今回から設備診断について説明します。
「現場診断しましょうか」と言っても「自分たちでやるから外部の方の診断は不要です」と言われる場合があります。これにはいろいろな理由があると思います。
- 他の人にいろいろ指摘されたくない。
- 自職場で職制や担当者がいて自走しているから不要です。
これには、セルフチェックで十分です、という場合と本当はそんなことやりたくないという場合があります。
自分たちで実施することも良いのですが、以前説明したように、セルフチェックは甘くなります。見慣れた職場であり、自分たちもその中で働いているので慣れてしまい、不具合があっても見逃してしまう。あるいは厳しく指摘すると自分たちにもその影響が及ぶという意識もあるでしょう。
そして“まあいいか”ということになってしまいます。マンネリ化してしまうのです。
そこで、専門家や他職場のメンバーに見てもらうことが良いのです。常に新鮮な目で見て、現場を改善していく意識が大切です。その意識がないと、現場を巡回することが目的になってしまいます。
他職場の人にいろいろ言われると気分が良くないのは、私も経験があるのでわかります。でも、交差パトロールにすれば、お互い様です。そしてその嫌な部分は棚上げにして、お互いに指摘を有難く捉えましょう。その中で、この職場はこんなに良いことをしているとか、改善事例があれば、私の職場にもこの改善をくださいという風に、情報やノウハウを共有できます。相互に育つということです。それは環境だけでなく、設備に着眼する場合も同じです。
【設備診断で期待される効果】
- 不具合の早期発見、予防保全
- 品質確保
- 生産確保、安定生産
- 事故・災害の未然防止
などが挙げられます。
いろいろな人が見れば、着眼することが多くなるので、不具合がたくさん出るでしょう。これらを着実に改善していきましょう。不具合を拾い出しただけで終わってしまう場合もあります。すると、次のパトロールの時に同じ指摘がされます。その繰り返しだと、徐々にやる気が失せます。発見された不具合は、担当、納期、改善前と改善後の写真、図などを残しましょう。それは対応に真剣さが出るだけでなく、過去の事例として参考にできるからです。
【設備診断のイメージ】
- 設備診断—手順1 設備の周囲を簡単に見る
- 設備診断—手順2 設備周囲を詳細に見る
- 設備診断—手順3 設備内部を詳細に見る
外から段々中に攻めていく感じです。日ごろからあまり活動していないところでは、設備周囲の確認の時点から、様々な不具合が見つかります。この場合は中に視点を移していく過程ではもっとたくさんの不具合が見つかります。私の経験では、先ほど挙げた、期待される効果の項目のいずれにも影響があると考えられます。