・前回の クリーン化について(その149)クリーン化の基礎(その11)の続きです。
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ここのところ半導体製造の分野が盛り上がってきました。しかも、ナノメートルの世界を目指しています。しかしながら、その土台、基盤がしっかりしているのか、クリーン化の基礎をきちんと持ち合わせているかと言うことを心配しています。何事も基本、基礎がしっかりしていて、その上で高いレベルへの挑戦が可能だと考えています。行き詰まった時、基本に帰れと言いますが、その基本はどこなのかと言うことです。
高いレベルを目指すとき、開発、設計、技術がしっかりしていても、それを具現化する現場の力は追いついているでしょうか。良く、理論的には可能だが・・・と言う言葉も聞きます。ものが作れなければ、現場との乖離は大きく、理論、理屈の話で終わってしまいます。いずれの企業の成功をも願いながら、桁違いの投資額ですから、損益分岐点はどの当たりになるのだろうか。企業間の差は顕著に出るのかなど気になります。その危機感を感じているので、クリーン化の基礎の部分に立ち戻り説明していきます。
(3)三菱電機のCATS
上図のクリーン化担当のところに、“三菱電機のCATS”と追記した。かつて、『三菱電機にはCATSがいる』 という本が出版されている(1989年、ダイヤモンド社)。CATSとは「Clean Analysis Team for Semiconductor(半導体におけるクリーン化の分析、解析をするチーム)」のことです。
折しも、劇団四季のミュージカル“キャッツ”が始まったころで、同じ名前だったことから話題になったので、ご存じの方もいるでしょう。注目すべきことは、このメンバーは女性で構成されており、しかも物理や化学など理系の大卒者だったことです。この女性たちは日頃から良くクリーンルームに入っていたことです。
“現場とはその場に現れる。そして状態は変化する”と書いたが、その現場に頻繁に入り、刻々と変化する現場の姿を観察しているのです。現場に入って、現物はどうか、現実はどうか、という三現主義で見るのです。その上で彼女たちの...