーン化25年の経験、国内海外のクリーン化教育、現場診断・指導多数。ゴミによる品質問題への対応(クリーン化活動)を中心に、安全、人財育成等も含め...


「クリーン化技術」の他のキーワード解説記事

もっと見る
付帯設備の診断-1 クリーン化について(その72)

  付帯設備もいろいろなものがあります。これらはクリーンルームや生産設備を支える重要なものですが、ともすると忘れがちな部分です。これも正常...

  付帯設備もいろいろなものがあります。これらはクリーンルームや生産設備を支える重要なものですが、ともすると忘れがちな部分です。これも正常...


人財育成(その7) クリーン化について(その102)

  クリーン化について、人財育成に触れています。今回のその7も前回に引き続き、人を育てるにはです。 【この連載の前回:クリーン化について...

  クリーン化について、人財育成に触れています。今回のその7も前回に引き続き、人を育てるにはです。 【この連載の前回:クリーン化について...


クリーン化について(その168)クリーン化の基礎(その30)クリーン化4原則

【目次】 ▼さらに深く学ぶなら!「クリーン化技術」に関するセミナーはこちら! ▼さらに幅広く学ぶなら!「分野別のカリキュラム」に関...

【目次】 ▼さらに深く学ぶなら!「クリーン化技術」に関するセミナーはこちら! ▼さらに幅広く学ぶなら!「分野別のカリキュラム」に関...


「クリーン化技術」の活用事例

もっと見る
設備を良く観察するとは

   今回は、設備に関連したクリーン化事例を2件、解説します。 1、新規導入設備で不具合を放置すると長期に影響を及ぼす  ある会社のク...

   今回は、設備に関連したクリーン化事例を2件、解説します。 1、新規導入設備で不具合を放置すると長期に影響を及ぼす  ある会社のク...


ハンダ付け作業と局所排気化

 層流式と呼ばれる清浄度の高いクリーンルーム内では、たぶんハンダ付け作業はしないと思います。しかし、乱流式など清浄度の低いクリーンルーム内では、部屋の隅で...

 層流式と呼ばれる清浄度の高いクリーンルーム内では、たぶんハンダ付け作業はしないと思います。しかし、乱流式など清浄度の低いクリーンルーム内では、部屋の隅で...


作業エリアで使用するセロハンテープ台について

 ものづくりの工場では、セロハンテープ(台)を使うことが多いと思います。例えば様々な掲示、流動している製品への表示、在庫部品への表示など多用しています。こ...

 ものづくりの工場では、セロハンテープ(台)を使うことが多いと思います。例えば様々な掲示、流動している製品への表示、在庫部品への表示など多用しています。こ...